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わたしの本棚 卒業式:24歳の誕生日に本棚にある本300冊ぜんぶ売る話

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「面白かった!」「誕生日おめでとう!」という方はよければ500円投げていってください🙇‍♀️🙇‍♀️🙇‍♀️

卒業シーズン
から少し遅れ僕(大学院生)も24歳の誕生日と同時に,少し変わった卒業式を迎えました.

少し変わった卒業式,そう,本棚との卒業式

思い返すと私の大学(院)生活は,いつも本と共にありました.
本との出会いで自分を知り,本との対話で悩み・苦しみ,本を通して人と出会い・喜びを共有してきました.18歳から23歳まで.5年間の青春をなぜ本に注いだのか?本を大好きになったきっかけ,本から得たこと,なぜ卒業をしようと思ったのかなどを綴っていこうと思います.


書き終わってみると,溢れだす思いに僕のつたない文章力も相まって18,000文字もの長文になってしまいました.本文で紹介した本,実に29冊.全文読むのは大変だと思うので,皆さんの目的に沿って好きな箇所だけでも読んでいただけると幸いです.

- 著者(むふろん)がどんな大学生活を送ったのか知りたい!→ 「⌛思い出」
- 300冊読んで分かったことだけを知りたい → 「💬メッセージ」
- 本を買い取りたい・本を送りたい → 「📢最後に」
- おススメの本を知りたい! → 「⭐おススメの本」
- 300冊のリストを知りたい → 「📝有料限定」

- Mouflonの誕生日をお祝いしたい! → 「📝有料限定」


⌛思い出:本との5年間を振り返る

2019年

2019年4月の本棚:学生寮に備え付けの本棚.まだこの時は本棚はすっからかんだった

 ■ 4月
イベント:入学
当時を代表する本:東大教授が教える独学勉強法

  小学生から高校生まで自分を構成するものが野球しかなかったため,野球,ひいては「スポーツについて学びたい」と思いスポーツ科学のある大学に入学しました.上京する新幹線で読んだのが柳川 範之の東大教授が教える独学勉強法でした

地元新潟から東京までの新幹線で読んだ「東大教授が教える独学勉強法」

  当時の僕は,第一志望の大学に入学できずに仮面浪人をしようと思っていました.そのため,独学について書いてありそうなこの本を駅で購入.ただ,読んでみるといい意味で裏切られたのを覚えています.高校までの詰め込み型の受験勉強というよりも,自分の頭で問いを立てて解決する大学での学びが書かれていました.当時の僕も「大学での学びをしよう!」と思った記憶がありますが,今になって振り返ると僕が研究をしたいなーと思うようになった最初のきっかけがこれだったかもしれません.

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■ 10月
イベント:経営学の授業にハマる
当時を代表する本:モチベーション入門,組織行動

 1年生の前期ですっかり(??)仮面浪人の野望も消え去り,大学生活をエンジョイしていたころ.後期の授業で経営論という授業を履修しました.経営学に関する基本的な講義で,人のモチベーションのようなミクロな話からヒト・カネ・システムをどう運営するかのようなマクロな話まで企業経営にかかわる理論や事例が数多く紹介されるものでした.
特にモチベーションの話はとても面白くドはまりしました.というのも,スポーツをしていたのもあってか,モチベーションとかリーダーシップのような言葉には高校時代から敏感でした.

※「スポーツをしていたのもあってか」というにはそんなに深い意味はないのですが,努力することを当たり前だと思っていたり,チームをいかにマネジメントするかを常に考えていたり,そのようなスポーツの中に含まれる性質がモチベーションやリーダーシップといった言葉とマッチしていたんだと思います.別にスポーツ以外の受験勉強や文化部,サークルにもあると思うので,スポーツが特別だとは思わないです.

経営学の授業を担当していた先生に聞いておススメしてもらった本がモチベーション入門」(田尾雅夫)組織行動」(鈴木竜太,服部泰宏)でした.どちらの本も読みやすく,モチベーションの理論を学ぶにはいい本だと思います.
※ ただ,内容が古いので情報をアップデートするためにも最近の本も読むのがおすすめです.

モチベーション入門 (田尾雅夫)


組織行動 (鈴木竜太,服部泰宏)

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2020年

2020年8月の本棚:コロナで本を読みまくり,本棚がいい感じに充実してきた

■3月
イベント:コロナ到来
当時を代表する本:フロー体験喜びの現象学

そんなこんなでモチベーションやリーダーシップなどの本を読み漁りながら,自分の進路どうしようかな~と悩んでいた1年生の終わりに,突如コロナがやってきました.学生寮も閉鎖となり,半年間 自宅に帰省することに.実家にいると人にも合わず,バイトもしなくてよかったので毎日家にこもることになりました.せっかくの一人時間,何か有効活用したいなーと思い,それまでも好きだった本を読みまくることにしました.振り返るとこれが僕の転機だったなと思います.地元で一番大きな書店に行き本を大量に買い,ほかにもメルカリやブックオフでで中古の本を買いあさり,大学の先生に推しの本をメールで聞きまくり...とにかく本を読みまくりました.

