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いま推し映画

その前評判から、ダーダー泣いて、ゲラゲラ笑う映画かと思っていた。んなわけあるかい、と、あまり勝手に期待しないようにして、でもうねり迫ってくる熱波(評判)に、見逃せぬ!と、劇場で観てきた。
そしたら、それは、ポロポロ泣いて、あはっ!と笑う、涙と笑いに満ちた映画だった。

なんだか、涙が出てしまうのである。なんでもないシーンのはずなのに、泣けてしまい困った。私だけかもしれないが。
で、しめっぽくならないおかしみが溢れていて、泣きながら笑って、また泣いてしまうのである。

侍タイムスリッパーを観た。(先週)

ネタバレしないように書くというのは、難しいものだ。

わたしは家族が主にCSで時代劇を見ているため、自然と時代劇を見ている。長崎犯科帳なんか好きだった。地上波の時代劇は、大河ドラマとかやっていても、見ていなかった。

山口馬木也さんは、ご存知、剣客商売で大治郎を演じていて、まことに失礼ながら、他ではあまり見かけない役者さんだよなあとか思っていた。(許されよ)

それが、御芝居を続けていて、もういい歳をしていて、主役を演じている、というのにも、とても胸が熱くなった。

そして、その人が、本気なのである。

というより、本当の御侍さんを見ているような気がしていた。

消えゆく時代劇の火を見ているような気がしてならなかった。ロウソクの火が消える前に、ひときわ大きく美しく燃えるというアレだ。

最後の殺陣は、(あー、ネタバレしないように書くのは難しい 2回目)ぜひ見てほしい。

それからそれから、風見先生の、高坂殿への眼差しがなんとも言えず良かった!

心配無用ノ介さんも、良いのよ。たぶん、外せない。なかったら、味気ないものになっちゃうだろう。

時代劇そのものが、あんた、時代に取り残されてるよ、と言いたくなるんだけど、そんな声を知ってか知らずか、その世界で生きているひとたちはまだいるんだ。もう役者が居ないんだよ、と、思っていたけど、知らないだけだったのかも。

一言で言ってしまえば、娯楽映画だろう。しかし、骨組みはどうしてどうして最高だ。綿密に練られた脚本しかり、カメラワークしかり、演者しかり。ワンチームで撮ったんだろう。


上映1館でのとき、推してくれた多くの映画ファンの人達に感謝する。
全国に広がって、もっと多くの方に観てもらいたい。皆んなが笑って皆んなが泣いて、皆んなが息をのんでた。(と思う)
こんなに、観るひとも巻き込んだ一体感のある映画体験もそうそうないと思われる。


ぜひ!!!

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