ぺるん介護福祉の便利帳

毎日のXポストから、介護を通して体感した、高齢者との不思議でかつ人生を考えさせられたエピソードを(長文ポストを)投稿しています。投稿者は、介護福祉士国家資格取得を目指す神奈川県在住の「ぺるん」です。

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最近の記事

失敗に学ぶ介護術~涙の移乗デビュー戦~

「泣きそうになった・・・」 今回はそんな経験談をひとつ バスの運転手さんだったAさんは 70代の体格の良い男性 ベッドの長さにギリギリ入るくらいの背丈で ベッドに横になっているときはたいてい 膝を曲げてクッションをその下にはさむ 肩幅も広くがっちりしている 残念ながら Aさんの両脚はもう ほとんど動かなかった 奥様との仲は良く 入所当初は 居室によく奥様が来所されていた ちなみに Aさんの腹部左側には「ストーマ」がある ストーマは 手術で人工的に腹部につけらられた

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    • 怒鳴られた理由とは?~終われない「5分前行動」~

      「俺は5分前行動するのに、 なんで、5分前に来ないんだ!」 入浴の時間になったので 居室でお声掛けをしたら 男性からの第一声がこれでした 「す、すみません! 時間通りにうかがったのですが…」 なぜ怒鳴られるのか?わからないまま その剣幕に驚きながら 思わずお詫びの言葉が口から出る 急いでバイタルを 測るも、案の定 興奮した男性の血圧は高すぎた 男性の顔はまだ少し赤らんでいる (まずい!このままでは入浴を促せない…) 焦る私を知ってか知らずか 男性は更にヒートアッ

      • お風呂嫌いのその理由は?~介護現場の説得の奥義~

        お風呂嫌いのT子さんは 2人の息子さんに連れられて入所してきた T子さんに「行くな」と言われて なかなか帰れないお2人でしたが ようやく話がついたのか? 静かになった頃を見計らって 息子さんたちは施設を後にした T子さんは 80代の小柄なやや色黒の女性 有料老人ホームでは珍しく 認知症がかなり進んだ状態で入所してきた お体はお元気で 時々腰が痛くなる程度 ずっと独居だったためか たくさんの人との共同生活は 彼女のココロに刺激を与えたようで 会う人会う人に 笑顔で挨拶をさ

        • 痒みの極みの狭間で~感染と隔離がもたらすもの~

          疥癬(かいせん)に感染したことはありますか? 疥癬とは ある種のダニが 皮膚に寄生し増えることで 痒くなる感染病 その痒さに夜中でも目が覚めるほど とにかく痒いのがその特徴 手や足には特に 指と指の間 水かきあたりから延長線上に 点々と発赤が続き そこにダニが棲みついていて 感染者に接触することで感染します ダニは皮膚の中のみならず シーツや布団や床に居ることも多いので それらに接触したことで感染することも よって感染者の居室のシーツ交換は 毎日行われることになる

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          細胞がこわれるとき ~ 遠い母の記憶 ~

          人は亡くなるとき どんな気持ちになるのだろう? 高齢者施設の仕事をしていると 病院に搬送されたまま戻って来られなかった方や ちょっとしたことがきっかけで あっと言う間に 体力が落ちて動けなくなってしまう方など 人の人生の最期を見る機会も多い なので こんな疑問を よく考えるようになる 200床規模の特養で働いていた頃 不思議に思った出来事が1つ それは 施設に入所したことを嫌い 他者との交流を好まずに居る事で ベットに横になる時間が長くなり ご自身でほとんど動かなくな

          細胞がこわれるとき ~ 遠い母の記憶 ~

          満月が呼び覚ます?月と認知症高齢者の奇妙な関係

          月の満ち欠けは 私たちが思っている以上に 人間を含む地球上の生き物すべてに 影響を与えているのかもしれない 満月の頃に体調不良になったり 成人した女性の場合 新月や満月の前後に生理が始まったり 満月や新月のタイミングで 自分のカラダの変化を感じる人も少なくない Tさんは御年92歳 丁度1年前 ベッドから車イスへ移乗の際に ベッドのL字柵につかまれば 軽介助で車椅子へ移ることができていた 移るときにはたいてい 自ら「せぇのっ!」という掛け声をかけて立ち上がり 職員はそん

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          満月が呼び覚ます?月と認知症高齢者の奇妙な関係

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          消えゆく声の中に〜最後の食介の記憶〜

          「ご飯は食べたの?」 サイドテーブルに 夕ご飯のお膳を置いて 茶碗に半分ほどのお粥の上に ごはんですよをひともり乗せたばかり ギャッチアップしたベットの上で それをを眺めていたKさんは御年95歳 つい先日まで 小ちゃなカラダで車椅子を自走 トイレも自立していた それなのに 施設内でのコロナ騒ぎの後に 咳をしはじめ、熱発 2週間ほど入院されたと思ったら 褥瘡(じょくそう)付きのほぼ寝た切り状態で 戻ってこられました 自分の足で立ち上がる力がないと知ると 居室内の手すりは

          消えゆく声の中に〜最後の食介の記憶〜