その中で,その後の進路に大きな影響を与えてくれたのが「フロー体験 喜びの現象学」(ミハイ・チクセント・ミハイ) でした.この本はフロー体験という心理現象について書いている本です.フロー体験とは,人が最も集中し幸福だと感じる瞬間・体験のことで,スポーツでは「ゾーン」などともいいます.要は,めちゃくちゃ集中している状態のことです.このフローを多く体験すると人生に没入できていいよ!という本書の主張に感銘を受けたのを覚えています.

そこから僕は「自分自身がフローを感じる体験って何をしているときかなー?」と考えました.いろいろと考えた結果,本を読んで物事にふけている瞬間に最もフローを感じているなーということに気づき,本を読んだり考えたりする仕事に就きたいなーとぼんやり思うようになりました.
加えて当時の僕は「人の心」に興味があったので,「人の心について考える=心の研究者とかいいなー!」と思い,研究者の道を歩み始めるきっかけにもなりました.

フロー体験 喜びの現象学 (M.チクセントミハイ)


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■ 10月
イベント: メンタリストDaiGoにハマり健康・生産性オタクに 
当時を代表する本:メンタリストDaiGo関連の本

 とまぁ,「心の研究をしたい!」と舵を切った訳ですが,大学2年生,弱冠20歳.情報の良し悪しなんて分かるわけもありません.いわゆる,ポピュラーサイエンスやポピュラー心理学といわれるような,ビジネスコーナーに平積みされている**心理学本**にドハマりしました.

例えばこれらの本

いずれもメンタリストDaiGoさんが書かれた本で,当時は「効率よく心理学を学べる!」とDaiGoさんの帯を見ては喜んで飛びついていました. 

自分を操る超集中力 (メンタリストDaiGo)
超習慣術 (メンタリストDaiGo)
最高のパフォーマンスを実現する超健康法 (メンタリストDaiGo)

  これらの本自体は決して悪いものではありません.だた,たくさん読んだからと言ってその分右肩上がりに成果が出るわけではありません.効率よく浅く広くポップな情報を手に入れるジャンキー的な危険さを持ち合わせます.
 また,研究のための本としては不十分です.少なくとも本気で人の心を研究するのに,ビジネス書で「知った気」になるのは何の役にも立ちません.

今となってはわかりきったことですが,当時の僕はそれに気が付けなかった.
分かりやすくて,刺激的で,ポップな情報を浴び続けることで健康オタクかつ生産性オタクが出来上がってしまいました.

例えば当時の生活を紹介すると,

毎朝5時に起き,散歩に出かけ,noteを書き,朝はヨーグルトにミックスベリーとオートミールを食べ,筋トレを行い,読書をして,昼は鶏肉とブロッコリー,昼食後は瞑想をしてまた読書をし,PCでスキルアップをして,夜はジャガイモと鶏肉,ブロッコリー,22時には就寝する.

・・・

正直,中身のないいい感じに見えるだけの毎日だったなーと今では思います.典型的なビジネス書にハマった人というか...

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2021年

2021年1月の本棚:目標は年間200冊!読んだか読んでないかはよくわからない.

■1月
イベント:ゼミ選択
当時を代表する本:経済は感情で動く,ファスト&スロー

「何一つ生産しない生産性オタク」という矛盾を抱えながら終えた2020年でしたが,全く意味がなかったかというとそうでもないです.

「人の心」の中でも特に,「無意識の行動をデザインすることに興味があるのでは?」と考え始めます.きっかけは,生産性オタクの生活でした.先ほど紹介したように,生産性オタクは常人には決してまねできないかっこいい毎日を送ります.かっこいい毎日にはかっこわるい毎日がつきものです.始めたばかりのころはやる気が起きないし,集中も続きません.理想の自分と現実の自分のギャップに苦しみながら,それでもかっこいい自分を演じ続けます.すると,あるタイミングから早起きも無味乾燥な食事も,きついトレーニングも,1日1冊の読書もきつくなくなるんです.ビジネス書ではこれを「習慣化」と呼び,たてまつります.

つまり,毎日意識的に行っていたこと,頑張らないとできなかったことを続けることで,無意識的に行えるようになり,頑張らなくてもできるようになるんです.

僕はこの「無意識」の力にとても感動しました.
そして,「無意識ってスゲー!人って思ったよりも無意識の力を受けてるんじゃないかな?」と考えるようになりました.

そんなタイミングでゼミ選択が訪れます.

研究者を目指す僕は「無意識」について研究できるゼミがいいなーと考えていたのに加え,ゼミの先生と仲がよかったというのもあり,人間工学について研究しているゼミに入りました.人間工学は,心理学や生理学,医学,工学などの幅広い分野を横断しながらモノやサービス,環境のデザインを考える学問です.デザインというと広告とかイラストとかを思い浮かべる人もいるかと思いますが,それはグラフィックデザインというデザインの中の1ジャンルです.人間工学はグラフィックデザインというよりも,人が使うものやサービスといったプロダクト・サービスの設計に焦点を当てることが多いです.

ゼミの先生に言われて感銘を受けたのが「人直しではなく,環境直し」という言葉でした.人の行動や意思決定は環境設計によって変化する.間違った個人はいないといった意味です.当時,習慣や無意識の力を目の当たりにしていた僕の興味は,人の心の研究から人の心のための環境の研究に徐々にシフトしていきました.

