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【京都の駒札⑥】御霊神社(上御霊神社)

 祭神として崇道すどう 天皇(早良 さわら親王)、吉備真備 きびのまきび橘逸勢 たちばなのはやなりをはじめ、十三柱の神霊を祀る。
 この地には、はじめ付近住民の氏寺として創建された上出雲寺があったが、平安京遷都(七九四)に際し、桓武天皇の勅願により王城守護の神として、奈良時代・平安時代初期に不運のうちに亡くなった八柱の神霊が祀られたといわれ、その後、明治天皇の御願 ごがんにより祭神五社が増祀され、現在に至っている。
 平安時代には、天変地異や疫病流行は怨霊 おんりょうのたたりであるとする御霊信仰が盛んで、怨霊をなだめるための御霊会 ごりょうえが度々行われ、疫病けの霊社として名を広めた。朝廷から庶民に至るまで広く信仰を集めたが、特に御所の守護神として皇室の崇敬が厚く、神輿 みこし牛車 ぎっしゃ等、皇室からの寄付品を多数蔵している。
 本殿は、享保十八年(一七三三)に下賜された賢所 かしこどころ御殿を復元したものといわれている。
 また、境内は「御霊の もり」と呼ばれ、応仁元年(一四六七)正月十八日に畠山政長と義就 よしなりの合戦が行われ、応仁の乱の発端となった場所としても知られている。


2015年8月3日撮影


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