読書日記・言葉ってムズカシイ
1月23日（木）
ちょっと前に『グランメゾン東京』を見てからというもの、何故かキムタクが気になる存在になってしまい、最近はキムタクのYouTubeまで見てしまっている。ドラマの役になりきっているキムタクも、そうでないキムタクも、すべてキムタクなので、何を見ても「キムタクだ！！」と思うんだけど、それはそれで確固とした個人がそこにあるようでもあり、そんな風に生きられるにはどうしたらいいんだろうな、なんてことを考えていた。私はいつでもどこでも同じ私ではない。場所や人によってコロコロと変化してしまうので、まるでカメレオンのよう。どんな時でもこれが自分だ！！と貫き通す人生も体験してみたい。
植本一子さんの『台風一過』をパラパラとめくる。夫である石田さんが亡くなった直後の植本さんが日々を忙しなく過ごす中で、「暇になると鬱になる」と言った友人を思い出すシーンがあって、暇になると考えなくても良いことを考えてしまうのはあるけれど、忙しくしていれば余計なことを考えずに済むかというとそうでもなく、忙しいからこそ余裕がなくなって余計なことを考えることもあったなぁと過去を思い出した。
何にしても、行きすぎるとダメなのかもしれない。忙しすぎてもよくないし、暇すぎてもよくない。「ほどほど」が一番なんだろうな。「ほどほど」というものが人生にない私にはよく分からないけれどね。あはは。
1月24日（金）
息子に「武田信玄の本が欲しい」と言われる。うちにあるのは、上杉謙信と武田信玄が一緒になっている本なので、単体での本が欲しいらしい。それはいいんだけども、私はこの上杉さんと武田さんの区別がつかなくて、「武田謙信を買えばいいのね？」と口にしたり、「武田鉄矢だったっけ？？」と聞き返したり、もう誰の何なのか混乱しまくっている。
息子に「武田鉄矢って誰だよ(笑)」と笑われ、「きんぱっつぁん（金八先生）じゃん！！・・あぁ金八先生を知らんのか・・」と世代の違いを痛感しながら金八先生のモノマネをしたのに、息子はまるで見ていなかった。お母さん渾身のモノマネなんだぞ！！見ておきなさいよ！！（夫曰く、まったく似ていないとのこと。指摘されなくても知ってますぅ！！）
で、何の話だっけ？（知らんがな）
キムハナさんの『話すことを話す』を読む。
韓国人同士の会話は、話す人に責任はなく、聞く人に責任がある。そして、聞く人は相手が言っていないことまで聞き取らなければならない。しかも、その責任はえてして、関係において地位が低い人にのみ覆いかぶさる。
この文章を読んだ時、日本人も同じだと思う人は多そう。韓国には「ヌンチ」という言葉があるそうで、意味は「アジア文化圏のように人と人の関係が密であり、かつ重要な所で発達した技術で、何も言わなくても相手の気分や意図をくみ取り、全体の調和を損なわないようにする能力」と本に書いてあった。
日本にも「空気を読む」という表現があるけれど、それと似ているようなまったく同じような。日本だけが息苦しいのかと思ったけれど、韓国も似たり寄ったりのようで驚いた。
「そんなこと、いちいち言わなきゃダメ？」という言葉が韓国であふれかえっていると本に書いてあった。「そんなこと、いちいち言わなきゃダメ？」は、自分が望んでいることを相手がくみ取って、行動に移してくれることを期待している言葉であり、何と言いましょうか、上から目線ですよね、この言葉ってね。
「そんなこと、いちいち言わなきゃダメ？」も嫌だけど、私は「言わなくても分かるでしょ」という言葉が嫌い。だから「空気を読む」のではなく、何かにつけて言葉で確認するようにしているんだけど、そうすると「そんなことをいちいち確認しないで」と思われるので、だんだんと私が話すだけで嫌がられるようになるのです。言葉で確認しても嫌がられ、言葉で確認しなければもめることになる。どないしたらええんや。
お願いだから、本当の気持ちを言葉にしよう。（中略）言葉という効率的に発達した道具があるのに、なぜ何も言わずに相手が忖度してくれることを望むのか。それはまるで、器用に使える手の指があるのに、ひれやひづめを使おうとするようなものだ。
まったくその通りですよ、キムさん。言葉にしたらいいんですよ。「そんなことまでいちいち」と言われても、言葉にしなければ伝わりませんからね。相手の気持ちを推し量って、言葉の裏にある意図を探り出すとか本当にメンドクサイ。
私はこれからも「そんなこと、いちいち言わなきゃダメ？」と言われても、「言わなくても分かるでしょ」と言われても、面倒な人と思われても、孤立しても、気持ちを言葉にして伝えられる人でありたい。ただ私の場合、伝え方が下手くそではあるので、そこは今後も勉強していかねば。あー、言葉って本当にムズカシイ！！！！！