「空の巣症候群」の過ごし方#6
次女 爪噛み癖に悩むの巻
次女は小さいころから爪を噛む癖があった。
親としては、欲求不満なんじゃないか、もっとかまってやらないといけないのでは?などと気にしていた。
看護師をしていた私の妹が「爪を噛むのは欲求不満とかじゃなくて、刺激を求めてるんだよ。心配ないよ。」と言って、爪噛み防止用の苦いマニキュアを送ったくれた。確かに次女は外で走り回って活動的だから、まだまだ暴れたいのかもしれない。なるほど。
早速塗ってみると、苦くなくなるまで舐めてから齧るという新手の技に出た。
何度も根気強く塗ってみたが、そのうち瓶を倒して‥流れて終わった。
よく観察して、その都度叱ってみても、隠れて齧るようになっただけ。
中学生になって、オシャレするようになると、さすがにカッコ悪くてやめるだろうと思ってみていたが、爪だけはどうにもならなかった。
本人曰く、見られそうになったら手を握ったり後ろで手を組んだりして隠せばいい‥。
透明なネイルチップをネットで購入して貼ってみたが、毎日剥がれてはポケットに入れて帰るだけ。齧って小さくなった爪は接着面が少ないから、接着剤も粘着テープも取れやすいのだ。
百均で買えるネイルシールや、自分でできるジェルネイル‥いろいろ試したが、ダメだった。
ガタガタで、指先にはときどき血が滲んでいる。痛々しくてしょうがない。
毎朝見ている「あさイチ」でも特集していて、大人になっても悩んでいる人も多いようだ。
本人も気になり始めてスマホで調べていたようで、「咬爪症(こうそうしょう)」という病気だということを知っていた。
勉強中は手にぷよぷよしたマスコットとか、何か感触の良いものを持つと良いとか試してみたけれど、改善の予感は微塵も感じなかった。
いよいよ心療内科にでもかかった方がいいのかと思ったが、やはり看護師の妹から「妙な薬を出されるだけだよ」と言われ、万事休す‥。
そんなとき、長女からネイルサロンに行ってきたという報告を受けた。長女には爪噛み癖はないが、やはり妹を気にしていたのだろう、ネイルサロンには大人の爪噛み症の常連さんが少なからず存在するという‼️
救世主はネイルサロン🌟
高校3年生の夏、姉の口コミにて藁をも掴む思いで、家から車で30分くらいのネイルサロン(普通のお宅だった)を訪れた。
ネイルアーティストの美しく可愛らしいお姉さん(あとで2人の小学生の男の子のお母さんであることが判明)がいて、悩みを聞いてくれた。そして、ガタガタの爪にヤスリをかけ、少し長さを足してから、うっすらピンク色に仕上げてくれた。
キレイに仕上がった爪を噛むのは忍びない。そして、噛もうとしてもジェルネイルは硬くて齧れない。
おかげで自爪は伸び始めた。
1ヶ月もすると、自爪の根元が伸びてくるのでまたネイルサロンに行かなくてはならない。面倒なので、終わったらその都度来月の予約をするようになった。メンテナンスに毎回3000円から5000円ほどかかるが、結局これが一番の解決策だった。
早く来ればよかったと、親子共々痛感している。
ジェルネイルもときどき取れるので、取れたところからまた爪噛みが始まる。
「伸びましたね〜」と褒めてもらえるが、油断は禁物。
大学生になった今は、自由にキラキラやらマグネットやら、推しのライブのときはカラーを指定したりして楽しんでいる。
運転免許を取ったので、1人で勝手に行くときもあるが、やはりここは空の巣症候群の母として、たまに同行を希望する❗️
店内(普通のお宅の一室)のテレビからミュージックビデオが流れるのをぼーっと見ている。
通い始めたころは、まだコロナ禍だったので、途中ズレたマスクを直すのは母の役目であった。
今回は大学の留学生との交流の話なんかをして、中学生になったお姉さんの子どもの話も聞きながら、楽しく施術してもらう。
レポートが立て込んできてストレスが溜まると、また爪噛み癖が出てきてネイルが齧れないところは爪の周りの皮膚を齧る。そしてネイルが一ヶ所か二ヶ所取れる。
このサロンは人気があってなかなか予約が取れないので、忘れずに次回を予約。
大学の近くにもたくさんネイルサロンあるだろうに、爪噛み防止なんて恥ずかしくて他店には行けないのだそう。
こうしてネイルサロンのための帰省は月一回続いている。
ありがとうネイルサロン❤️
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