さて,本に話を戻すと,この時よく読んでいたのが行動経済学に関する本です.行動経済学は,経済学に心理学を掛け合わせてできた学問で,経済学に「人間の不合理さ」を取り入れることで単純なインセンティブや損得勘定だけで人の行動や意思決定はできていないことを示し,「人間の不合理さ」を取り入れた政策や環境をデザインします.特に「経済は感情で動く:初めての行動経済学」(マッテオ・モッテルリーニ)は何度も読み返しました.また,システム1とシステム2で有名な「ファスト&スロー」(ダニエル・カーネマン),ノーベル経済学を取得したナッジ理論の事例が豊富な「実践行動経済学(リチャード・セイラー)なんかも擦り切れるほど読んだのを覚えています.

経済は感情で動く:初めての行動経済学」(マッテオ・モッテルリーニ)
「ファスト&スロー」(ダニエル・カーネマン)


「実践行動経済学」(リチャード・セイラー)

ここでの知識は後に,「認知バイアス」→「認知科学」→「人工知能」→「コンピュータサイエンス」とどんどん発展していくきっかけになります.

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■8月
イベント: 統計・データサイエンスに熱中
当時を代表する本:東京大学のデータサイエンティスト育成講座,統計でウソをつく方法

 3年生の8月ごろにはデータサイエンスにハマり始めます.
 なんで急にデータ?と思うかもしれませんが,「認知バイアス」について本を読み進めていくと推論,つまり数学的・計算機的な内容が顔を出し始めます.本来,認知バイアスのもとになる「論理的な思考」は数学,論理学が対象としてきた内容です.なので,人の思考を考えると計算(アルゴリズム)に行きつくわけです.
加えて,データ人材,AI人材などといった時流も味方し,データや統計に関連する内容を深堀りしていくことになります.

まず初めに読んだのが「東京大学のデータサイエンティスト育成講座」でした.Pythonを用いてハンズアップでデータサイエンスを学べる良テキストです!このテキストは基本的なデータの分析(記述統計)からデータの加工,可視化,多変量解析,機械学習とデータサイエンスを体系的に学ぶことができます.また,理論よりも実践に力を入れており「習うより慣れよ」といった感じで手を動かしてやってる感があったのも初学者の僕にとってはよかったのかもしれません.

「東京大学のデータサイエンティスト育成講座」

データサイエンスとプログラムにすっかりとハマった僕は,それから統計学やPython,データの可視化などの書籍を買いあさることになります.
ちなみに,統計学では「完全独習 統計学入門」(小島寛之)が分かりやすく,読み物としては「統計でウソをつく方法」(ダレル・ハフ)あたりが面白かったです.

「完全独習 統計学入門」(小島寛之)
「統計でウソをつく方法」(ダレル・ハフ)

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2022年

2022年1月の本棚:新しく買った本棚はすぐにまんぱんに.

■4月
イベント:暗黒期に突入する
当時を代表する本:該当なし

とまぁ,心理学からはじまりデータに行きつくという紆余曲折のあった大学生活ですが,大学4年生を迎え卒論,そしてその後の研究分野を絞り始める時期を迎えていました.この時期に2つの変化(変化というほど分かりやすいものではないですが...)が訪れます.

1つ目はkindleに移行し始めたこと.本自体は読み続けていたのですが,kindleに移行したことで目に見える本棚の変化が緩やかになり始めました.思い出をつづるうえではそんなに重要ではない気がしますが,本を読む体験は大きく変わったなーと今になって思います.これが今回本棚と卒業式をする理由にもつながるのですが,これは後程.

2つ目は,自分が何を研究したいのかわからなくなったことです.卒論のテーマを決める,修士以降の研究テーマを絞る.これまで知的好奇心の赴くままに読書をしてきたのですが,いざ興味関心を1つに決めようとすると,路頭に迷いました.

「人の行動や意思決定をデザインしたい」→ 認知科学?コンピュータサイエンス?,「データをうまく活用したい」→データサイエンス? AI?
加えて,ここまで読んできてお忘れの方も多いと思いますが,僕が入学したのはスポーツ系の大学.卒論はスポーツに関するものでなければなりません.スポーツ×デザイン?,スポーツ×データ?

自分が本当に研究したいことって何だろう?」そんな悩みが自分の中を反芻し続け,やるべきことを先延ばしダラダラと何も決めないまま時間だけが過ぎていきました.まさに暗黒期.

当時読んでいた本を振り返ってみたんですけど,正直あまり覚えていないというか...
これまでは「認知バイアス」とか「データサイエンス」のように一貫したテーマがあったのが,この時期はなんとなく本は読んでいたと思うんだけど何の本を読んでいたのか覚えてないという感じなんですよね...

試しにAmazonの購入履歴を見返してみてもクランボルツに学ぶ夢のあきらめ方(海老原嗣生)とか米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト(エミリー・オスター)とか「 Pythonで学ぶアルゴリズムの教科書 一生モノの知識と技術を身につける」(廣瀬 豪)とか支離滅裂.全く一貫していないことが見て取れます.

