よくある嘆きについて
ゲーム好きな男の子
「息子がゲームばっかりしていて全然勉強しないんです」
という親の嘆きをよく耳にします。
そんな時、親が子供に対して持っているイメージと、私が彼らに対して持っているイメージに、ずいぶんズレがあるなと感じることがあります。
彼らは確かに、やりすぎなくらいゲームに没頭します。
しかし言い方を変えれば、やりすぎなくらいゲームに没頭できます。
この集中力はすごいです。
好きなことにはものすごい集中力を発揮できるということです。
同じゲームやりすぎ人として言えること
私はいい歳をした大人ですが、ゲームが好きです。
夫は短時間のゲームを節度をもってコツコツ楽しむタイプですが、私ははまったらそれこそ時間の許す限りやり続けます。
さすがに大人なので、合間にやるべきことはやります。
しかしそれは、大人だからという理由ではなく、自分がやらなければ他の誰もやってくれないことだからやるのです。
自分がやらなければ、自分が困るからやるのです。
ゲームばかりしていて勉強しない子供には、そうしていられる環境があります。
そうした生活を続けた結果、自分が恥をかいたり、自分が心底困ることがなければ、勉強の必要性は感じないのかもしれません。
大人である私でも、できることなら、何もせずに好きなことばかりしていたいと思うことがあります。
そう思うことはあっても、行動を制御することができます。
彼らと私の違うところは、経験により先を想像することができるところでしょうか。
反射的に怒らない
子供が勉強しないと嘆く親たちが、共通して言うことがあります。
「つい怒っちゃうんですよね」
怒りたくなる気持ちはわかりますし、怒っても良いと思います。
我慢は禁物です。
でも、そんな自分が嫌になるのであれば、なぜ怒ってしまうのかを一度考えてみると良いと思います。
人は、困った時に怒るのだそうです。
ゲームばかりしている子供を見てイラッとする時というのは、たぶん、困っている時なのだろうと思います。
ゲームばかりしている→勉強しない→成績が良くなるはずがない→希望の高校に入れるはずがない→大学も危うい→就職も心配→親の負担が増える
というような一瞬の連想ゲームの末、反射的に怒るという行動に出てしまう。
人により連想ゲームの内容は違うと思いますが、イラッとした時、自分が頭の中でどんな連想ゲームをして困っているのか探ってみると、何か発見があるかもしれません。
放っておけばいい
「放っておいたら勉強しないので」
これもよく言われることなのですが、ここでどうするかが分岐点のように思います。
放っておけばいい、と思います。
なるべく早い段階で、子供自身が心底困る経験をさせると、後が楽です。
人は、自ら変わりたいと思わなければ変わりません。
子供というのは、大人が思っている以上に学習能力があるので、個人差はありますが、自分でハッと気づく時がきます。
「このままだとやばい」と気づいた彼らは、ここぞという時に、ゲームで培った集中力を発揮します。
親の想像を超えてくることもあるでしょう。
もっと早く気づいていれば!となる場合もあるかもしれませんが、それは大人でもよくあることではないでしょうか。
しまった!という経験が多いほど、先を想像することができる力になります。
経験を積みすぎて、好きなことにただただ没頭することにブレーキをかけてしまいがちな大人からすると、子供の好きなことに対するストレートさはとても羨ましかったりします。
男の子のゲーム好きも、あながち悪いことばかりではない気がしませんか。
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