ビブリオ・イン・ワンダーランド。
本棚、と聞くとたくさんの本が並べられている
家具を思い浮かべる人も多いと思う。
…が私の本棚には3冊だけ本がある。
3冊だけ収める本棚。
入れ替え制で今、自分の気持ちにぴったりくる
お気に入りの本を並べている。
不器用な私は
一度にたくさんのものを愛せないし
大切にもできない。
だから持ち物は同じジャンルのものを3つまで、と決めている。
厳格なルールではなくて
選びようもなく好きなものは、多少数が上下しても構わない
自分勝手なゆるいルール。
今日は、そんな小さな小さな本棚の中身の話を
してみようかと。
本棚は自分の悩みや好奇心、好きがだだ漏れている場所だから
ちょっと恥ずかしいけれど…。
ー
まず1冊目。
『ゆたかな人生が始まるシンプルリスト』著者:ドミニック ローホー
ずっとそばにいる本。Kindleでも持っているし、
紙の本は手放したこともあるけれど、結局古本屋で買い直した。
ドミニック ローホーさんの本がきっかけで
ものや人間関係に関する想いが変わった。
著者の中で一番人生で影響を受けた人だと思う。
自分をよく知る。自分の「好き」を深く知って「好き」に囲まれる。
取捨選択をして、シンプルに生きる
五感を大切にする。
10年以上前に出会ったこの本から教わったこと。
今も完璧にできているわけではないし、
気分の浮き沈みや忙しい毎日に
時々自分を見失いそうになるけれど
何かあるたびに読み返している。
ホッとするために帰ってくる家のような存在。
読むと、自分と対話したくなる特別な本。
ー
2冊目。
『月とコーヒー』著者:吉田篤弘
短編小説がたくさん入った宝箱のような本。
珍しく、Kindle版はない。
寸法:11.7 x 2.7 x 16.5 cmと厚みがあり
縦横は小さなサイズ感がより宝箱な感じを醸し出している。
短編はどれもきれいに終わっているわけではなく、
この先どうなったんだろう?という余白を残して終わる。
だけどモヤモヤすることなく、
勝手に想像できる楽しみがあるという感じ。
現実は時間がどんどん流れていく。
きっとこの物語の住人たちもこの先
平凡な日常があったり、大きな出来事があったりして
人生を歩んでいくんだろうな、と思わせてくれる
楽しみがある素敵な本。
寝る前に、コーヒー片手にゆっくり読みたい大切な存在。
(眠れなくなるなるからコーヒーがデカフェで!)
ー
3冊目。
エッセイストのように生きる 著者:松浦弥太郎
まずなにより、表紙が活版印刷なのが活版好きのわたしにとって
紙の本で手元においておきたい理由の一つ。
表紙が素敵な本は欲しくなってしまう。
表紙カバーは立派なアート作品だと思っている。
そんなジャケ買いした本だけれど、内容もお気に入り。
松浦さんの言葉のリズム、考え方がどれも心地よくて
読んでいて深呼吸をしているような感覚になる。
私自身、エッセイ(私が勝手にエッセイと思っているだけかも…)を
書くのが好きだからしっくり来るのかも知れない。
しかもエッセイストのプロがどう考え、文章を生み出しているのか
興味深かったので、勉強にもなった。
この一文が大好きだ。
普段から様々なことに興味を持って
心が動いた瞬間を逃さないのが、エッセイストの生き方。
その自分の中の好奇心や感じたことを
赤裸々に「秘密の告白」として文章にしていくのがエッセイ。
だから、エッセイは読むのも書くのも楽しい。
改めてそう思わせてくれる本。
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…これが、私の今の本棚。
これからラインナップが変わるかも知れないし、
ずっとそばにいるかも知れない。
自分の「好き」が詰まった赤裸々な本棚は
大切な場所。
この先どうなっていくか、楽しみだ。
余談だが、知人の家に行った際
本棚があるとその人自身がだだ漏れているであろうと
私はついちらりと覗いてしまう。
「あぁ、意外とミステリー小説が好きなんだな」とか
「恋愛もののマンガが好きなんだな」とか
「実はこんなこと悩んでいるのかな…」とか。
その人を知る大事な空間だったりする。
あなたの本棚には何が並んでいますか?
ー