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「マネジメントって要するになに?」が最近ようやく説明できるようになったという話


はじめに

こんにちは。
株式会社エイチームコマーステックの望月と申します。

名古屋に本社がある株式会社エイチームの100%子会社として、3年前に設立されたとても若い会社で経営デビューし、代表を務めています。

そんな経営者として未熟な私が、日々成長するために様々なインプットや思考を繰り返す中で、気づいたことや分かったことなどを発信するnoteを毎月書いています。

どんなことを伝える記事か

マネジメントに悩むビジネスパーソンは多いと思います。

私自身も、答えにたどり着いているわけではありませんが、少なくとも20年近く複数の業界でマネジメントを経験する中で、過去に読んだドラッカーをはじめとした書籍の内容を、最近ようやく腹落ちしてきた気がします。

この記事は、まだまだ正解ではないものの、現段階でマネジメントに対する私の解釈を言語化したものです。

マネジメントとはなにか、なにを頑張ることなのかに悩むビジネスパーソンに、少しでもヒントとなれば幸いです。

マネジメントの本質

マネジメントとはなにかを簡単に説明するなら、「限られた資源を用いて最大限の成果を出すこと」です。

そして、組織における資源(ヒト・モノ・カネ)は常に限られています。

これは、多くの人から実際に聞く話であり、私自身も思い当たるのですが、「もっと人員を割かないと」とか「もっと広告をかけないと」など、マネージャーは資源の不足という壁に常にぶつかっています。

ともすると、いかに足らない資源を調達するのかがマネージャーの役割のように思えてしまいますが、本質は違います。

多くの企業では、KGIとして利益を追っているはずなので、成果として求められるのも利益です。
そして、利益 = 売上 - 費用 なので、冒頭の説明に置き換えると、「限られた費用を用いて最大限の利益を出すこと」と言い換えることができます。

つまり、効果的なマネジメントとは、「最も成果が大きく・出やすいところに、最も生産性や効率の高い資源を配分する」です。

マネージャーの役割とは会社、チーム、個人それぞれの資源を最大限活用した場合のパフォーマンスとその限界を理解し、それを最大限の成果に結びつけることだと私は解釈しています。

資源の効率的な配分

では、最も生産性や効率の高い資源を配分するとはどういうことかについて説明します。

私は過去、人員が足らないことを上司に相談した際に、「それをなんとかするのがお前の仕事だ」と突き返された苦い経験があります。

この上司の思惑は今でも正しく理解できていませんが、この考え方自体には賛同できます。

人員が足らない場合にマネージャーが考えるべきことは主に3点あります。

  1. 採用して人を増やす

  2. 今いる人員を育成して業務効率を上げる

  3. 業務を見直して減らす

このうち、私がおすすめするのはまず最初に「3. 業務を見直して減らす」をやることです。

パレートの法則をご存知でしょうか。

「成果の8割は2割の◯◯がつくっている」という、いわゆるニッパチの法則ですが、これは業務全体にも当てはまります。

2割の業務で8割の成果を上げているというのは少し極端かもしれませんが、少なくとも「成果に対する貢献度が低い業務や費用は存在している」のは間違いありません。
もしあなたの会社やチームがこの前提で定期的な業務の見直しを行っていない場合、貢献度がゼロの業務や費用が存在している可能性は十分にあると思います。

あの日の上司から「なんとかしろ」と言われたことの正解は、限られた資源を増やすことではなく、今ある資源が最大限に生きる業務構成を考えることで、効率的な資源配分を実現することだったのかもしれません。

余談ですが、「採用」「育成」「業務の見直し」で、最も成果が出やすいものという観点でも「業務の見直し」がおすすめです。

今の時代、採用しようとしても「いつ採用できるか」「費用がいくらかかるのか」はほぼコントロールできません。
同じく育成についても、内容が高度なものほど「いつ習得できるか」「育成の手間や時間はどれほどかかるのか」が見通せません。

費用も手間も時間も全て資源であり、それを成果に変えようとするなら、よりコントロール可能なもののほうが良いのではないかということです。

人材採用の考え方

では、リファラル採用やアルムナイ採用など、採用時期や手間などがコントロールできるなら優先して扱えばいいかというとそうでもありません。

ゴーイング・コンサーンを前提とする企業において、マネジメントは単発ではなく継続的な成果を求められます。

そのため、生産性や効率の高い資源配分も、今取り組んでいるプロジェクト単体の最適化を考えるのではなく、その先に控えているものにも対応できるように配慮する必要があります。

