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戦争拡大に見る30年の国際情勢の振り返り


 国際情勢の変化について、子供に話した内容を是非皆様に共有させていただきたいと思います。子供に話したのは私の学生時代の1990年代、30年前のことです。よろしくお願いいたします。

 学生時代、「歴史の終わり」は必ず原文で読むように言われたのを思い出しました。今後ともよろしくお願いいたします(TeamモハP)。

最近の国際情勢

 2022年にウクライナ戦争が始まり、2023年からはハマスとイスラエルの戦争が始まりました。ウクライナでの戦争は、欧米が武器をウクライナに提供し、さらにウクライナがロシア国内に攻め込んだり、北朝鮮が1万人の軍隊をウクライナに派遣する準備を進めたりと状況はエスカレートしてきています。中東においても、イランとイスラエルが応戦する状況や、イスラエルによるレバノンへの進行など、こちらも状況は悪化してきています。

 エジプトの周りではスーダンも内戦をしていますし、リビアでも戦争をしています。周りは全部戦争状態です。戦争ではないとしても、カナダとインドの関係が悪化していたり、大きな影響力を持っている国の対立も目立ってきています。

 2024年9月23日と24日に、イスラエルがレバノンのヒズボラ拠点を空爆し、500人以上が死亡、1,800人以上が負傷したと報道されています。これは2006年のイスラエルによるレバノン侵攻以来、最も大きな攻撃となりました。

イスラエルとヒズボラの紛争とCDSの価格上昇

1990年代の振り返り

 1990年代は、バックパッカーというのが流行っていました。若い人の中には、バックパッカーを知らないという人もいるのではないかと思います。バックパッカーというのはリュックサックを背負って格安の個人旅行をする人たちのことです。旅行代理店などのツアーは利用しないで、独自のプランで現地の人と交流しながら旅をするのがバックパッカーの醍醐味でした。

バックパッカーの増加

 1990年代、大学生などでバックパッカーがすごく増えました。その理由の一つは、円高とバブル景気という経済的要因でした。
 当時、国内旅行がすごく高く、逆に海外の発展途上国に行くとすごく安い値段で旅行を楽しむことができました。当時の日本人からすると滞在費がほとんどかからないようなところもたくさんありました。そのため、学生でもアルバイトで貯めたお金で十分にバックパッカーを楽しむことができました。
 私はバックパッカーというほど多くの国には行きませんでしたが、当時まだ途上国の中国に行き、お腹いっぱい食べて何十円、そうした地域を回ったことがあります。

国際社会の安定と旅行の自由

 この時代にバックパッカーが流行っていたもう一つの理由は、国際社会が安定していたのも大きかったでしょう。
 当時、私の知り合いはイラン、ロシア、イスラエル、シリアにも普通に旅行に行っていました。シリアはこの時期、日本の旅行会社でツアーを提供しているところもあるほど、普通に日本人も観光で行くことができました。シリアは特にシニア世代に人気があったということです。今では考えられないことです。

シリア全土に「レベル4:退避勧告」を発出しています。日本人渡航者・滞在者に深刻な危険が及ぶ可能性が極めて高い状況が続いているため、シリアへの渡航は、どのような目的であれ止めてください。また既に滞在されている方は直ちに退避してください。

外務省HP(更新日:2023年5月2日)

 当時の感覚として、ソ連が崩壊して共産圏の国が民主化していく、冷戦での対立構造が崩壊し分断されていたところの関係が改善していく、この流れが続いていくのだろうと多くの人が思っていたと思います。

社会制度の発展の終わり

 当時、日系アメリカ人のフランシス・フクヤマという国際政治学者が「歴史の終わり」という論文を出して話題になりました。
 「歴史の終わり」というのは世界が終わってしまうとか、そうした意味ではありません。社会の構造というものが、封建主義の時代から民主主義、共産主義、様々な形が出てきましたが、自由民主主義こそが政府の進化の過程としての最終形態だった、社会制度の発展が終わる、そうした意味で「歴史の終わり」という論文が出されました。東西ドイツが統一されてベルリンの壁が崩壊しました。これが世の中の流れだと多くの人が思っていました。

当時の未来観

 東西ドイツのように、韓国と北朝鮮もそのうち一緒になる時がくる、そうした論調もありました。韓国と北朝鮮の軍事境界線にある板門店、なくなる前に見に行った方がいい、そのような会話をした記憶があります。これも今では全く考えられないことです。

 北朝鮮が核実験や弾道ミサイル発射を繰り返しています。こうした状況も踏まえ,拉致,核,ミサイルといった諸懸案の包括的な解決のために我が国がとるべき最も有効な手段は何か,という観点から,一連の我が国独自の対北朝鮮措置を実施しています。
 その一環として,人的往来の規制措置,具体的には我が国から北朝鮮への渡航自粛要請が含まれています。
 つきましては,目的のいかんを問わず,北朝鮮への渡航は自粛してください。

外務省HP(更新日:2017年4月10日)

30年で大きく変わる世界情勢

 子供にも話したのですが、1990年代後半はまだ30年も経っていない、それほど昔の話ではない。つまり、今10代の若者が40歳になるまでの時間軸で、これだけ世の中は大きく変わっていくということです。
 今、ロシアと欧米の対立、中東での対立、中国と欧米の対立、そしてそれが波及する形で色々なところで対立が起こっています。こうしたことが影響し、多くのアフリカ諸国でクーデターが起こったり、内戦も起こったりしています。あらゆる場所で対立が起こっています。
 ただ、こうした状況というのは、30年ほどの時間軸では大きく変わり得るということです。30年後の状況は読めません。良くなっているかもしれないし、悪くなっているかもしれない。

社会の変化と揺り戻しの法則

 相場の中では「山高ければ谷深し」という格言があります。政治の世界も相場の世界も、大きな流れができると必ずその揺り戻しが起こります。これは人間が社会のバランスを保とうとする中で起こることなのかもしれません。今起きている大きな流れというのも、また揺り戻しの時期が来ることでしょう。
 経済や社会を見ていく上では、そうした大きな流れを見ていくことが重要だと、子供とそのような話をしました。 


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