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仕事とモチベーションについて考える。

仕事とモチベーションの関係性

あなたにとって、仕事のモチベーションはなんですか?

・職場はお金を稼ぐためだけの場所なので、給料やボーナスなどのお金がすべて。
・やりたい仕事をやれることが、自分の生きがいだし、仕事をすること自体が楽しみだ。
・偉くなって、人の上に立つために日々一生懸命頑張っている。

 仕事におけるモチベーションは人によって様々でしょう。
 これについて有名な研究があります。それが、フレデリック・ハーズバーグ(1923ー2000)による、モチベーションの二要因理論と呼ばれるものです。

『ハーズバーグのニ要因理論』
筆者作成

 給料や労働時間は、適正にあるのが当たり前のものであって、これらが無いとモチベーション低下につながるものです。

 一方、昇進や仕事の中での成長は、絶対必要とはされていものではあるが、あるとモチベーション向上につながるものです。

 モチベーションを下げることをせず、モチベーションを上げることをしてくれるのが、正しい組織です。
 あなたの会社は、社員に対して、どのような要因を提供していますか?


人事の3原則

 パーソル総合研究所の調査によると、男女と年代でばらつきがありますが、将来、管理職になりたいという人は、おおよそ3割程度となっています。

『20代社員の就業意識変化に着目した分析-管理職意向』
パーソル総合研究所HPから引用

 昇進・昇格し、管理職になりたい理由は、様々だと思いますが、いずれにしても、3割の社員にとって、昇進・昇格はモチベーションアップの要因となっているわけです。

 では、スキルや能力が高く、頑張って結果も出しているのに、ずっと昇進できない場合社員がいたら、その社員はどう思うでしょうか。
 もし、昇進できない理由が、部署の力関係や、派閥の力学、年齢が若いなどの理由だとしたら、それで納得できるでしょうか。

 会社は、社員のモチベーションを高め、頑張ってもらうことで利益をあげることを目標としていますが、これでは、きっと優秀な社員を失ってしまうでしょう。

以下は、人事の3原則とされています。

  1. 透明性:基準が明らかになっている。

  2. 公平性:公正・公平に行われる。

  3. 納得性:みなが納得するものである。

 あなたの会社の昇進・昇格の制度や仕組みは、この3原則に当てはまって実施されているでしょうか?


経営はバックキャスティング

 引き続き、昇進・昇格を例にしましょう。
 中には、昇進・昇格のために、試験をやっているところもあります。確かに、試験をやって決定するのは、透明性も公平性も納得性もあって良いように思えます。

 サッカーを例にして考えてみましょう。
 もちろんレギュラーメンバーは、試合や練習で結果を出している選手から選ばれますよね。
 サッカーは下手だが、野球が上手いという理由では選ばれないですよね。

 これは極端な例かもしれませんが、往々にして気づかないうちに、これを行ってしまっている会社もあるかもしれません。

『人事の考え方』
筆者作成

 「なんのためにその試験を行っているのか」、「その試験で、昇進・昇格させるべき要件を測れているのか」を改めて考えてみましょう。

 英語が一切必要ない会社なのに、TOEICの点数で決めていたら、社員は納得するでしょうか?
 論文を書かせるのであれば、その論文で何を測っているか、社員に伝わっているでしょうか?

 このような人物が昇進・昇格すべきだというゴールが先にあって、そのために、このような評価基準を設け、このような試験をするのだというのが正しい在り方です。

 つまり、試験をやることは、一見良さそうに見えますが、形だけやることには何の意味もありません。
 むしろ、何故その試験をやっているのか、それで何を測っているのかということの説明がされない場合、社員の不信感を招くだけです。
 
 採用も同様です。
 採りたい人材像というのが先にあり、それを測るために面接や試験を行っているのです。
 いい大学を出ているか、資格をもっているかというのは重要ですが、それが、入社後に必要となるかどうかというのはまた別の話なのです。

 このゴール(目的)をしっかり設定したうえでの、バックキャスティング(逆算)した戦略を考えるということが、人事には重要なのです。

 これは、会社経営全般に言えることです。
 ビジネスは何か先にゴールがあるものであって、そこを目指して戦略を立てるのです。
 
 迷ったら、ミッション・ビジョン・バリューや、経営理念・経営理念に立ち返って判断するべきであると言われるのは、そういう意味合いがあるのです。

【企業における3つの柱】 

 ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
 少しでも皆様のお役に立ち、新たな気づきや思うことがあると幸いです。  
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