第3章: 坐禅の姿勢
◎その昔、師匠カエルからワタクシ、坐禅カエルが聞いたところによると ...
師匠「さて、と ... じゃあそろそろ、実際に坐ってみるか?」
カエル「やった〜!ケロケロ。」
師匠「では、くっしょんに、尻全体の半分よりちょいと少ない面積を乗せてみるの じゃ。位置的に、くっしょんの後ろの方まで深く坐るのは、ダメな。太もものあたりが過度に圧迫されて、血の巡りが悪くなる。これはあまりよろしくない。」
カエル「はいケロ!」
師匠「そしたらな〜、そうやって坐ったまま、右の足首を左手で持ち、右手を右膝に添えて、ぐいっと地面から持ち上げる。できた?」
カエル「う〜 ... こんな感じかな?」
師匠「そしたら、持ち上げた左足を、そのまま右の太ももに乗せる。」
カエル「お、できた!」
師匠「今度は、その姿勢のまま、同じ作業を反対バージョンでやるのじゃ。」
カエル「今度は、左の足首を右手で持って ... ってやるわけですね?」
師匠「そうそう。で、足が交差して、両足の裏が上を向いた形になったな?」
カエル「い、イテテテテ ... いや、これ、ちょっと痛すぎませんか?師匠〜。」
師匠「カッカッカ、実はそう言うと思うとった。」
カエル「もう〜、意地悪!」
師匠「カッカッカ!こりゃ失礼。そんなお前さんのために、簡易バージョンをお教えしようか。左の足首を右手で持ち、左手を左膝に添えて、ぐいっと持ち上げる。左足を、右の太ももに乗せる。これだけ。どう?」
カエル「あ、これなら大丈夫ですね!」
師匠「それでもいいんじゃ。慣れてきたら、最初のやつにもトライしてみると いい。最初のがずっとできなくても、あんまり問題はないんじゃが、まぁ、形と して完全、かつ最も安定する姿勢は、最初のやつじゃな。昔からそういう扱いになっておる。だからまあ、できるに越したことは、ない。ホント、昔の人はいろいろと良く考えたもんじゃわい!」
カエル「はい。慣れたら、チャレンジしてみます!ケロ。」
師匠「そいじゃ次は、手の形と位置。まずは、右手を、どあのぶをひねるときの形にする。」
カエル「あの ... ドアの取っ手のことですか?はい、できました!」
師匠「左手も、同じ形にする。」
カエル「ケロ、同じ形ですね ... ドアノブ、ドアノブ、っと。」
師匠「そしたらな、両手をそのままの形で、親指の先っちょ同士を軽くくっつける。このとき、右の掌の上に左の掌が乗るようにする。指の輪っかができて、それが卵の形になった?」
カエル「おお〜!これ、よく見てみたら、あのおぼーさんのかっこいいやつじゃないですか!ケロ。」
師匠「お前さんは、形のかっこよさばっかじゃの ... まあいいや。その両手を、足のあたりに置いておくのじゃ。力を入れる必要はないぞ。」
カエル「いいですね〜。本格的!ケロ。」
師匠「次は、背中。これは重要だから、特に気をつけること。その姿勢で坐った まま、おへそのあたりを中心に、お腹をぐいっと突き出してみて。あえて力を入れないでも結構。背中が若干後ろに反っているぐらいの感じは、ある?」
カエル「あれ?背中はまっすぐにしないんですか?ケロ。」
師匠「ちょっとしたコツでな ... ちょっと反ってるかな?と思うぐらいが、実はまっすぐになっているんじゃ。どれどれ、ちょっと見てやろう。」
カエル「(む ... 緊張するゾ ...)」
師匠「うむ、まぁ、いいじゃろ!」
カエル「やったー!それで師匠 ... ここから何をするんスか?」
師匠「ここからがいよいよ本番じゃ。ここまでは準備じゃからの ...。」
カエル「(ドキドキ ...)」