例えば、現状の人員不足に対して高い専門性をもった人材が応募してくれたとします。

仮にその専門性が今のプロジェクトにとって最適であったとしても、他のプロジェクトにフィットしないのであれば、継続性の観点では慎重になるべきです。

高い生産性や効率を実現する基本的な考え方は、「人に仕事を振るのではなく、仕事に見合った人を割り当てる」です。

もし、特定のチームやプロジェクトでしか活躍できない人材を採用してしまった場合、最も高い成果を上げる仕事に見合った能力の人材を割り当てるのではなく、その人材が浮いてしまわないように仕事をつくることになってしまいます。

これでは、冒頭に説明したマネジメントの本質から大きくそれてしまいます。

組織の規模や専門性が、今だけでなくこれから自社や自チームが取り組むプロジェクトにとって最も高い成果を生み続けられる状態なのか、マネージャーは常に考え続けることが求められています。

組織のマネジメント

世の中にはマネジメントに関する書籍が溢れかえっています。
Amazonで「マネジメント 書籍」で検索すると、検索結果には6万件以上がヒットします。

私もマネジメントについての書籍は数十冊読んできましたが、その多くには人的な資源をいかに充実させるかが書いてありました。

過去にそういった本を読み続けた結果、私はいつの間にかマネジメントを間違って認識した時期がありました。
当時の私が考えていたマネジメントは以下のとおりです。

  • メンバーを鼓舞し、モチベーションを保つこと

  • メンバーを育成し、業務能力を上げること

  • メンバーの退職を防ぐこと

  • 退職が出てしまった場合は、同水準の人材を採用すること

誤解のないように補足すると、これらが必要ないといいたいわけではありません。
ただ、これらは全て手段の一つであって、本質的な目的ではないということです。

例えば、私が営業チームのマネジメントを担当しているとして、10人のメンバーとともに1億円の売上目標を追いかけているとします。

この場合、私が持っている資源はメンバー10人という見方もできますが、10人分の人件費という捉え方もできます。

仮に平均給与が50万円/月だった場合、500万円の資源で1億円の売上を作ろうとしているわけです。

この500万円の資源で最大の成果を上げるためになにをするか考えた際に、他の選択肢と比較して最も効果的なのが育成やチームの士気であると判断できた場合にのみ、それを実践する必要が生まれます。

また、退職者が発生したとして、すぐに欠員補充に動くのではなく、10人が9人に減ったことで影響する業務や配分の変更が可能な領域がどの程度あるか、500万円から450万円に資源が減少することで成果がどちらにどの程度影響するのか、「限られた資源を用いて最大限の成果を出すこと」に近づけるために現状を分析し、正しい選択肢を探すのが本質です。

こういう表現をすると、メンバーを人として見ていないのかといった感想を持たれる方もいらっしゃると思いますが、ここで伝えたいのは「マクロの視点を持つことも大切」ということです。

チームのメンバーのことを大切に思い、大切に扱うことは、マネージャーとして大前提の心がけです。
ただ、私が過去そうであったように、それをマネジメントの目的としてしまうと、マネージャーとしての責任を果たせない可能性が生まれてしまうということです。

最後に

今回の記事では、大枠の考え方について淡々と書きましたが、簡単ではないことは理解しています。

例えば、「業務の見直し」と簡単に書いていますが、実際にやろうとすると、メンバー全員の理解が必要だったり、業務の把握・計測や振り返りの習慣が必要だったりと、なかなかハードルは高いものだと思います。

一朝一夕にできることではありませんが、その第一歩に必要なのはマネジメントに携わる人の意識が変わり、経営目線を持つことです。

私や私たちの会社がそれを実践できているか問われると、まだまだのレベルだと思いますし、今も多くの課題に直面し続けています。

未熟ながら取組は続けていきますので、私たちが実践の中で新たな気づきを得たら、また言語化し、記事にしたいと思います。

長文にお付き合いいただき、ありがとうございました。

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