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ひきこもりの『自信』と『意欲(やる気)』を引き出すために親ができること

子どもの「ひきこもり」のことで悩みを持つ人のほとんどは、どうしたら「ひきこもり」をやめるのか、どうやったら子どもが変わるのかといったことを常に考えているのではないでしょうか。


「ひきこもり」になってしまった我が子が、自らの意思で「ひきこもり」から脱するには、『自信』と『意欲(やる気)』、この2つをいかに取り戻すか。


僕自身の経験から見ても、ここに全てがかかっていると言っても過言ではないと僕は思っています。


かなり当たり前のことを言っているように思うかもしれませんが、この『自信』と『意欲(やる気)』の2つをどうしたら取り戻すことができるのかがわからずにいる方が多いのではないでしょうか。


また、この2つを取り戻すものとして、職業訓練や就労支援などが考えられるかと思いますが、これらに参加することで、『自信』や『意欲(やる気)』を取り戻すことができるのではないかと、思っている方も多いのではないでしょうか。


確かに、何かスキルを身に付けたり、これまで出来ないと思っていたことが出来るようになることで『自信』につながることはあるかと思います。


ですが、「ひきこもり」の子どもが、職業訓練や就労支援の参加を決意するということは、その時点で、現状を変えようとする『意欲(やる気)』があるからこその行動なわけで、その『意欲(やる気)』が芽生えなければ、いつまで経っても、子どもは「ひきこもり」のまま、平行線を辿るだけになってしまいます。


現状を変えようとする行動というのは、『自信』や『意欲(やる気)』あってこそのものです。

そのため、親としてできることは、就労支援や職業訓練にどう誘導するか、どうしたら働けるようになるかを考えるよりも、もっと手前の、現状を変えようとするために、自らの意思で行動を起こすための、『自信』や『意欲(やる気)』をどうやって取り戻すかに意識を向けなければなりません。


そこで今回は、

「ひきこもり」になっている子どもの、『自信』と『意欲(やる気)』を引き出すために、親として出来ることをお伝えします。


今回お伝えする内容は、「どうすれば良いか」を実践するための戦略に必要な知識です。


僕がひきこもりから抜け出したのも、この工程あってのものですし、僕のクライアントも、この戦略に必要な知識を基に成果を上げています。


ですが、これを実践しても、一朝一夕で子どもの『自信』や『意欲』を取り戻せるものではありません。


そのため、もし、あなたが、手っ取り早く子どもを変えることの出来る魔法のような方法を求めているのであれば、これからお伝えする内容は、あなたの求めているものではないので、なんの参考にもならないかと思います。


ですが、もし、人間の行動原理や法則などの普遍的なものを基盤とした、ひきこもりになってしまった子どもを救い出すための知識をお求めであれば、この記事は、あなたのお役に立てるかもしれません。


それと、もう一つ大事なことをお伝えしておくと、今回お伝えする内容は、「ひきこもり」の『自信』と『意欲(やる気)』を引き出す上で、子どもへの声の掛け方のような、具体的な関わり方のようなものは書いておりません。

あくまでも、『自信』と『意欲(やる気)』を引き出すために必要な知識であることを留意していただいた上で、この先を読み進めていただければと思います。



それでは、本題に入っていきたいと思います。


「ひきこもり」になっている子どもに、あなたが、あれこれとやかく言わなくても、『自信』と『意欲(やる気)』を取り戻してもらうには、

子どもが無意識に求めている『感情の欲求』を満たしてやることです。


『感情の欲求』という言葉は聞き馴染みのない言葉かもしれませんが、『感情の欲求』というのは、僕もあなたも、誰しもが持っているものです。

そして、我々が普段、無意識にとっている行動のほとんどは、感情の欲求を満たすためとされています。

普段何気なくやっている行動と、感情の欲求がどのような関係があるかは、こちらの記事を参考にしてください。(こちらの記事を読んでおくだけでも、今回お伝えする内容の理解度も高まるかと思います)


感情の欲求による行動というのは、「〜したい」「〜を得たい」という欲求からくるものなので、「ひきこもり」が自らの意思で現状を変えようとするためには、「現状を変えたい」という強い欲求を芽生えさせる必要があります。


