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詩シリーズ

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2024年11月の記事一覧

【詩】がく、と風雪

【詩】がく、と風雪

詩を書かないと生きていけない

それは私の生命のさざなみ

男女の運命を男1人が超え

あなたとの恋を女1人が見抜く

死はとうに越している

世界の繊細とそこから派生する洞察に

彼女の眼に春はどう芽吹く

それは雪の結晶か

夏の繁茂か

秋の紅潮か

春の雪溶けか

四季の錬磨にどう呼び声を聞く

ああ聞こえるぞ、そなたの奥

ああ見えるぞお前の気恥ずかしさ

聞かせろ超えた彼岸への橋を

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【詩】翻訳

【詩】翻訳

あらゆる先人の方の尊い書物は

焚べられた人間知の集合だ

幸いにも感慨を獲た1人のものとして

あなたに言葉を伝えたい

あらゆる聖賢が言うには

「あなたが聞きたい音楽を あなたが聞きたいときに聞くこと」

これしか述べてないように思える

【詩】光り

【詩】光り

動画から目を離した3分の間に

私の心は宇宙に拡散し

広大な感慨を連れて戻ってくる

もはや質量

もはや質量

死をぶち抜く偉大な尊光

ペテン師と明師の区別は

子どもたちが見分ける

【詩】始原

【詩】始原

あなたがあまりにもあたたかく抱きしめるものだから

私の恥ずかしさも溶けて失くなってしまった

そんなことに慣れるうちに

私の周りの人が笑うようになった

想う、若き日のあなたの老練

世代を超えて今も紅く煌めいている

夢を見よう

それが青い炎に燃え移るまで

【詩】苦悩の落ち着く所

【詩】苦悩の落ち着く所

頑張っていることをただ頑張っていると

それを言ってくれる概論や人がいるだけで

生き延びれる可能性があった人がどれだけいただろう

好きな歌手は【誰がその背中を撫でてやろうとしただろう】という言葉を残したが

背中を撫でてもらえない人がどれだけいるだろう

別に何もかもを求めているわけじゃない

ただ心配してもらえるという事実に

そのあたたかさに

触れられなかった人がどれだけいただろう

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【詩】カタルシスという螺旋

【詩】カタルシスという螺旋

全人類が望む恋の行く先を誰が手に入れよう

罪悪感と連関したノイローゼに

それが自分の努力の証だと気づかされた時に

パッと浮き立つカタルシス

それは一瞬であり

またそして深い

誰もが望む恋の獲得は

社会不適合者のカタルシスにこそある

圧倒的に持たざる者に花開いた精神の世界は

その者に関わる者への心象に憧れを植えるだろう

憧れは"何かを見ている"ということ

彼は何かを見ている

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