「クランボルツに学ぶ夢のあきらめ方」(海老原嗣生)
「米国最強経済学者にして2児の母が読み解く子どもの育て方ベスト」(エミリー・オスター)
「 Pythonで学ぶアルゴリズムの教科書 一生モノの知識と技術を身につける」(廣瀬 豪)

いやー,振り返ってみてもこの時期きつかったなー

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■8月 
イベント:卒論
当時を代表する本:デザイン人間工学の基本,メタバース進化論

 そんな辛い時期を送りながらも,卒業研究という締め切りは待ってくれないわけで,何とか卒論のテーマを決めなければいけません.迷いに迷った結果,当時バズってた「メタバース」の環境デザインに興味を持ちます.書いてて驚いてるのですが,「急に!?」って感じですよね笑
まぁ,そのくらい迷ってたということです.

きっかけも大したことなくて,「メタバース空間でスポーツ観戦をやったら面白そう!」みたいな感じでした.そこにもともと興味のあった「無意識をデザインする」というエッセンスというか,目的を組み合わせ「バーチャル空間の環境デザイン」を研究テーマに半ば強引に決めました

要は「ユーザーが快適で面白くスポーツ観戦ができるバーチャル空間のデザインってどんな設計なんだろう?」ということが気になって,調べてみたという感じです.

このとき読んで面白かった本といえば,あらゆる人工物は使う人を最優先してデザインしよう!という人間中心設計について書いた「デザイン人間工学の基本」(山岡 俊樹)や恐らく最古のVtuberバーチャル美少女ねむさんがメタバースについて書いた「メタバース進化論」(バーチャル美少女ねむ) など.

「デザイン人間工学の基本」(山岡 俊樹)
メタバース進化論」(バーチャル美少女ねむ)

研究をしたいと志したつもりが,何を研究したいかよくわからなくなり,半ば投げやりの卒論で終わらせてしまう.そんな自分に対して何とも虚しいというか,やるせなさを当時も感じていました.

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2023年

4月
イベント:大学院へ進学
当時を代表する本:インターネットの次に来るもの,デジタルネイチャー

大学院に進み,心機一転研究について考える日々が始まりました.
当時の僕は,これまでのバーチャル空間やデータサイエンス,デザインへの興味関心とChatGPTのリリースというタイミングもあり,AIやテクノロジーに強く関心を持っていました.その中でも特に人間と機械の共存や人間社会の一員としてのAIについて考えることが次第に増えていきます.

というのも,以前から落合陽一先生のデジタルネイチャーや「魔法の世紀」で描かれていた世界観に共感しており,リアル/バーチャル,人間/人工物の境界線がなくなった世界はどうなるんだろうということをぼんやり考えたりしていました.ただ,ぼんやりと考えるだけで自分の研究との関連性についてまでは考えてきませんでした.

「デジタルネイチャー 生態系を成す汎神化した計算機による侘びと寂」(落合陽一)

そこで,改めてデジタルネイチャーを前提にした研究で自分にもできることはないか?と大まかな方向性が定まり始めます.

中でも面白いなーと感じたのが,ChatGPTを使用している際に「俺ChatGPTにありがとうって言ってるじゃん!」と気づいたタイミングです.人間(少なくとも僕)はAIを人だと無意識のうちに認識していて,相手に感情がないにもかかわらず感謝を述べないと気持ち悪さを感じているなーとなんとなく考えていました.

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■ 10月
イベント:修論の方向性を決める
当時を代表する本:お世辞を言う機械はお好き?,VRは脳を変えるか?

このあたりから修士論文のテーマを本格的に絞り始めます.
ChatGPTとの対話への興味から機械と人の対話,特に「擬人化する機械」についてもっと知りたいと思い論文を読み漁ります.その中で,Computer as Social Actorという考え方にたどり着きます.この考え方を簡単に説明すると,「コンピュータも社会を構成する一員として考えてみよう!」みたいな考えです.
(これについてはまたほかの文章で解説しようと思います🙇‍♀️)

この時に読んだ本がクリフォード・ナス「お世辞を言う機械はお好き?」でした.僕がChatGPTにありがとうと言ったように,僕たちには機械に対しても人間らしさを感じる仕組みがあるんじゃないか?を解説してくれた本です.人と機械の関係性を探求する上で重要な視点を与えてくれたり,研究の方法論についても知ることができました.

「お世辞を言う機械はお好き?」(クリフォード・ナス)

その後,”SocialPresence”というキーワードに出会います.SocialPresenceは「バーチャルなコミュニケーションで相手の存在感をリアルに感じる程度」のことで,VRやARなどの分野でよくつかわれる概念です.卒業研究でバーチャル空間について調査しいたので,またVRだ!となんだかうれしかったのを覚えています.そのときよく考えていた人と機械の関係性,社会の一員としてのAIとバーチャル空間,アバターなどがつながり「バーチャルヒューマンと人の関係性とかアバターとのコミュニケーションを研究してみよう!」と方向性が決まっていきました.

VR関連で面白かった本は「VRは脳をどう変えるか?」(ジェレミー・ベイレンソン)でした.この本は,VRの技術的な側面というより,人の脳や心理に与える影響について深く掘り下げた内容でした.この本を読んだことで,後に修士論文のテーマとなる「身体所有感」という概念に出会うきっかけになりました.

