アニメ監督に盗作指摘、名誉毀損で121万円賠償命令
◉以前にもnoteで言及しましたが、人気アニメのディレクターや監督で知られる幾原邦彦氏が、作品を等速されたと、知らずの女性に必要に付きまとわれたため、裁判に。121万円の賠償命令が出たようです。自分が出版社の編集者だった時にも、こういうことを言ってくる人間は一定数いました。投稿作からアイデアを盗んだとかはまだマシな方で、自分の脳内から盗んだとか。
ヘッダーはnoteのフォトギャラリーより、映像関係用のnoteに使うイラストです。
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■京アニ放火殺人事件■
この件に関してはやはり、京都アニメーション放火殺人事件の問題が、暗く重くのしかかっている面は、ありますね。36人もの才能あるアニメーターが亡くなった、それに匹敵する数の方が重軽傷を負った、日本犯罪史上においても特筆すべき事件でした。その事件の犯人も、自分の作品が盗作されたと、逆恨みを募らせていたわけですが。
ところが、当人が主張する盗作箇所なるものは、ただのよくある場面を、それに無理筋で類似性を主張する、呆れた内容で。その中のひとつに至っては、犯人が京アニ大賞に投稿した小説の中にはなく、創作ノートの中にのみ 執筆されていた部分。もうほとんど妄想なのですが。自分も一応、創設者の端くれなので、なぜそんな妄想を抱くのか、理解できてしまう部分もあります。
■妄想が現実を侵食■
小説にしろ漫画にしろアニメーションにしろ、それを読んだり鑑賞するのが好きで。その好きが昂じて、自分も創作の真似事をやってみる。ところが、自分には創作の才能はないという、現実に打ちのめされるわけです。そこで、創作者であることを諦めて、良き観客であればいいのですが。自身の承認欲求のために創作者であることを目指す人間には、それが認められない部分があります。
自分はすごい人間であるはずだ……いや、すごい人間である。そういう自己防衛本能の裏返しとして、すごい自分の作品をあいつらが盗んだ、という形で反転するんですね。ある異性を自分自身が好きなのに、向こうが自分に好意を持ってアプローチしてくるという形で、脳内ですり替えるタイプと、同じですね。盗作したかしないかが問題ではなく、その人間の自意識過剰こそが、真の問題です。
■抑止力に期待■
そういう自意識過剰をこじらせて、現実と妄想の境界線が曖昧になってしまった人間は、常に一定数いますから。防ぎようがありません。でも、こういう形で報道されることによって、似たような妄想を抱いている人たちに対して、一定の抑止力になる部分も事実でしょう。「あなたの言ってることは、京都アニメーションの放火殺人事件の犯人や、幾原邦彦監督への名誉毀損で121万円の判決を食らった人の主張と、よく似ていませんか?」と。
もう一点、X(旧Twitter)では、名誉毀損裁判なんて2〜30万円だから弁護士費用などを考えると 割に合わない、なんて意見がよく流れてきますが。実際には、内容にもよりますが100万円以上の、支払い用命じられた事例も、報告されていますしね。高を括っていると、そういう形で、思わぬ出費になることがあるわけで。
生活保護などを受けている無敵の人で、金が取れないこともありますが。そういう悪質な人間には、また別の対処方法もありますし。
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