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お茶をどうぞ 〜つながる読書の記録〜


黒柳徹子さんとのおしゃべりから始まる対談集
向田邦子さんは徹子さんより四つ歳上
仕事の話、家族の話、旅の話など
「徹子の部屋」での楽しいやりとり
独身でおられたことや
病気(癌)のことなんかは
あまり大っぴらにはしない時代だったような
気もするけど
さらっと触れる徹子さん
さらっと返す向田さん

そしてこの翌年
飛行機事故で亡くなられるのです、52歳

向田さんの本に度々出てくる
〝典型的な日本の父親像〟なんて言っても
 (愛情表現がヘタで情はあついんだけど短気で
  気持ちと裏腹のことをやっちゃう)
もう通用しないような気がするけど

私が小学生の頃は
家の中ではまだまだ父親が一番でした
「一番上の段はお父さんの」って
竿を上げたり下ろしたり
そんな風に洗濯物を干してたなぁって思い出して
そうそう、その竿の下で
父がもらってきた犬の大五郎が
四目垣の間を行ったり来たりしてるうちに
つないでた鎖が竹と足にこんがらがって 
動けなくなって、アホやなぁって言いながら
病院連れて言ったなぁとか
ただただ懐かしい
どこかゆったりした時間がありました
当時は当時で、母親も働きにいっていたし
ドタバタと毎日を過ごしてたんだろうけど
今みたいな
あれもこれも何かに急かされるような感じは
なかったように思うのです

森繁久彌さん、阿久悠さん、山田太一さん・・・
誰と話しても変わらない
揺るぎない「自分」がある

人は誰にでも良いところと悪いところ
明と暗、陰と陽があって
悪、暗、隠のどうしようもないところに
魅力がある(度を越してるのはダメだけど)
つまんない人になっちゃだめよ、って
教えられた気分

『先生がいないってこと、素敵なことですね。』

素敵です。
向田邦子さん

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