動画制作に憧れる
元々、私はカメラが趣味だった。大学時代にデジタル一眼レフを購入し、独学で使い方を学んだ。社会人になってからは有志のカメラサークルに所属し、フォトグラファーやクリエイターなど、写真を仕事にしている人たちから教わる機会が増えた。彼らの魅力的な作品に影響され、もっと高度な撮影技術を身に付けたいと思い、日々奮闘していた。
写真には色々なジャンルがあるが、私が得意としているのは、風景写真だ。しかしこのご時世、気軽に外に出られなくなってしまった。ならば、家の中で練習するしかない。
《撮影するなら、テーブルフォトが良いな。色鮮やかで自然なもの、そうだ!料理写真を撮ろう。そういえば、カメラの機能に撮影モードもついている。せっかくなら、写真と合わせて調理風景の動画も撮ってみよう!》
そんな気持ちで始めたのが、動画制作だ。昨年の夏、自粛期間真っ只中のことである。ここから先は、完全なる自己満足で撮影し、めでたくお蔵入りになった動画たちのオープニング部分のみ、抜粋して載せていく。
和食朝ごはん|さばの味噌煮|ひじきの煮物
記念すべき初動画は、和食朝ごはん。何度か角度やアングルを変えて撮影し、視聴者が飽きないように気を付けた。また、音楽に合わせてテンポ良く場面を切り取っている。ホワイトバランスにも注意し、素材の色を活かしながらも統一感が出るように調整した。顔は映さないようにしていたので、全体的に被写体に寄りがちであるが、初めての動画制作にしてはまずまずといった具合である。
洋食朝ごはん|目玉焼きと厚切りベーコン|コンソメスープ
次に挑戦したのは、洋食朝ごはん。前回の反省をふまえて、少し引いた画角で撮影した。加えて、今回は進行のリズムを意識しすぎないように構成している。そのせいか、無駄な間が多くなってしまった。途中でただ置かれているだけのトーストは、オーブンに入れるシーンに切り替えられたし、最後のスープを出すタイミングの遅さも目に付く。
また、これは技術とは別問題だが、包丁の切れ味の悪さとスキレットの焦げ付きが非常に気になった。撮影対象となる道具の状態管理も大切だと思い知ったのであった。
チョコスコーン|お菓子作り
最後はお菓子作り。ホットケーキミックスでチョコスコーンを作ったのだが、オープニングとはいえ、簡略化しすぎて何の材料を入れているのかわかりにくくなってしまった。牛乳を入れた直後、唐突に現れる黒皿。次の瞬間には成形されている生地。タイムリープ感がすごくて、これでは視聴者は完全に置いてけぼりだ。
例えば、小麦粉や砂糖など同系色の調味料が多く映るときは、近くにパッケージを置いたり、工程を細かく見せたりといった工夫をするべきだろう。
ちなみに撮影は全てCanon デジタル一眼レフカメラ EOS kiss x7、レンズはEF-S18-55mm F4.0-5.6 IS STMで行った。三脚はドン・キホーテで購入。何度か撮影するうちにネジが緩くなったのか、カメラを支える重さに耐えきれず、画角が徐々に傾いていくシーンが増えている。一瞬一瞬を慎重に残すためには、それなりに良いものを揃える必要があると学んだ。
まとめ
実際にやってみて、動画制作は本当に奥が深いと思った。使用機材の選別、撮影場面に応じた調整、理想に合わせた編集技術と、様々なこだわりを積み重ねて作品が完成する。この作業を仕事にしている人たちに、改めて尊敬の念を抱いた。
今回は自分一人で制作してみたが、次は友人や仲間と一緒に構成を考え、他者の意見を交えながらの動画作りに挑戦してみたい。
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