「VRは脳をどう変えるか?」(ジェレミー・ベイレンソン)

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 2024年

■ 2月
イベント:研究テーマを定義する
当時を代表する本:身体自在化論,ポストスポーツの時代

と,5年間を振り返ってみました.ここからもう少し色々と考えたり,スポーツとの接点を探りながら現在も進行中です.研究は実施しながら,自分のテーマややりたいことについてはこれからも模索,修正することになると思います.現在はアバターやバーチャルヒューマンからもう一歩踏み込み「身体の拡張」,そしてそれを「スポーツに応用し,スポーツ文化を作りたい」というステキなテーマを定義し,挑戦しています.またこれもほかの機会に紹介したいなーと思っているので,ぜひ楽しみにしていてください.

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■ 4月4日
イベント:本を売る

2023年4月の本棚:段ボールに詰めたら全部で7箱になった.

そして今日です.24歳の誕生日を迎えました(パチパチパチパチ)
ちなみにGoogleDocのアイコンもお祝いしてくれてました

本を手放そうと思った理由は,なんとなくです.
すごい高尚な理由とかは別になく,なんか前を向いてまたゼロから積み重ねたいなーと思ったくらいです.あとは,今月お金がピンチなので足しになればいいなとも...(いや,ちょっとだけね)

💬メッセージ:300冊(+α)から学んだこと

ここまで大学入学から大学院2年目のスタートまで丸々5年間を本を縦軸に振り返ってみました.

いやー,色々あったねー(白目)

飛びついて,飽きて,迷って,また飛びついて
本が当時の心の状態を表しているなーとすごく思いました.
あと自分ミーハーすぎだろ!その時の流行りものに影響されまくってる
もっと軸もてよ!ってツッコミたくなる読書遍歴でしたね...

とは言え,フィジカルな本だけでも300冊以上,kindleにも200冊くらい,図書館でも結構借りたので合計で600冊以上は読んできました.そんな大学生もなかなかいないと思います.ましてやスポーツ科学やってて,気づいたらVRしたいって思ってる.
自分でいうのもなんですが,ヘンだなー,なんでこうなったんだろーなー,と
役に立つかは置いておいて,自分にしかたどり着けない「本から学んだこと」「本との向き合い方」なんかがあるんじゃないかなと思ったのでまとめてみました.

本を読むときは目的によって量と質を調整しよう

僕の考える本との最適なかかわり方は「目的によって量と質を調整しよう!」です

本を読む目的には3つの型があります.それは「問題解決型」「知的探求型」「自己目的型」の3つです.この型によって本を読む量と質のバランスを調整しようというのがアイデアです.

① 問題解決型の読書法

まず1つめの「問題解決型」の読書は,何かしらの悩みや問題があり,その答えを本に求めている場合の読書です.僕でいうと,「自分のやりたいことがわからない」という悩みの答えになりそうな本を読むのがこれに当たります.このような場合のアドバイスは「古典1冊買って盲目的に実践するのみ!」です.量と質でいうと,量が2,質が8くらいのイメージです.

何かの悩みに答える本,いわゆる自己啓発本は大きく2つの種類しかありません.

1つ目は個人の体験を描いた本で,成功者や偉人1人の体験や考えが書かれた本です.この種類の本はすごい人が成功するまでのストーリーや考え方が書かれていて,とても面白いし参考になるのですが,僕自身(あなた自身)がそのまま実践できるかというと状況や環境,為人が違いすぎるのでマネできません.また,中身も抽象的すぎる教えか具体的すぎるエピソードのどちらか一方しか描かれていません.1冊の読み物としてはいいですが,「今ここにある私の悩み」は解決してくれないです.

また,こう言った個人の体験を描いた本を読んでみると案外フツーのことしか言ってなかったりします.まぁ当たり前といえば当たり前なのですが,本(というか思考)は言葉の組み合わせのパターンで表現されており,その中から人が自然だと感じるパターン,そのうちある程度「大事なこと言ってる感がある」パターンはごくわずかに絞られます.自己啓発本を読んでいると大体言っていることが一緒→本質といえばそれはそうかもしれませんが,それ以外言葉では表現できないという側面もあるかもしれません.

自己啓発本の2つ目の種類は「科学的な」「○○学の」などで表現される,"エビデンスベースド"な本です.この種類の本は先ほどの1人の体験とは対照的に多くの人のデータをもとに悩みを解決する方法を教えてくれます.科学的に証明されたというとなんだか真実のように聞こえるし,確かに有用な教えが多いのも事実です.この「科学的」という表現の多くは統計の結果を意味しています.分かりやすくいうと多くの人の平均をもとに主張しているわけです.平均は傾向を理解するには役に立ちます,しかし最後の最後,僕自身のことは教えてくれません.ましてや,僕が平均に当てはまらなかった場合は無力です.

ほかにも,そもそも数値で測れること,データにできることにも限界があって,僕の悩みを数値で測ることが難しい場合も多いです.また,科学は覆ることも多く(むしろそれを望んでいたりする),今日の答えが明日の答えであるかは誰にも分かりません.
少なくとも「今抱えている僕自身の悩み」を解決するためには「科学的」な本は話そこそこで,信じすぎないくらいのスタンスがよいと思います.

