見出し画像

てがみ

日曜日は晴れていて、さらに素敵な事に、暖かかった。

風をめいっぱい取り込んだ窓際で、本の頁を捲るのがとても幸せ。
土曜日に勢いのまま読んでしまった本の、お気に入りになりそうな箇所をもう一度、何度も。

ベランダで母がちぎったのでしょう、ミントの匂いが私にまで届く。冬の空はぱりん、としていて、音もなく静か、穏やかな午後1時半。



そうしてベッド脇には4つの紙。つい何日か前に「UFO MAIL」と書かれた封筒で届いた手紙たち(ポストを覗いたのが母だったので、符号めいた私たちの言葉遊びは大層気味悪がられてしまった)。
ハローハロー、ようこそ端っこの私まで。

4つの紙にそれぞれ吹きつけられた香りはnoteの向こう側にいる人がつくったもの。私の言葉に嬉しい返信をくれた人。それからは、もう、雛の刷り込みのように、ね。

1つ1つ、香りを近づけてみる。ムエット上だけで分かる優秀な鼻は持ち合わせていないけれど、素敵な予感を漂わせているね。機械的にも見える数字を冠する香り達はほんの少しの物語と一緒に想像を広げてゆく。
夏と秋の境目の風と、それから森の蝶々のにおい。


どこに行かなくても欲しいものが届く生活の中、いつか足を運んで出会ってみたい香り達。それまでは送って頂いた、香り達の端っこを掴んで遊ぶ日々です。
少しだけ春めくひなたより、愛を込めて。








この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?