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僕のリヒター論

初日にゲルハルトリヒター展に行ってきました。どうせ行くなら、と開場する前に並ぼうとしたのですが、会場30分前でも誰も並んでない・・・。オンラインの優先チケットも売り切れてないし、日本ではリヒターはこんなものなのか?と思ったら会場内は徐々に人が集まり、皆真剣に作品と向き合っていました。現代アートの最重要人物ですよね。と偉そうに言ってみましたが僕はアーティストに詳しいわけではありません。でも今回の展覧会に行って確信しました。間違いなく現代アートの巨匠だと。恥ずかしながらリヒターの作品を生で見たことがなく、今回初めて生でみました。いろいろ想像していたのですが、軽く飛び越える。やはり最重要人物。アブストラクト・ペインティングにしても、オーバー・ペインテッド・フォトにしても何にしても、何がまずすごいのかと言われれば、僕はそのバランス感覚だと思います。どの作品を見ても、偶然を必然までもっていっている。ここにこの色が、あそこにこの色が、と一切バランス感覚を崩さない。それも驚くべきはどの作品を見ても絶妙なバランス感覚。抜けはありませんでした。驚きました。大きなアブストラクトの作品だと、普通の人がやるとああ、なんでここにこの色が・・・、なんでここにこの線?となると思うのですが、リヒターはどこを見てもすきがない。アブストラクトは偶然性が強い。リヒタークラスだったら必然的に書いてるのかもしれませんが。偶然に偶然を重ねて完璧までもっていく。そこまでの道のりにはきっとすごい苦労があると思うのですが、リヒターはきっと楽しいんだろうな。僕もやりたい、と思ったり。でももうリヒターがやってるからダメなのです。芸術の世界は初めに始めた人のもの。僕はマネは絶対あってはならないと思います。お前、アブストラクトペインティングやってみろ、と言われればバランスの良い作品は書けると思いますし、リヒター好きならできると思うのですが、でもそれをやってもただのマネ。ペインテッドフォトだって初めにやったリヒターがかっこいいんです。リヒターはかっこいい。どの作品を見てもヘマってあるじゃないですか。でもリヒターはそれがない。全部完璧。すごすぎて会場でニヤニヤしてました・・・。帰りにTシャツ僕はデブなのでXLがジャスト・・・、とポスターが欲しかったので、かわいいエラちゃんを買って帰りました。行って良かった。10月までやっているそうなのでまた行っちゃうかもしれません。


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