満月が呼び覚ます?月と認知症高齢者の奇妙な関係
月の満ち欠けは
私たちが思っている以上に
人間を含む地球上の生き物すべてに
影響を与えているのかもしれない
満月の頃に体調不良になったり
成人した女性の場合
新月や満月の前後に生理が始まったり
満月や新月のタイミングで
自分のカラダの変化を感じる人も少なくない
Tさんは御年92歳
丁度1年前
ベッドから車イスへ移乗の際に
ベッドのL字柵につかまれば
軽介助で車椅子へ移ることができていた
移るときにはたいてい
自ら「せぇのっ!」という掛け声をかけて立ち上がり
職員はそんなTさんのお尻側から
車椅子に座るまでの間
そっと手を添える程度の軽介助
その後車イスに上手に座れたと知ると
「あーよかった!」と一言
今日も上手に座れたことに
我ながら満足されていらっしゃるご様子で
とは言えTさんは認知症なので
例えば
「食堂まで行かなくちゃ」と頭ではわかっていても
毎日、毎食同じルートを移動してはいるものの
目的地へのルートは既に覚えられない
気持ちは食堂への道をたどっているけれど
ひとりでは行けないので
職員が車椅子を手押ししてお送りしている
食堂の席までお連れすると決まって
「ありがとう」と快く感謝の言葉をかけてくださる
Tさんは気さくな方なので
介護するこちらも
気持ち良くお世話ができる
たとえ食堂までのルートは覚えられなくても
ご自身の居室の前の廊下を
行ったり来たりしたり
車イスをゆっくり自走して動くことはできた
ご自身の居室にも
ゆっくりではありますけれど
ドアを開けて入ったりもできる
Tさんは普段、穏やかで
他の利用者さまと争うことなどほとんどない
フロアでは他の利用者さまとあいさつしたり
会話も少々
よく聞くと、まっとうな事を話しているようで
お互いかみ合っていない内容の方が多く
それでも根がおだやかなので
いろんな利用者さまと静かにお話されているか
車椅子でうたた寝をされていることが多い
ところが不思議なことに
新月や満月の頃になると
Tさんは決まって「多動」になる
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