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【詩】あまたのひとつ

紙とペンだけで
なにができるのだろう。
書いた詩は
証明した物語は
掌のしわよりふえた。
そしてなにがかわったのだ。
ふと月夜の晩に考えた。
その日は秋で
風邪をひくぐらい寒くて
ひとりだった。

その詩は自分のためなり
その文学は自分のためなり

正しい、正しい、
正しくてしょうがない。
でも
一万枚書いたうちの
一枚、二枚でも
誰かに安らぎをあたえる
それができたら
僕は
君より、正直な人だ。

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