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金融の知識とどう向き合いどう付き合うか、「考えの軸」の重要性


 先日、とある大学の金融基礎講座の第15回目、最終回の講義を行いました。大学1回生向けの講義で、72名の学生が参加してくれました。1年間の金融基礎の学習の締めくくりとして、私(TeamモハP Jim)が学生に伝えたのは、

 金融の知識とどう向き合いどう付き合うか

です。正解のある問いではないでしょう。金融の知識との向き合い方、付き合い方は、人それぞれと思いますが、私の経験を、私が思うままに伝えてきました。この記事ではその内容を報告したいと思います。

 モハP【note】を利用しての講義資料はこちらの記事でまとめています。ディスカッション形式の講義でした。学生の視点、是非ご覧いただけたらと思います。

「考えの軸」の重要性

 講義の中で力を入れて伝えたのは、「考えの軸」の重要性です。何かを学ぶ際には、理解の足がかりとなる考えが不可欠です。そして、理解できないことを調べる、この繰り返しです。

 「考えの軸」と書きましたが、理論的なものに限りません。例えば、サッカーの知識において、私は自分のサッカーの経験を「考えの軸」に置いています。「ゼロトップ」や「偽サイドバック」という戦略に向きあう際、私は自分のサッカーの経験を軸に、理解して納得することができます。
 皆様も似たような理解の方法はあるでしょう。

金融の知識と私の「考えの軸」

 モハP【note】を初めてもうすぐ1年が経ちます。金融の知識において、私は「需要と供給」の概念を軸に考えています。意識して「需要と供給」を軸に考えるようにしたきたわけではなく、振り返るとそのようにしているケースが多いことに気づきました。「需要と供給」の概念は、私が大学1回生の時に学んだものです。(国富論より道徳感情論の方が好きです。)

 多くの現象はこれを軸に理解することができますが、これだけでは理解が難しいものもあります。そうした時に、納得できるまで調べることで知識を広げてきました。

具体例① 電気自動車の需要

 電気自動車の需要が少ないことは理解できます。私も、どこでも手軽に充電できるようにならない限り、電気自動車を買うことはないでしょう。しかし、ノルウェーで電気自動車が売れる理由、これは直感的には理解できないわけです。

 その溝を埋める答えは、「極寒地特有のインフラ事情」でした。こうして、ノルウェーで電気自動車が売れる理由を、理解し納得することができました。

 また、イギリスでは2024年12月に電気自動車の販売が急増しました。これも最初は理解できませんでした。急に需要が増えることもないでしょう。その答えは「罰金回避のための値下げ」でした。こちらも、理解し納得することができました。

具体例② 中国の国債の需要

 日本の国債やアメリカの国債の需要については理解できます。しかし、中国の国債がこれほど買われている理由、これは単純な需要と供給では説明が難しい。この点について調べると、機関投資家のポートフォリオの観点や、World Government Bond Index(ワールドガバメントボンドインデックス)への組み入れなど、別の要因が関与しているわけです。こちらも、理解し納得しているつもりです。

 このように、疑問を持ち、調べ、知識を深めることが大切と感じています。そして、何かを学ぶ際には、理解の足がかりとなる「考えの軸」が不可欠です。

まとめ

 講義を通じて、学生には「疑問を持つこと」、「調べること」の大切さ、そして、考えの軸がないと「疑問を持つこと」すらできないことを伝えました。大学生活の間は、自由に議論し、考えを深められる特権があります。この機会を最大限に活用してほしいと思います。

 金融に限らず、日々の学びは単なる知識の蓄積ではなく、考える力を養うものだと考えています。株価が上がった、下がったのその先へ。学生に向けた内容の報告でしたが、この記事をご覧いただいた方のこれからの学びに、少しでも役に立てたら嬉しいです。今後ともよろしくお願いいたします(TeamモハP Jim)。


Special Thanks

 資料の最初のページと最後のページは「鹿角時計」様にデザインしていただきました。ディスカッション形式の講義のため、学生の意見をどれだけ聞き出せるか、そのための雰囲気をどう作るかが非常に大切でしたが、デザインを通じて、学生と楽しく会話をすることができました。また、学生のために何ができるか、プロのデザイナーの意見はとても刺激的でした。

最後のページ

 制作過程や学生のデザインに関する質問の回答を記事にしていただいています。note仲間として、引き続き切磋琢磨して頑張りたいです。


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