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昨日観た映画No,29【ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ】
【ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ】2024年:アメリカ:133分
監督:アレクサンダー・ペイン
ジャンル:コメディ/ドラマ
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本当は昨年公開の【アビゲイル】もしくは、謎の高評価を得ている【FALL GUY】を視聴しようと思っていた。
しかし大きな問題にぶち当たった。
「U-NEXTポイントが少ない・・・」
僕の現在の残りポイントは710ポイント・・・通常、新作旧作問わず大体の映画のレンタルには399ポイントを必要とするので、今月レンタルで視聴できるのは残り1本・・・あとは見放題で賄うしか・・・
「よし!今日はアマプラとかで見放題作品を見る方向に切り替えよう!」
と、いうことで本来見たかった作品とは別ジャンルを見ることに決めた。
以前から気になっていたクリスマス映画の本作があったので早速視聴。
あらすじ
1970年冬、ボストン近郊。全寮制の名門バートン校の生徒や教師たちは、誰もが家族の待つ家に帰り、クリスマスと新年を過ごす。しかし、留まらざるを得ない者もいた。生真面目で融通が利かず、生徒からも教師仲間からも嫌われている古代史の教師ハナム。勉強はできるが反抗的で家族に難ありの生徒アンガス。ベトナム戦争でひとり息子カーティスを失ったばかりの料理長メアリー。雪に閉ざされた学校で、反発し合いながらも、孤独な彼らの魂は寄り添い合ってゆく――。
本作の感想
メアリー役のダヴァイン・ジョイ・ランドルフは2024年のアカデミー賞とゴールデングローブ賞、英国アカデミー賞で助演女優賞を獲得。
主演のポール・ジアマッティもゴールデングローブ賞(ミュージカル・コメディ部門)で主演男優賞を獲得。
正直、オスカーなど大きな賞を獲得した映画だからといって楽しめた記憶は全くないので若干身構えて視聴した。
結果、とっても「良い」映画を見た。というのが正直な感想。
悲しい出来事によって人生が変わってしまったキャラクターもいるので「良い話」というよりは「良い映画」って感じ。
過去の出来事によって「一歩を踏み出せなく」なってしまった他人同士の三人が、クリスマスシーズンを過ごす。
少しづつお互いに理解し尊重し共感し合うことで、やっと一歩を踏み出すまでの物語。
人間性の成長や進展を感じる作品なので、とても緩やかな展開だ。
大きな出来事が起きて、わかりやすい起承転結があるわけでもない。
だからこそ、視聴者がキャラクター達の気持ちに寄り添う余白が存在するので、かなり没入して感情移入しやすい。
個人的にクリスマスに思い入れが無いし、どちらかというと好きではないイベントではあるが、キャラクター達がお互いに触れ合い、悲しみや問題と共存しながらも踏み出す姿を見ていると「クリスマスも悪くないのかも」とさえ思えてしまった。
登場人物がみんな魅力的で、人間味あふれる。
特に堅物教師のハナム。
生真面目で融通が利かず理屈っぽい教師。それ自体が間違いではないのだが、一方で人として失礼な言動をした生徒に本気で激怒したり、心に傷を抱える人物には優しさを見せることもある。
こう文字に書くと映画のキャラクターとして一貫性が無いように感じるかもしれないが、実際に見ると違和感がない。
だって、人間は多面体という人もいるように、優しい一面もあれば嫌な一面もあるのが人間だと思う。
だからこそ、我々視聴者も感情移入しやすいのだ。
クリスマス映画はクリスマスシーズンに見るべき!と思うかもしれないが、この作品はいつ見ても楽しめるし少しだけ勇気が貰える作品だ。
僕自身、オカルトや宇宙人、血しぶきやグロテスクな映画ばかりではなくて、こういう「良い映画」もたまには見たいなと感じることができた。