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蒼穹の昴(著:浅田次郎)【読書紹介も蒼穹の空に輝く。一念発起平家星の炸裂を今なお待たんと欲す。気が長きこと白髪百十万年】

大御所、浅田次郎先生による中国大河ドラマ小説。

清朝末期。貧しい貧民の子、春児(チュンル)に、
近所の占い婆さまから、途方もないお告げが出る。
いわく、天をもつかむ天命を持っているとな。
これは、ひょっとして巨大王朝の始祖とかになる少年なのか?

絶望的な貧困に苦しむ少年に途方もない希望が与えられた。

★:先に言っておくと、この話、竜頭蛇尾です。

だって清朝の最後って皆さんご存じですよね。
もちろんこの少年が、孫文とか蒋介石とか毛沢東なワケがない。
つまり時代をこの少年が作るとかいう未来はありえんのです。

もちろん史実なんて知ったこっちゃねえ!
という作品もありますが、
これはそういうんじゃない。

たださすが大御所だけあって、
そんな巨大な希望を読者にも抱かせる。
その作家としての力量は想像を絶するものがあると思うのですが、
題材がなあ。

せめて中国南北朝時代とかにしてくれたら、
よくわからんだけに希望が持てるんだけど。

とはいえ、
そこをわきまえて観れば、充分に面白い小説ですし、
続編もあるようです。

春児(チュンル)と、
春児(チュンル)の幼馴染(義兄弟)の地主の息子。梁文秀。
春児(チュンル)の妹。リンリン。

主要人物はこの3人。

文秀は金持ちのドラ息子から、科挙を首席で突破する秀才に。
(ちなみに中国科挙用語がすごい。
あの単語もこの名詞もすべて科挙用語だったんだ)
国を変えようとする志を持ちますが。

ちなみに文秀のモデルは梁啓超だと思われます。
知らないですよね。
清朝末期ですから、青雲の志といっても限界があります。

梁啓超ってパッとしないですよね。
詳しい人じゃないと知らないし。

まあしかし、史実準拠なだけあって、
歴史が好きな人にはいいのかも。
浅田先生はこの辺の中国歴史小説のシリーズがあって、
それらはつながっている世界観の話です。
短編集とかもあるので、

そういうのから入ってみても面白いのではないでしょうか?


こちらはまたちょっと長そうなシリーズ。未読です。
あとタイトル画像がちっともスバルじゃないですが適当なのが無くて。

まあしかし、読むのが止まらん本であることは確かですよ。


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