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「納得すること」を積極的にやめてみたら、仕事のパフォーマンスが上るようになった話
自己紹介
こんにちは。
株式会社エイチームコマーステックの望月と申します。
株式会社エイチームコマーステックは、名古屋に本社がある株式会社エイチームのグループ会社で、私は代表を務めています。
私は社会人経験20年以上となかなかのベテランになってきましたが、3年前に設立されたばかりの若い会社で経営デビューし、日々奮闘中です。
納得いかないこと
会社で働いていると、決定事項に「納得いかない」と感じることがあります。
例えば、上司から簡単には達成できそうもない数字目標を指示されたり、思い入れのある事業の撤退や譲渡が決まったり、やっと馴染んできた組織が大きく変わったりと。
「頭ではわかるんだけど、どうも気持ちがついていかない」
こんなことは、社会人なら誰にでも起こることでしょうし、特別なことではありません。
ただ、中には納得いかない感情が次第に大きくなり、仕事への集中力やパフォーマンスの低下につながってしまうケースもあると思います(私はありました)。
私はこれまで3社で働いてきましたが、どの会社でもこのような経験はありました。
今回は、その経験から「納得いかないと感じてしまう自分自身が変われば、仕事はもっとうまくいく」という私の考えについて経験を踏まえて書きます。
ポイントは、「相手に変化を求めるのではなく、変わるべきは自分」という点です。(世の中のたくさんの本や記事でよく言われている理屈です)
理解と納得
「納得」という言葉の意味を正しくとらえるために、似たような「理解」とどう違うのかPerplexityに聞いてみました。
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すると、「理解」は感情を抜きして事実を受け入れること、「納得」は自分自身の感情や価値観で意見を受け入れること、という回答でした。
なるほど、確かに納得できないと感情が揺さぶられることがありますが、それは自分の感情や価値観にそぐわないからなんだと改めて理解しました。
全員が納得することの難しさ
会社(=発信者)は、「理解」と「納得」のどちらにゴールを置いているのか考えてみます。
その答えは明確で、会社が私たちに決定事項を伝える際のゴールは基本的に「理解」です。
会社には多くの人が在籍していて、それぞれが持っている感情も、数十年もかけて積み上げてきた価値観も全く異なります。
感情も価値観も人によって異なるということは、納得できるポイントにも個人差があるということになるため、全員に「納得」してもらうというゴール設定自体が非常に難しいのです。
例えば、会社から事業の撤退を説明された場合、納得できない人の中には「伝え方に納得がいかない」という人もいれば、「撤退という結論に納得いかない」という人もいます。
伝え方が気に入らないというケースなら、配慮の余地はあるかもしれませんが、撤退という結論に納得できないとなると、会社としてやれることはありません。
なぜなら、その人が納得するには、「撤退しない」という結論が必要になってしまうからです。
「社員の中に納得できない人がいるから事業の撤退は中止します」という会社がもしあるとしたら、その会社はなにも大きな決断ができなくなってしまいます。
会社には問題を解決するために適切な意思決定が必要で、私たち一人ひとりの納得地点が異なる以上、全員が理解できる結論は出せても、納得する結論を出すことは難しのです。
理解を重視した結果
それに気づいてから、「頭でわかること(=理解)」を重視するように心がけてきました。
納得を求めていたそれまでの私は、「なにをやるのか(結論)」ばかりに目がいってしまい、その結論を自分が受け入れられるかどうかを無意識に判断していました。
一方で、理解を重視するようになると、「なぜやるのか(理由)」を見るようになりました。
同時に、理由とズレていない限り、なにをやるのかに感情が揺さぶられなくなったのです。
さきほど例にあげた事業の撤退が、「大きな赤字が続いているから」という理由だったとします。
思い入れのある事業なので、撤退するという結論に着目すると納得しにくいのですが、赤字が続いているという理由に目を向けると、解決策に選択の余地はあまりなく、事業を撤退することは正しい(仕方ない)と理解できるはずです。
自分が好むかどうかではなく、理にかなっているかどうかで考えるようになって、感情の揺れが少なくなり、思考や行動のブレーキがかかることなく安定したパフォーマンスが出せるようになりました。
最後に
「会社の決定に納得する必要はない」とは言いません。
個人のパフォーマンスと納得度は相関していると思いますし、仕事をする上で重要な要素だとも思います。
一方で、会社が行うすべての決定は、社員個人の感情や価値観に配慮してくれる構造になっていない、ということへの理解も必要です。
構造上の問題であれば、自分にとって好ましい結果を得ることは難しく、そこにエネルギーを使うこと自体がもったいないと思うのです。
それが、冒頭で紹介した「相手に変化を求めるのではなく、変わるべきは自分」ということにもつながります。
「納得」ではなく「理解」に切り替えるということは、「変えられる」ことに自身のリソースを集中させ、その結果としてパフォーマンスが上がるため、おすすめしたい考え方です。