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単体

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単体もののまとめ 小説、感想文など
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#小説のようなもの

命の花

「笑いなさいよ。笑顔の方が素敵よ」
「笑ってたら自然と楽しくなるものよ」
「ほらほら泣いた後は笑ってごらん」
「うん……」
ずっと笑うのが辛かった。無理に下手な笑顔を作ってはその方がいいと言われて、またどんどん苦しくなって、泣けなくなって
「笑うなよ。ブス」
初めて言われた。
「ちょっと何言ってるの?」
「女の子に酷いこと」
「泣いてるじゃない」
「うるせぇよ。黙ってろ。泣きゃあいいんだよ。ガキな

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生死の選択

少し前に書いたもの
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十五歳、選択の歳。
西暦二千七百何十年に、性別の選択が可能になった。義務教育の間に性別に関する知識と子供を増やすための知識を教え込まれる。そして中学卒業と同時に、今後一生の性を、生き方を選ぶ。昔より、随分いいと聞いた。昔は性別は選択なんてできなかったって。体の手術にも大量の金が必要で、差別やいじめも多発していたって。肉体的虐待も性的

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幻想の桜

少し前に書いたもの
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「小説のネタに……はい、構いませんけど……。とても、不思議な夢でした。高校の時に見た夢です。現実なはずないのにあまりにも現実味があって不気味だったんです。高校のとき、思い出せる限り書き出していたんですが、支離滅裂で。ちゃんとした時系列に書き直そうと思ったのですが、その文を読んでる時に気持ち悪くなってしまって、すみません。……今でも半

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兄姉(きょうだい)

※フィクション※
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どうして、こうなったんだったっけ。
ボクの、人生。

お兄ちゃんかお姉ちゃんが欲しかった。
両親が事故で死んでから、その欲求は更に強まった。
両親の葬式でボクと弟と二人の妹は伯父たちに引き取られることになった。
だから親の残した金を伯父が全額受け取っていた。
でも、言われた通りに引っ越しの準備をして家でいくら待ってても迎えに来なかった

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人間不信は嘘を吐く まとめ/不信の共感 

五ヶ月ほど続きを書けてなくて手をつけるかと思ったけど一つにまとめておまけとして不信の共感を書くことにした
題名はそのまま使ってるけど文中にそれっぽいの書けなかった
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   不信の共感

胸と子宮を取りたいと思って、ずっと悩んで親に伝えたけど高校では無理だと言われた。
一言で、片付けられた。
今まで我慢したのに

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「不適切」と言うお題に出す予定だったやつ

なんかちょっと違うなと思って出さなかったやつ
無題
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「手紙が届く頃、君は死んでいるだろうか。まだしぶとく生きているだろうか。死ぬ前に聞かせろと言われていたこと、聞かせてやるよ。直接になれなかったことは、すまない。だが死ぬ前に聞く最後の声が僕でなくてよかったろ。僕のことは嫌いだろ。もう君の知り合いはいないんだろ。僕が最後だ。知っているぞ。教えてもらった。そ

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正夢

   正夢

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彼女が眠ってる。
すやすやと、心地よさそうに。
「おはよう××」
なんだか、悪い夢を見ていたみたいだ。
彼女は今日も僕の目の前で生きている。

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四月に入った。
花見に来た。
彼女は直で桜を見るのは初めてだった。
「僕はあなたのことが好きです。
一生一緒にいてください」
「…ありがと」
彼女は照

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火弔(かちょう)

ちょっと前の夢日記からの創作
実際の火葬にどれくらいかかるかとか知らずに書いてます
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友人の姉が死んだ。
腹で二つに割れていた。
気になっている人で、そんなに話したことはなかった。
友人は泣いていた。
自分にとっても姉のような人だった。
複数の家族が一世帯で暮らしているから、子供たちはみんな友人で兄弟のようなものだ。
喪服に着替えて昼食の準備がされている。

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別れ、巡り まとめ

自分用まとめ

参考メモ

愛別離苦 親愛な者と別れる辛さ
友人:月桂樹(げっけいいつき)、霜月四葉(しもつきよつば)
月桂樹の葉 私は死ぬまで変わりません
四葉(よつば) 私を思って、幸運、約束、復讐
霜月 十一月の別名
カーネーション
黄 嫉妬、侮辱
濃い赤 欲望、心の哀しみ

追記

#私の最高の友達

締切1日過ぎてました
すみません
※この話は全てフィクションです

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小学校に通えたのはたった一ヶ月だった。
同じ年に生まれた人たちはみんな中学校を卒業した。
家よりもずっと長く真っ白な壁の病院に住んでいる。
二人部屋で何人も入っては出ていった。
時にはこの世から出て逝った子もいた。
私はずっと同じ部屋で、なんの病気かも分からないままずっと、ずっとただ過

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文学国語での二次創作

文国の授業でやった「デューク(江國香織さん)」の二次創作
(URLを貼っていいのか分からなかったので原作は調べてください。『デューク 江國香織』で出ます)
その後を書いてみましょうって授業
三種類書いた
どっかに出したいと思ったのでここで
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   「雪解け」

しばらく突っ立っていると冷え込んで雪が降ってきた。
色とりどりの視界の中にちらほら白が混ざる。

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紙中

去年書いた小説のようなもの
『いたずらに 桜をかけば 散っていく 止まらぬ時は かみのいたずら

悪戯に 桜を掻けば 散っていく 止まらぬ時は 神のいたずら

徒に 桜を書けば 散っていく 止まらぬ時は 紙のいたずら』
これを小説っぽくしてみた版
書いたのが一足お先にを読んだ後だった
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   紙中

今年も病室から桜がよく見える。
綺麗だけど、今日は風が

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