最近読んだ本の話 vol.108
「最近読んだ本の話」の第108弾です。毎日暑くて耐えられないですが、やっと8月になりました。最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、河野 裕『愛されてんだと自覚しな』
以前河野さんの作品を読んだ時に、なかなか書けないような作品を書かれる作家さんだと驚いたことを覚えていたので、この作品も期待して読みました。
主人公の岡田杏は、神戸のカレー屋さんでバイトをする24歳の女性ですが、千年生きているという。どういうこと⁉と思わず前のめりになって、読み進みました。私には到底思い付かない発想だ!
杏には千年の間巡り合っては別れている相手がいて、女性の方はその相手と出会うと前世までの記憶を失い、男性の方は相手に出会うと前世までの記憶をすべて思い出すという呪いがかけられています。今世ではどの登場人物が杏の運命の相手なのか?杏たち2人に呪いをかけた神様まで登場する壮大な物語です。面白かった!
2、柚木 麻子『名作なんか、こわくない』
柚木さんが書かれた読書エッセイなんて絶対面白いに決まってる!と期待して読みましたが、期待通り面白くて、未読の作品は全部読みたくなってしまいました。読んだことのある作品は、柚木さんがどんな感想を持たれたのか気になって、自分が読んだ時に感じたことを思い出しながら読みました。 柚木さんは膨大な量の本を読みこんでらっしゃるから、あの物語と似た形式とか比較できる作品の幅が広い!と感心してばかりでしたが、柚木さんの魅力ある紹介で気になる本がまた増えて、読む楽しみが増えました。
3、千葉 雅也『現代思想入門』
出版されたら読みたいと思っていたのに、出版されていることに気づかず、最近気づいて読みました。目次だけでもワクワクする内容ですが、私は哲学を専門的に学んだことはなく、これまでに2、3冊入門書みたいな本を読んだことがあったなあ、というぐらいの感じです。その時の印象は、ものすごく遠くにある難しいことだと思っていたけど、考えていることの延長線上にあるような身近なことだったんだ!でした。さあこの本を読んで知らなかったことを知ることができるぞ!とワクワクしながら読みました。
とても丁寧な解説で、ほとんどわからないことだらけの私にも理解できました。本当に理解できているのかはわからないですが…。何かを選択する時に二項対立で考えることは多いですが、二項対立で考えずそれ以外のことも考えよう、というのが脱構築で、脱構築の考え方を提唱した人がデリダとドゥルーズとフーコーだ、ということです。←最初の導入部分です。勉強になったなあ。もう1回読み返した方が絶対よさそうだけど。
暑くて何もできないため、全員夏休みにした方がいいと思います。夏休みいいなあ!大人も夏休みほしい!最後までお読みくださってありがとうございました。