と,ここまで悩みを解決するための本(自己啓発本)には2つの種類があり,いずれも量を読んでもあんまり意味がないよということを説明してきました.

  • 個人の体験をもとに書いた本

    • 狭すぎる.異なる環境や状況では参考にならない

    • 案外フツーのことしか言ってない

  • 科学やエビデンスをもとに書いた本

    • 広すぎる.多くの人になんとなく当てはまる傾向しか書いてない.

    • 時間がたつと覆ったり,そもそも測れない事のほうが多い

ではどうすればいいか?
その答えが「古典1冊買って盲目的に実践するのみ!」です.このアイデアは3つの要素を含みます.

まず1つ目,古典.古典とは,数十年以上読み継がれてきた本を指します.読み継がれてきたということは,多くの人に共感や批判をされながらそれでも現在も残っている,ピアレビューに耐え続けた骨太本ということです.

2つ目,1冊買う.1冊というのが大事です.正確には買うのは数冊買ってもいいけど,最終的には1冊に絞るのがいいと思います.理由は単純で,この世には絶対的な解決策なんてないからです.人はそれぞれ異なる性質を持って生まれ,異なる環境で育ち,異なる状況に現在います.言葉の上では表現は同じ悩みでも,その意味も違えば,その人に会った解決策を本という文字,抽象的な表現から見つけ出すことは不可能です.これを理解しないと,一生本ばかり読み続けて悩みの沼から抜け出せなくなる.
だから,本は1冊でいいんです.それが完璧じゃなくても方向性が分かればいい.納得や共感ができる本を見つけるまで数冊の本を渡り歩くくらいはいいかもしれませんが,期限を決めて1冊に絞る.悩みを解決するにはそれが最適だと思います.

3つ目,盲目的に実践するのみ.これが一番大事.本は解決策を教えてくれない,これを肝に銘じたうえで本を解決策にするために自らの手で実践していく.正解か間違いか分からない本の内容を正解にするために,ひたすら信じて実践する.信じた先が間違ってた!なんてことにならないように,古典といわれる骨太本を選んでおくのが大事です.

問題が解決しない原因は,手を動かしてないことにあるなんてことがほとんどです.(僕自身がそうであることが多いので...)
アタマで考えてもどうせ解決しない,本を読んでも答えなんて見つからない,なのでみんながいいと言ってる本を1冊だけ選び,それを信じて盲目的に頑張る.シンプルだけど力強い解決策かなーと思います.

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②知的探求型の読書法

次に知的探求型の読書についてです.この型の読書は,知らないことを知る,何かあるテーマについて学びたいという場合の読書です.僕自身の本を読む目的の大半がこれに該当します.このような場合のアドバイスは

目に入った本を全部買って全部読もう!」です.量が7,質が3くらいのイメージです.

理由はシンプルで知識はネットワークだからです.
つまりどういうことかというと,何かの知識は独立した点では成り立たず,点と点がつながって線になることでようやく理解できるということです.
ネットワークには不思議な効果があって,最初は効果が鳴かず飛ばずでもネットワークの数が増えると,ある一線を境に爆発的に効果が出てきます.(ネットワーク効果)

例えば単語の習得を考えてみると,まだ何も言葉を知らない幼児に「リンゴ」という知識を教えても理解してもらえません.指をさす行為がリンゴなのか,リンゴという形なのか,色なのかなど.しかし,続けて同じように「バナナ」や「ナシ」も説明します.すると徐々に,この丸くて赤いモノを「リンゴ」と呼ぶんだなと理解していきます.次に,果物という概念を説明します.リンゴとバナナとナシは果物だといきなり説明されても分かりません.なので,キュウリやキャベツは野菜,イヌとネコは動物といった概念も同様に説明していきます.最初は独立した知識だけを説明しているので,理解できません.しかし,徐々に共通点に気づき始めます.(甘いものが果物?,動くものは動物?)など.こうして相対的な比較,つまりネットワークによって知識は広がっていく,これが学習です.学習の利点は,未知のものに応用できること,例えば丸くて赤くて種が大きい「何か」があったとして,それが果物か野菜かを知りたいときに,少しかじってみて判断することができるかもしれません.これは過去に積み上げた知識,つまりネットワークがあるから未知のものにも転用できたことを示しています.

本についても同じことが言えます.
それぞれの本にはつながり(ネットワーク)があります.本の主題,扱っているテーマに加えて,著者や時代,目的,ターゲット層,文脈など全く同じ本は1つもありません.同時に著者が全く本を読まないで書いた本や逆に出版してから全く読まれなかった本もありません.本と本は直接的,あるいは間接的に関係しあっており,それを理解することが知の本質だと僕は考えます.

そのためには無数にある本を片っ端から読むしかない.もちろん研究やプロジェクトのために学ぶのであれば,ある程度のところで区切りをつけて理解したと言い聞かせる必要はある.けれど,本質的に知に終わりはないというのが,僕の現時点での答えです.

また,ある程度よい本にたどり着くためにもこの読み方が必要です.そもそも知らないことを知ろうとする際に,その本が言っていることが正しいのか間違っているのか,その本はいい本なのか悪い本なのかはある程度の量をこなさないと判断できません.そういった意味でも知的探求型の読書はひたすら量を読む!に尽きると考えます.

