夫婦を知る1冊
子育てのことをメインに書いていますが、最近1日1人くらいからいいねをいただいている記事がこちら。
私の恋愛に対する夢と希望を根こそぎ変えてくれた2冊の本について書いています。
そして少しだけ我が家のエキセントリックな母のことも書きました。
ここでもう1冊紹介してみようと思います。
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男の人とは情けなくも可愛らしい存在であると思わせてくれた本があったからこそ、私は夫と結婚したと言っても過言ではないと思う。
情けなさに腹を立ててもすぐ諦めがつく。
しょうがないんです。王子様は今の所SexyZoneにしかいないのだ(ケンティー!!)
恋愛において影響を受けたのが『冷静と情熱のあいだ』だとすれば
結婚において、今も私の教科書になっているのが
江國香織『いくつもの週末』
江國香織が好きで、中でもこの本が大好き。
彼女がどれだけ可愛らしくて、その可愛らしさ故のめんどくさい感じがいつ読んでも極上の恋愛映画を観たような気にさせてくれる。
この本を読むと、私は良い妻になる必要はない。人間味があっていい。時にめんどくさくてもいいと思わせてくれる。
向き合い続けるというより、お互いの不具合をある意味無視することも夫婦として必要なんだなと思った。
江國香織は旦那さんに「他の女性にチョコレートあげないこと」を約束しているらしい。
彼女の中でチョコレートをあげるということは愛情そのもの。それを他の人にしてほしくないということらしいのだけど、これが物凄く分かるなぁと思った。
昔、仕事先の女の子と夫がアイスの『パピコ』を半分こしたという話を聞いて、強烈に嫌な気持ちになった。
パピコが、というよりは『食べ物をシェアする』ということが私の中ではとても特別なことで、それを他の人としたのか!とショックで、その日はまともに口が聞けなかった。
夫は呆れていたけど、それ以来そうゆう話は聞いていない。
もしかしたら言わないことにしたのかもしれない。それでいい。
夫も同じく、私が夫以外の人を『カッコイイ』と言うことをとにかく嫌う。
私が夫の容姿を付き合った当時過剰に褒めちぎったのが原因かもしれない。
夫よりカッコイイ人なんてちょっと冷静になればどこにでもいる。それ自体を嫌っているというよりは夫に向けて私が口に出すのが嫌だということらしい。
くだらないな、と思う。
お互い様か。
江國香織らしい、淡々とした文章の中に火傷しそうなくらいの愛がこの1冊にはこれでもかと詰め込まれている。
この本を知らなかったら夫との結婚生活はもっと味気なくて冷たかったんじゃないかと思う。
『うんざりするほど愛してる』
この言葉がこの本にはピッタリな気がした。
愛していることにうんざりする。だから一緒にいる。
「なんだかんだ言っても旦那さんを愛してるんですよねえ」
と言われた時には憂鬱になった。そうなのだ。その通り。愛してさえいなければ、すぐ離婚するのに。
夫の寝ている背中を見ながらこの一文を時々思い出す。
夫婦って不思議。
誰かを愛するって不思議なことばかり。
それでもいいのだと思わせてくれるこの1冊を、私はいつでも見える場所に置いている。