見出し画像

最近読んだ本の話 vol.124

 「最近読んだ本の話」の第124弾です。もう2月です。いつもより寒くないような…これから寒くなるんだろうか?今週は最近読んだ本を3冊ご紹介します。

1、伊与原 新『宙わたる教室』

東京・新宿にある都立高校の定時制。
そこにはさまざまな事情を抱えた生徒たちが通っていた。
負のスパイラルから抜け出せない21歳の岳人。
子ども時代に学校に通えなかったアンジェラ。
起立性調節障害で不登校になり、定時制に進学した佳純。
中学を出てすぐ東京で集団就職した70代の長嶺。
「もう一度学校に通いたい」という思いのもとに集った生徒たちは、
理科教師の藤竹を顧問として科学部を結成し、
学会で発表することを目標に、
「火星のクレーター」を再現する実験を始める――。

Amazonより引用

 東京の新宿にある定時制の都立高校を舞台にしたお話です。いろんな事情があって定時制の高校に通っている生徒たちが、理科と数学を教える教師の藤竹と「科学部」を作ります。「火星のクレーター」を再現する実験を始めた岳人、アンジェラ、佳純の3人の科学部員に、70代の長嶺が加わり3メートルもの高さの実験装置を作ります。いい話だった!こんなことが実際に起こったらいいなあと思っていたのですが、あとがきを読んで大阪にある定時制の高校がモデルになっていると知って驚きました。実際に起こってたんだ!高校生が発表する学会、見に行ってみたいと思いました。たぶん全然内容は理解できないだろうけど。

 

2、増山 実『百年の藍』

鶴来恭蔵は、故郷の岡山県児島から浅草に来ていた。車夫の政次のアドバイスにより、憧れの竹久夢二に奇跡的に会うことができた。しかし翌日の大正十二年九月一日、関東大震災に遭遇。親を亡くした娘りょう、政次とでしばらく避難生活をしていた。りょうと児島に戻るという時に、政次からアメリカの救援物資にあったズボンを受け取る。生まれつき色覚に異常があった恭蔵だがズボンの藍色に魅せられ、国産ジーンズを作りたいと考えるようになる。
時代は進み、日本は太平洋戦争に突入し、鶴来家もその大きな波に巻き込まれた。
戦後、世の中が激動する中で鶴来の会社を支えたのは、りょうだった。そして、彼女も日本でジーンズを作るという恭蔵の夢を忘れてはいなかった。ある日、鶴来の家をひとりの男が訪ねてきた。恭蔵の思いは、途切れることなく繋がっていた――。

Amazonより引用

 鶴来恭蔵が東京の浅草にやって来たところから物語は始まります。竹久夢二に会いたくて岡山から来たのですが、3日間歩き回っても会うことができず途方に暮れて凌雲閣に登ろうとして車夫の政次に会い、政次のアドバイスで竹久夢二に奇跡的に会うことができ、一緒に仕事をすることになって翌日訪ねる約束をしたのですが、関東大震災に遭遇してしまいます。
 親を亡くした娘りょうと政次と避難生活をしていましたが、りょうと岡山の実家の児島に戻るという時に、政次からアメリカの救援物資にあったズボンを受け取ります。生まれつき色覚に異常があった恭蔵は青色が好きで、ズボンの藍色に魅せられ、国産ジーンズを作りたいと考えるようになり、岡山に帰ってからも染屋や織屋を訪ねて糸の染め方を知ろうとしますがうまくいかないまま、日本は太平洋戦争に突入し、とうとう恭蔵も出征することになります。
 りょうが戦時中も戦後も鶴来家を引っ張って、子どもたちや孫の時代まで物語は続いていきます。国産のジーンズも生まれます。りょうは60歳の時に家を出て神戸に引っ越して、ギャラリーのお手伝いから始まって新たにギャラリーを始めたり、すごい行動力とパワーのある人です。人と人との縁によって紡がれた100年間の物語、読みごたえがありました。読めてよかったです。



3、凪良 ゆう『星を編む』

☆2023年本屋大賞受賞作 シリーズ最新作☆
第20回本屋大賞受賞作『汝、星のごとく』続編
花火のように煌めいて、
届かぬ星を見上げて、
海のように見守って、
いつでもそこには愛があった。
ああ、そうか。
わたしたちは幸せだった
のかもしれないね。
『汝、星のごとく』で語りきれなかった愛の物語
「春に翔ぶ」--瀬戸内の島で出会った櫂と暁海。二人を支える教師・北原が秘めた過去。彼が病院で話しかけられた教え子の菜々が抱えていた問題とは?
「星を編む」--才能という名の星を輝かせるために、魂を燃やす編集者たちの物語。漫画原作者・作家となった櫂を担当した編集者二人が繋いだもの。
「波を渡る」--花火のように煌めく時間を経て、愛の果てにも暁海の人生は続いていく。『汝、星のごとく』の先に描かれる、繋がる未来と新たな愛の形。

Amazonより引用

 『汝、星のごとく』の続編だそうです。「春に翔ぶ」では北原先生が関東で高校の先生をしていた頃の物語が描かれています。すごい先生です。ここまでのことをしてしまうなんて!「星を編む」では編集者の2人のことが描かれています。「波を渡る」は北原先生と暁海のそれぞれの想いが時間を追って綴られています。こんな夫婦はいいなあ。穏やかで楽しそうでお互いのことを大切に思っている感じが。
 続編だと知らずに読んでしまいましたが、『汝、星のごとく』を読んでいなくても困ることなく読めます。だけど櫂と暁海の高校時代から20代の頃の話などは詳しく書かれていないので、一体何があってどうなって北原先生と暁海は結婚したんだろう?とめっちゃ気になって、後日『汝、星のごとく』を読まずにはいられません。絶対読もう!

 
 最近一日中眠いです。本を読んだら眠気が吹き飛ぶかもしれないので今日はしっかり読もうか。最後までお読みくださってありがとうございました。

いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集