・・・・

③ 自己目的型の読書法

最後に「自己目的型」の読書についてです.読書そのものが好き,本を読むことが生きがいという場合です.この方々へのアドバイスはシンプルです.

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ゴホン,,,

気を取り直して,300冊+α から学んだことは「本との最適なかかわり方は,目的によって量と質のバランスを調整する!」でした.具体的には,

問題解決型:
自分自身の悩みや問題を解決したい→ 古典1冊買って盲目的に実践するのみ!
知的探求型:
知らないことを知りたい→ 目に入った本を全部買って読もう!
自己目的型:
本を読むのが好き→バランスとかどうでもいいから友達になりましょう!!

あくまでも僕個人の学んだことなので異論は認めません!

僕自身が本を好きな理由

 さて,本文の内容として書きたいことはこのパートが最後です.
僕自身の本の遍歴を見返してみて,そして24歳になったこのタイミングで改めて本の魅力を考えてみたいなと思います.

1番は本を読むと世界を喜べるようになることだと思いました.
まぁこれは本というか知識のほうが正しいかもしれませんが,本を読んだ後,特に新しい知識や気づきのある本を読んだ後は日常が変わって見えます.本で得た知識が,新しい色眼鏡となる感じ.この色眼鏡効果が本の一番の魅力だなーと思います.そして,自分が思っている以上に世界は面白いことにも気が付きます.物理を知ればあらゆるテクノロジーは美しく見えるし,デザインを学べばスーパーのパッケージに愛を感じるし,落合陽一さんについて知れば作品がもっと深く感動できるものに気が付く.これまで何気なく見逃したり,価値を感じてこなかったことに感動できるのは本,知識を得ることの魅力だなーと思いました.

あとは,本を通して人と話したり思いを共有できることもいいところだなーと思います.
僕は大学にいるので,よく色々な先生の研究室に相談をしに行ったり,「これについて教えてください!」と訪問したりします.すると結構な先生が,この本おススメだよーと本を渡してくれてるんですよね.これ,なんともないように見えて学生としてはとてもうれしい体験だなーと感じています.何がうれしいかというと,うれしいポイント1つめは,本を媒介すると先生も生徒も平等というか同じ目線で話せる感じがすることです.恐らく本がある意味で先生の役割をしていて,それについて語り合う同じ生徒の目線で話すことができるのが理由かな?と勝手に思ってるのですが,本について語るときは矢印が同じ方向を向いている感じがするんですよね.それがうれしい!
うれしいポイント2つめは,もう一回返しに行く約束ができることです.一度きりの会話ではなく,継続的なコミュニケーションを許してもらった気がしてうれしいです.

本はほかのメディアと違って自分でコントロールしている感が強く,スピードをコントロールできるのも魅力だなーとか,なんだかんだ紙の本のほうが集中できるし,書き込めるのがいいよね!とか,文章を書こうと思い,あれこれ考えていたら,やっぱり本が好きだなー,本手放すのやめようかなーなんて迷ったりもしました(笑)

📢最後に:本と僕の思い出,受け取っていただけませんか?

ここまで読んでいただき本当に本当にありがとうございます!!
自分でもびっくりするくらいいっぱい書いてしまった.
そして,読みにくそーーーー.
(こんな駄文読んでいただき本当にありがとうございました!)


文章を書いていて思ったのですが,本棚ってその人が生きてきた記録だなーと思いました
どんなことに悩んで,どんなことに喜んで,どんな風に考えているのか,
本棚を見返すと自分の生きた証がそこにある.

やや名残惜しいのですが,違う誰かの思い出になったほうが僕にとっても本の著者にとってもうれしいと思うので,本を手放そうと思います.

そして,本の手放し方なのですが,
この文章を読んでくださったどなたかに受け取っていただけたら一番いいなと考えています.もし,受け取っていただける方がいましたら僕のXのDMにメッセージを頂けると幸いです.
一応簡単な条件(希望)は下に書いておきますが,あくまでも希望ですのでお話を通して決めさせていただきたいです.

■ 基本的には300冊とちょっと(全7箱)全て買取を希望しています
※バラでの買取も最低1箱からで,中身はお選びいただけません
■ 全ての本のリストはこの記事を購入していただき,有料部分に飛んでいただくか直接DM(
https://twitter.com/Mouflon__0404)をいただければお渡しいたします.(購入いただいた方には,記事の料金分はお値引きいたします)
 多くの本に書き込みや折れなどがあります.思い出だと思って受け取ってください
■ 金額については60000~65000円(1冊あたり200円程度)を考えていますが,あくまでも希望なのでご相談ください.学生の方はもっと安くします!
■ 期限は2週間,4/18までで,先着順とさせて頂きます.

★ 希望があればですが...受け取っていただける方とZoomもしくは食事などをしたいなと思っています.何で購入していただけたのか,ふだんどんな本を読んでいるのかなど,ざっくばらんにお話しできたらとてもうれしいです.

