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無策の神頼みとは違う。軍師も唸る策としての「強行突破」の使いどころ

ビジネスでも戦でも、「勝つための戦略」が大切なのは、間違いありません。とはいえ、戦略が良ければ勝てるのかと言えば、そんな単純な話でもありません。

ときには「気合と根性」で強行突破が有効な場面も多々あります。

強行突破は無策の神頼みとは違います。策としての「強行突破」の使いどころについて、解説します!


最終的な一手は必ずと言っていい程、"強行突破”です

こんにちは!全国で日帰り温泉「おふろcafé」を展開しているONDOグループの宮本です。

店舗を運営していると、気合と根性と力業でごり押ししなければならない場面も多々あります。

今日のnoteではビジネスシーンにおける「強行突破」の使いどころについて、僕の実践経験からお伝えしたいのですが、その前にちょうど良い教材がありました。

漫画「キングダム」にこんなシーンがあります。

キングダム248話「上を行く」より

軍師兼司令の河了貂の策で、飛信隊が魏軍を迎撃する場面です。まさに武力でごり押しする強行突破の一幕です。

それに対して、敵陣営からはこんな反応が…

魏将・間永
「フッ。なんだ結局、最後は策無く、いつもの力業か。ハッハ、大した軍師ではなかったな」

軍氏・氷鬼
「そうではありません。強行突破は立派な策です。実践では敵も知恵を絞る故、実際のところ奇策だけで勝利するということはほとんどない
 最終的な一手は必ずと言っていい程、"強行突破”です。

 要はその一手をいつどこで使うかが問題なのです」

と、敵の軍氏が解説し、この場面で強行突破策に打ってでたことを評価しています。

強行突破の一手を、いつどこで使うかが問題―

実はこれはビジネス全般においても、全く同じことが言えると僕は思っています。

ここからは、僕自身の体験をベースに強行突破を使うための3つのステップをご紹介します。

強行突破ステップ①
「勝てそうな戦略」を考える

今回のテーマは「強行突破」ですが、それ以前にまずはマーケット全体を分析し、自分たちが「勝てそうな戦略」を考えることは必ず必要です。

そもそもここをやらずに、戦略が定まっていないのにとりあえず戦い出すというのは、当てずっぽうで無謀な戦いにメンバーを送り出すようなものです。

「勝てそうな戦略」すら考えついていないのに戦うのは、無策で神頼みをしているだけ。それならば何も動かない方がまだマシです。

特に、一度「背水の陣」の力で突破した経験を持っているリーダーは、力業に頼りがちになるため、気をつけてください。

強行突破ステップ②
「絶対に勝てる戦略」を探さず、さっさと行動する

「勝てそうな戦略」は必要ですが、そこで「絶対に勝てる戦略」を求めるのも間違いです。

ビジネスはどこまで行っても、全てが自分でコントロールできるわけではありません。社会全体の動きや、競合の戦略によって、自社の立ち位置は常に左右されます。

つまり、どれだけ緻密に戦略を立てたとしても、現実がその通りに進むとは限らないのです。

ところが「失敗したくない」という気持ちが強ければ強いほど、「絶対に勝てる戦略」にこだわってしまい、行動できなくなってしまいます

うすうす「もう動きだしたほうが良いタイミング」だと気づきながら、そのチャンスを逃してしまうケースもよく見られます。

強行突破ステップ③
徹底的にやり切る

①「勝てそうな戦略」を考える
②「絶対に勝てる戦略」を探さず、さっさと行動する
と進んできたら、あとは徹底的にやり切るだけです。

僕がはじめて支配人を任された「おふろcafé utatane」は、当時、店の認知度がとにかく低かったのです。

そこで、
・1日3件居酒屋を梯子して割引券を置かせてもらう
・月に1回別の美容室に行って割引券を置かせてもらう

など、強行突破の策に出ました。

この当時の話を、僕のただの下積み時代のエピソードだと勘違いをしている社員も少なくないのですが、これは、あくまで考えた上での強行突破策なんです。

店舗の商品力には自信がありました。問題は認知度の低さ。そこで「徹底的に認知度を上げる。」という状況だと考えて、100本ノックでありとあらゆる施策を羅列して、スピードよく実践していこうと腹を決めた取り組みでした。

下積みのためにやっていたわけではないので、副社長となり、さらに子会社の社長として2店舗の運営を担っている今も、当時と同じように色々なお店に顔を出して、覚えてもらえるように動き回っています。

徹底的に●●●だけをやり切る。
そう決めて強行突破をするのも、立派な策です。

宮本昌樹@ONDOグループ CHRO

1986年生まれ、和歌山県出身。27才の時に地域活性を目指して株式会社温泉道場入社。支配人を2年間経験したあと、店舗リニューアル開発・コーポレートブランディング、フランチャイズ事業などを経て、HR部門に注力。2019年より、ONDOグループ1人目の社長として、三重県の株式会社旅する温泉道場の社長を兼任している。

Twitter:https://twitter.com/masakimiy

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