最近読んだ本の話 vol.124
「最近読んだ本の話」の第124弾です。もう2月です。いつもより寒くないような…これから寒くなるんだろうか?今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。
1、伊与原 新『宙わたる教室』
東京の新宿にある定時制の都立高校を舞台にしたお話です。いろんな事情があって定時制の高校に通っている生徒たちが、理科と数学を教える教師の藤竹と「科学部」を作ります。「火星のクレーター」を再現する実験を始めた岳人、アンジェラ、佳純の3人の科学部員に、70代の長嶺が加わり3メートルもの高さの実験装置を作ります。いい話だった!こんなことが実際に起こったらいいなあと思っていたのですが、あとがきを読んで大阪にある定時制の高校がモデルになっていると知って驚きました。実際に起こってたんだ!高校生が発表する学会、見に行ってみたいと思いました。たぶん全然内容は理解できないだろうけど。
2、増山 実『百年の藍』
鶴来恭蔵が東京の浅草にやって来たところから物語は始まります。竹久夢二に会いたくて岡山から来たのですが、3日間歩き回っても会うことができず途方に暮れて凌雲閣に登ろうとして車夫の政次に会い、政次のアドバイスで竹久夢二に奇跡的に会うことができ、一緒に仕事をすることになって翌日訪ねる約束をしたのですが、関東大震災に遭遇してしまいます。
親を亡くした娘りょうと政次と避難生活をしていましたが、りょうと岡山の実家の児島に戻るという時に、政次からアメリカの救援物資にあったズボンを受け取ります。生まれつき色覚に異常があった恭蔵は青色が好きで、ズボンの藍色に魅せられ、国産ジーンズを作りたいと考えるようになり、岡山に帰ってからも染屋や織屋を訪ねて糸の染め方を知ろうとしますがうまくいかないまま、日本は太平洋戦争に突入し、とうとう恭蔵も出征することになります。
りょうが戦時中も戦後も鶴来家を引っ張って、子どもたちや孫の時代まで物語は続いていきます。国産のジーンズも生まれます。りょうは60歳の時に家を出て神戸に引っ越して、ギャラリーのお手伝いから始まって新たにギャラリーを始めたり、すごい行動力とパワーのある人です。人と人との縁によって紡がれた100年間の物語、読みごたえがありました。読めてよかったです。
3、凪良 ゆう『星を編む』
『汝、星のごとく』の続編だそうです。「春に翔ぶ」では北原先生が関東で高校の先生をしていた頃の物語が描かれています。すごい先生です。ここまでのことをしてしまうなんて!「星を編む」では編集者の2人のことが描かれています。「波を渡る」は北原先生と暁海のそれぞれの想いが時間を追って綴られています。こんな夫婦はいいなあ。穏やかで楽しそうでお互いのことを大切に思っている感じが。
続編だと知らずに読んでしまいましたが、『汝、星のごとく』を読んでいなくても困ることなく読めます。だけど櫂と暁海の高校時代から20代の頃の話などは詳しく書かれていないので、一体何があってどうなって北原先生と暁海は結婚したんだろう?とめっちゃ気になって、後日『汝、星のごとく』を読まずにはいられません。絶対読もう!
最近一日中眠いです。本を読んだら眠気が吹き飛ぶかもしれないので今日はしっかり読もうか。最後までお読みくださってありがとうございました。