ということで,本と僕の思い出を受け取っていただける方募集しています!
ぜひDMください

https://twitter.com/Mouflon__0404

本文はここで以上となります.
おまけとしてこれまで読んだ本の中から特におススメの本10選と,読んだ本300冊+αのリストをつけておきます.10選は無料で読めます!300冊のほうは有料です.誕生日プレゼントとして購入していただけると,今後の読書ライフの励みになるのでぜひ!

それでは,ありがとうございました~👋👋

追記:VlaueBooksさんに買取していただきました!

ゆる言語学ラジオでおなじみのValueBooksさんに買い取っていただきましった!郵送が1度で5箱までだったので,残り2箱くらい残っているのですがまぁそれはボチボチ…

⭐特におススメの本10選

イシューからはじめよ(安宅和人)

みんな大好きイシューから始めよ.なんでも応用できます.下手にたくさん本を読むくらいなら,この本を擦り切れるくらい読むのといいと思います!

本を読む本(J・モーティマー・アドラー )

本の読み方についてとても参考になる本.この文章も,本を読む本に多大なる影響を受けています.個人的に最も印象的なのは,本に対する姿勢で「賛成」か「反対」のスタンスをとる,反対の場合は「論理の矛盾」「前提の不正確さ」など何が理由で反対かを対話するといった内容です.(不正確なので詳しくは本文読んでください!),感情や直感でいい悪いを判断するのではなく,徹底的に論理で賛否を判断する姿勢は,読書に限らずあらゆる知的生産にも大事な姿勢だと思いました!

読んでいない本について堂々と語る方法(ピエール・バイヤール)

この世には無限に本があって,それをすべて読むことはできない.この本は,そんな本好きなら誰もが抱える悩みを解決してくれる本です.本文にもある知識はネットワークである,というのもこの本を読んで考え始めたことでした.読んでいない本を堂々と語るには,文脈を理解することが大事だという主張にはめちゃくちゃしびれました!

天才科学者はこう考える(編:ジョン・ブロックマン)

自然科学から社会科学まであらゆる知の先人たちが,それぞれの考えやアイデアを綴ってくれています.この本はパラパラと流し読みして,面白いとこだけ読む辞書のような読み方がおススメです!自分のやりたいことがわからない,どんな本を読んでいいかわからないという方はぜひ読んでみてください!きっといい出会いがあるはず

フロー体験 喜びの現象学 (M.チクセントミハイ)

僕が研究者を志したきっかけの本です.フロー体験は,僕たちの日常を豊かなものにするためのアイデアが詰まっています.特に現代にはフローを体験するような機会が少ない.少なくとも日常的な業務ではフローを中々体験できないなーと思っています.フローって何?どうすれば体験できるの?って疑問に思った方はぜひ!
あと,ミハイチクセントミハイって絶対言いたくなる名前ですよね(笑)

デジタルネイチャー 生態系を成す汎神化した計算機による侘びと寂 (落合陽一)

皆さんご存じ,落合陽一さんの書籍.落合先生は他にもビジネス書やnoteなども書かれていますが,この書籍が研究や創作の中心となっているのは間違いないです.デジタルテクノロジーと東洋思考,全く相反するものに見えて本質的には同じものであるというアイデア,そして教養の広さに感銘を受けます.

僕は,読む前と後で認識が180度変わる,読んだ後に「ってことは!」と思考が拡散する,そんな本がいい本だなーと思うのですが,この本もそれです.
デジタルネイチャーという視座では,文化や社会はどう変化するんだろう?
めちゃくちゃ妄想が捗るので,まだ読んだことないという方はぜひ!

自在化身体論 (稲見 昌彦など)

「人間拡張」をテーマに書かれたこの本は,私とは何か,身体とは何かについて考えさせられる本です.人間拡張は人間の身体能力や知覚などをテクノロジーを用いて増強・拡張させる技術や学問分野です.
内容は,過去の研究事例や現行のプロジェクトの概要が中心的に書かれてるのですが,その事例が面白い!仮説と検証の方法がアイデア満載でとても魅力的です

ポスト・スポーツの時代 (山本 敦久)

スポーツ科学徒なので,スポーツ分野からも一冊.
サイバネティクスやポストヒューマニズムの流れがスポーツにもやってきつつある.本書は従来のスポーツからデータやテクノロジーを組み合わせたポストスポーツというものを定義し,説明しています.近年のスポーツはデータによる戦略の予測立案であったり,科学的なトレーニング,動画による自身のプレイ映像のフィードバックなど,スポーツの機械化が進行しています.これらの流れはスポーツの主体性について改めて考えさせてくれます.
確かに大谷選手を見ていても,試合後のインタビューでどこか客観的だったり,「データ的に…」とコメントすることが多い気がする.いいのか悪いのかは置いておいて,「たしかになー」と思うことが多かったです.

スポーツとテクノロジーを絡めて論述した本ってあまりないんですよね,,,
そういった意味でもスポーツにかかわる人やスポーツファンの人なんかに新しい視点を与えてくれる本です

BEASTARS (板垣巴留)

マンガです.
語り切れないので読んでください

にげてさがして(ヨシタケシンスケ)

ヨシタケシンスケさんのただのファンです!
布教活動してます.読んでください!

📝 有料限定:読んだ本300冊のリストとコメント(随時更新)


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