友人にもらった6冊の本 2024 その2
毎年、友人に本をもらうことが恒例になりつつある。
そして今年も6冊もらってしまった!
前半の3冊
①『ブルームズベリー・グループ ヴァネッサ、ヴァージニア姉妹とエリートたち』(中公新書)by 橋口稔
②『ガヴァネス(女家庭教師)-ヴィクトリア時代の<余った女>たち』by 川本静子
③『ブロンテ姉妹とその世界』by フィリス・ベントリー(訳 木内信敬 新潮文庫)
について、前回書いたので、
今回は、後半の3冊を。
④『風と共に去りぬ 写真集』by ジュディ・キャメロン/ポール・J・クリストマン(訳 高橋良平 新潮文庫)
写真集というタイトルだし、パラパラした時も写真が多めに感じたので、簡単に読めるかな~と思ったら、意外と文章も多かった。
第1章 マーガレット・ミッチェル
作者自身のことはほとんど知らなかったので新鮮だった。
子供のころに、南北戦争の話を聞いて育ったことと、彼女自身が、スカーレットのように、やや奔放な女性だったことがこの超大作の糧になったようだ。
第2章 プロデューサー
第3章 制作準備
第4章 プロダクション
第5章 セット
第6章 コスチューム
第7章 メーキャップ
第8章 ポストプロダクション
第9章 アトランタ・プレミア
第10章 アカデミー賞
映画製作の舞台裏が、次々と語られていく。
膨大な費用と期間、膨大な人数が制作にかかわり、最終的に映画は大成功をおさめ、プロデューサーや俳優陣は栄光を手にしたが、その裏で、身を粉にして働いても、クレジットに名前すら載らずに亡くなった人、薄給で生活が苦しくなった人々など、多くの犠牲もあったということを思い知らされる。
⑤『華麗なる二人の女王の闘い』(朝日文庫) by 小西章子
エリザベスについてもメアリーについても、映画、ドラマ、TV番組、本などでずいぶんとりあげられているので、もうさほど新情報はないだろうし、読んだらbook off 行きかな~と思っていたのだけど、とんでもない!
2人について、これだけ詳しくかつ順序だてて説明されている本はなかなかないだろうと思った。
事実を淡々と述べているだけなのだけど、どこかに著者の愛情が感じられるし、女性としての視点も鮮やかに生かされている。
対照的ともいえる2人の性格や物事の決断の仕方は、生まれながらのものもあるが、育った環境の違いも大きい。
エリザベスは、不遇の少女時代を送るが、即位してからは、偉大な統治者として長く君臨する。優柔不断なところもあるが、慎重に最適解を選んでいった結果ともいえる。
一方、生まれた時からスコットランド女王として育てられ、かつフランス王妃としての地位も手に入れ10代で絶頂を迎えたメアリーは、その後波乱の人生を送る。3度の結婚、出産、投獄、脱出、幽閉、そして処刑。周りの人を引き付ける魅力を持ち合わせているが、本質を見抜けない危うさがあり、しかし、いったんことを決めると行動は早い。
前半は、エリザベスとメアリーの、生まれてから若き日の話が交互に述べられているが、どんどんメアリーの話が増えてくる。エリザベスの心情ももちろん語られているのだけど、メアリーの行動力には驚かされる部分が多く、政治的には有能ではなかったかもしれないが、まさに人々の記憶に残る女王といえるだろう。
わざわざ書くほどでもないことかも?だが、
*エリザベス=エリザベス1世であって、2022年に亡くなった2世ではない。
*メアリー=メアリー・スチュワートであって、イングランド女王となったメアリー(ブラディ・メアリーとして有名)ではない。
⑥『世界の都市の物語 ロンドン』 by 小池滋
目次
1 フォールスタッフと夜の散歩
2 ピープスとイーヴリンの家事見物
3 ジョナサン・ワイルド この世の最期の道行き
4 引越しにも飽きなかったジョンソン博士
5 モーツァルトが歩いたロンドン
6 ディケンズ少年の「ホーム」カミング
7 カール・マルクスの放浪
8 英国式鉄道殺人事件
9 イースト・エンドの恐怖(その1)
10 イースト・エンドの恐怖(その2)
11 長谷川如是閑のロンドン 1910年
有名人ゆかりの場所を旅していく、といっても学術的というより、他の本であまり書かれないようなこぼれ話。
そんな感じなので、その「有名人」を知らないとあまり面白くなく、楽しめたのは、5,6,7あたり。
特にマルクスが、全然お金を稼げず、エンゲルス君に援助してもらって生活して、挙句に隠し子まで代わりに認知してもらってた!なんていう話がひょぇ~と思った。
地図も載ってたりするけど、なんせ字が薄くて小さいので、途中でチェックするのはあきらめる。
これで、今年友人にもらった6冊完読♪