当時の僕自身もそうでしたが、「ひきこもり」になっている人のほとんどは、今のままでは良くないことや、現状をどうにかしたいという思いはあるかと思います。

ですが、頭ではどんなに現状を変えたいと思っていても、行動にまで至らないということは、無意識に行動を起こしたくなるものがないからです。

それが、『自信』であり、何かを始めようとする『意欲(やる気)』です。


『自信』や『意欲(やる気)』と、『感情の欲求』は、密接に関係しています。


小さな子どもの行動を思い返してみてください。

小さな子というのは、好奇心旺盛で、いろんなものに興味を示し、何にでもチャレンジしてたと思います。

そういった行動の中で、失敗することもあれば、うまくいくものをあたりと、そういった経験を積むことで成長していくものです。

小さな子のこういった行動は、「その子がこれから生きていく上で必要なこととしての行動」と、一般的には思われていると思います。

もちろんその通りではありますが、この行動を、『感情の欲求』という視点で見てみると、

小さな子が、なぜ、このように、好奇心旺盛で、いろんなことにチャレンジできるかというと、親という大きな存在の保護下にあるからです。

親という存在が、自分という存在を否定することなく、守ってくれる、愛してくれていることを無意識に感じ取っているからこそ、感情の欲求が満たされ、それが、『自信』となり、いろんなことにチャレンジが出来るんです。


と、言われても、いまいちピンとこない方もいると思います。


これをわかりやすく証明してくれているのが、『マズローの感情5段階欲求説』です。

マズローの欲求5段階説:アメリカの心理学者であるアブラハム・マズローが提唱した、人間の欲求が生じるメカニズムを階層化した理論。
「マズローの法則」、「自己実現論」と呼ばれることもある。


マズローの欲求5段階説によると、低い階層の欲求が満たされることにより、次の欲求階層のに移行するとされています。

それぞれの階層の欲求を簡単に言い表すと、

生理的欲求・・・食事や睡眠など、生存に必要な欲求。
安全欲求・・・病気や怪我、生活などの心身の安全を求める欲求。
社会的欲求・・・人とのつながりや関わりによって得られる感情欲求。「所属や愛の欲求」と呼ばれることもある。
承認欲求・・・他者からの承認や、自分の価値や必要性を求める欲求。
自己実現欲求・・・理想の自分になろうとする成長欲求。


先ほどの小さな子どもの例を、マズローの欲求5段階説に当てはめると、

親の保護下にあることで、衣食住には困ることなく、守られ、親の愛を一身に受け、自分という存在を否定されることがないことを無意識に感じ取れる状態というのは、

最下層の生理的欲求〜4階層目の承認欲求を満たす環境にあるからこそ、自己実現欲求による、成長欲求が芽生え、いろんなことにチャレンジ出来るという見方ができます。


では、「ひきこもり」に話を戻しましょう。

この『マズローの欲求5段階説』に、「ひきこもり」というものを当てはめると、

「ひきこもり」というのは、親の保護下にあり、衣食住には困ることなく、守られ、親の愛を受け、自分という存在を否定されることがない。先ほどの小さな子どもの状態と同じである。

と、思う方もいるのではないでしょうか。

そして、さらに言えば、小さい子どもの例のように、自己実現欲求による成長欲求が芽生え、何かしら新しいことにチャレンジしても良いはずでは?と、思う方もいるのではないでしょうか。


「ひきこもり」が生活をする環境というのは、一見このように見えてしまいますが、それは、あくまでも親から見た目線であり、「ひきこもり」の子どもが感じているものは違います。

ここの認識の違いが、現状がいつまでも変わらない要因でもあるのです。


僕は先ほど、小さな子どもの例を出す前に、

当時の僕自身もそうでしたが、「ひきこもり」になっている人のほとんどは、今のままでは良くないことや、現状をどうにかしたいという思いはあるかと思います。

ですが、頭ではどんなに現状を変えたいと思っていても、行動にまで至らないということは、無意識に行動を起こしたくなるものがないから。

だと、お伝えしました。

そもそも、親があれこれ言わなくても、本人の意思で今の状況を変えようとする、または、現状を変えたくなるには、5階層目の自己実現欲求を芽生えさせなければなりません。

『頭ではどんなに現状を変えたいと思っていても、行動にまで至らないということは、無意識に行動を起こしたくなるものがないということは、自己実現欲求が芽生えるまでの欲求が満たされていないことを意味します。


「ひきこもり」になるまで追い込まれた子のほとんどは、その子が生きる世界で『感情の欲求』が満たされずにきた中で、最も安全な、自分の部屋に逃げてもなお、『感情の欲求』が満たされずにいることがほとんどです。


当時の僕もそうでしたが、なぜ、親の保護下にあるにも関わらず、『感情の欲求』が満たされずにいるのしょうか。


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