誰かの感情を揺さぶる文章を書きたい
大学生の時授業でカウンセリングの科目を取っていた。実際にカウンセラーとして働いていた方が講師で、授業の内容は全然覚えてないんだけど、講師が実際に対応した患者さんの話はよく覚えている。
「冷たいことを言うようだけど、優しい人はカウンセラーにはなれません。何が起きても冷静に受け止められる人がカウンセラーに向いています。」
頑張って治療して回復の兆しが見えてきた直後に、自分で命を絶ってしまう人はいる。それで自分を責めて落ち込んでしまうような人だと、カウンセラー自身が病気になってしまうから。
この話は私にとって結構衝撃的で、カウンセラーなのに冷たい人だなと思ったんだけど、今考えてみたら実際そうだよなーと思う。患者さんひとりひとりに向き合うことはもちろん大事だけど、それにずっと心を引っ張られているままでは、自分まで病んでしまうのは当たり前だよなと思った。
何でそんなことを今思い出したのかと言うと、文章も同じで客観的事実だけを淡々と述べるより、人の感情をゆさぶる文章を書くことで、たくさんの人に読まれるし、書いている人の情報をもっと知りたい!と思うようになる。
「人の感情をゆさぶる文章」を書くには自分自身がいろんな経験をして、自分自身の感情を揺さぶられないといけないなーと思ったから。
基本的な文章術やノウハウはもちろん大切だけど、例え文章が上手くなくても面白くて刺激のある経験をした人が書くものは面白いと思う。
本やネットで他人の経験ばっかり集めていては本当の意味での情報収集にはならない。外に出て、自分の足で歩いて、自分の肌で感じることがめちゃくちゃ大切だなと思った。
私がカウンセリングや心理学を学びたいと思ったのは、すぐに落ち込んで人と比べるネガティブな自分の心のしくみを知りたかったから。
「何で私はこんなにネガティブなんだろう。どうやったらポジティブになれるんだろう」
自分の心のことなのに自分が分からなくてとても不思議だった。
なので私のようにネガティブで悩んでいる人を救いたい!という気持ちから、臨床心理士やカウンセラーになりたいと思っていた時期もあった。
それで実際の臨床心理士やカウンセラーの話を聞いてみたんだけど、私にはできない職業だとすぐに諦めてしまった。
私が心理学やカウンセリングを学びたかった一番の目的は「自分の心のしくみを知りたい」だったからで、自分の心を犠牲にしてまで他人を救うのは割りに合わないと思ってしまったからだ。絶対に私は病んでしまうから。(笑)
「なぜこの職業に就きたいのか」
これを突き詰めて考えられる人は、自分の本当にやりたい職業に就けるのだと思う。
私自身突き詰めて考えた結果、カウンセラーにはなれないけど、文章で人の心を救うライターになりたい。
今は書くことも経験も少なすぎて人に伝えられるような文章は書けないけど、生涯をかけて、文章を書く人になりたいと思っている。