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自分の人生の歩き方

心のバランスを崩してしまった女の子


高校受験も大学受験も順調にクリアし、塾を卒業していったある女の子のお話です。

彼女は、高校受験では目指していた進学校に合格し、大学受験でも目指していた大学よりさらに上のレベルの大学に合格。
晴れ晴れとした顔で塾を卒業していきました。

大学一年生になり、一度遊びに来てくれたことがありましたが、その時は、日々の生活をとても楽しめていたようで、楽しそうに色々な話を聞かせてくれました。

数年たち、ふと思い出して連絡をとってみると、実は色々あって今大学を休学していますとのこと。

どうやらここ数年のコロナ騒ぎで、大学の授業が全てオンラインになって人との繋がりがなくなり、慣れない環境での一人暮らしも追い討ちをかけ、心のバランスを崩してしまったようでした。

たまたま連絡をとったのが、ようやく心が落ち着きを取り戻してきた頃だったようで、顔を見せに来て話を聞かせてくれました。

電車に乗れない、人混みがダメ、食べられない、感情のアップダウンが激しいなどの症状に悩まされ、かなり辛い時期を経験したようです。

まだ回復途中ではあるものの、症状との付き合い方がわかってきた分楽になり、食欲が戻ってきたり、何かしたいという意欲も出てきたとのことでした。

初めての挫折

「これまでずっと、大きな挫折を経験することもなく順調に来てしまったけどいいのかな?と思ってましたけど、ついにすごいのが来ました!」
と彼女は笑っていました。

本人にはもちろんその自覚はありませんが、心のどこかで、挫折を経験したがっていたように思います。

今もまだ渦中ではありますが、コロナ騒ぎは、これまでの生き方を考えさせられる、人類共通の大きな出来事だったと思います。

彼女も、足止めをくらい立ち止まったことで、今まで見えていなかった色々なことが見えてきたようでした。

・今までは親の期待に応えたくて勉強していた気がする。
・自分が本当は何がしたいかわからない。

定期的にカウンセリングを受けて自分の心と向き合い、心の奥に隠れていた本当の気持ちを自覚し受け入れていくことで、少しずつ気力を取り戻していっているようです。

自分の心と向き合う

彼女のような子は、実は多いのです。

親に導かれるまま、それを疑うこともないまま成長し、いざ自分の足で歩いていかなければならなくなった時に、何をして良いのかわからず呆然としてしまう。

これまでの経験から、教育熱心で頼りがいのあるしっかりした親に育てられた子がそうなりやすいように思います。

子供のためを想って、失敗しないように、傷つかないように、なるべく最善の道を歩ませたいという親心から、手取り足取り世話を焼いてしまう気持ちもわかります。
ですが、やはり子供自身に挫折を経験させることでしか培われないものがあるのです。

学校の勉強は人生の役には立ちますが、自分らしい人生の歩き方を教えてくれるものではありません。

自分らしい人生の歩き方を教えてくれるのは、自分の心だけです。

自分の心と向き合い、自分の心の奥にある本当の声を聞き、ひとつひとつ受け入れていくと、自分らしい人生とはどんなものなのかが少しずつわかってきます。

人間、素直が一番です。

他人に強制される「素直」はニセモノです。
自分の素に直る「素直」が本物です。


この「本物の素直」にならう生き方が、実は一番楽でうまくいく生き方なんじゃないかと思っています。

ようやく自分の心と向き合い始めた彼女が、次に会う時にどれほど魅力的になっているか、今から楽しみです。

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