冬の旅 〜つながる読書の記録〜
なんかわからないけど
突然思い出したのです
「白い罌粟」
内容は全く、何ひとつ覚えてないのに
ただ「おもしろかった」とだけ覚えていた本
もう一回読みたいな、と
実家のどこかにあるはずだけど
ちょうど図書館に行ったので
あるかなぁと見てみるも
棚には並んでなくて
代わりに借りてきました
「冬の旅」
初めて読みます
少年院が主な舞台
主人公の「勁さ」に
まわりの少年たち大人たちも
心動かされていきます
中には、どうしようもない「性分」の子も
いるのだけど
ほんとうに悪いのは誰なんだろう?
ほんとうの悪とは何だろう?
大人の身勝手、決めつけ、押しつけ
若さゆえの弱さ不安定さ
誰もが何者でもなく生まれてきたはずなのに
善い人って?
悪い人って?
赦すとは?
誠意とは?
で、気になった〝勁さ〟って何だろう
っていうか、何て読むのかも知らなかったけど
文脈から「つよさ」であることはわかりました
ぴんと張り詰めた力強さ
しなやかな強さ
織物のたて糸を表す「巠」と筋力を表す「力」
『勁さは厳しさに裏付けされ、
厳しさはやさしさに裏付けされ、
やさしさはただしさに
裏付けされていなければならない、
というのが私の偏見である』
立原正秋の「男性的人生論」には
そんなことばもあるそうです
まさに、そんな小説
重く暗い内容なのだけど
どこか春を待つような気持ちにもなりました