最近読んだ本の話 vol.101
「最近読んだ本の話」の第101弾です。だんだん気温も高くなって暑くなってきましたが、紫陽花が咲き始めました。これから楽しみです。今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、又吉 直樹『月と散文』
又吉さんが書かれた散文がたくさん収録されています。読んでいると自分も小学生の頃とか中高生の頃のできごとや感じていたこと、家族や友人とのやり取りを懐かしく思い出します。又吉さんが考えていることを読んで、そういう風に考える人もいるんだな、と思ったり、自分もそう考えるなあ、と思ったり、脱線していろいろ考え始める時間が楽しいです。人に対して発する言葉をもっと気をつけなければ!と思ったりもして、この本を読めてよかったです。
2、ロビン・スティーブンス、シヴォーン・ダウド『グッゲンハイムの謎』
前作『ロンドン・アイの謎』の続編ですが、著者が亡くなり、ロビン・スティーブンスさんが依頼を受けて、著者のアイディアを基にこの続編を執筆されました。主要な登場人物は前作『ロンドン・アイの謎』と同じです。
主人公のテッドは、母と姉のカットと一緒にグロリアおばさんといとこのサリムが住むニューヨークを訪れます。おばさんはグッゲンハイム美術館の主任学芸員で、休館日に特別に入館させてくれたのですが、見学している最中に何かが燃えているようなにおいと煙が出てきて、館内にいた人は全員外に避難します。その間にカンディンスキーの絵が何者かに盗まれてしまい、グロリアおばさんのクレジットカードから運送業者の手配や発煙筒の購入が行われていて、おばさんが犯人だと疑われて逮捕されてしまいます。おばさんの無実を証明しようと、テッドとカットとサリムは奮闘しますが…。今回も面白そう!テッドたち3人は、煙が出た時に館内にいた人をリストアップして仮説を立て、会いに行って話を聞き犯人を絞り込んでいきます。今回もテッドが大活躍でした。まさか絵がそんなところにあるとは!
3、マーニー・ジョレンビー『こんばんは、太陽の塔』
アメリカのミネソタ州から日本の大阪にやってきたカティアが主人公です。カティアは陶芸家の弟子だったのに何かの事情で続けられなくなり、女子校の英語講師の仕事を引き受けて大阪に来たのですが、万博公園がある駅の近くに住むことになり、毎日「太陽の塔」と顔を合わせることになります。教えることをまったくしたことがなくて学校の授業がうまくいかなかったり、陶芸家の師匠との間に何があったのか深く落ち込んでいて、カティアに何があったんだろう?これからどうなるんだろう?と気になってぐいぐい読みました。カティアが日本で楽しく過ごせたらいいなあ、と思っていたら、最後の方で日本で知り合った人たちと楽しそうな感じになって、よかった!と思いました。
あっという間に5月ももう終わりです。来週には梅雨入りするのかしないのか、まだもうちょっと晴れていてほしいけど。最後までお読みくださってありがとうございました。