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最近読んだ本の話 vol.48

 「最近読んだ本の話」の第48弾です。クリスマスです!今週もなんとか間に合って読めました。最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、彩瀬 まる『新しい星』

私たちは一人じゃない。これからもずっと、ずっと
愛するものの喪失と再生を描く、感動の物語
幸せな恋愛、結婚だった。これからも幸せな出産、子育てが続く……はずだった。順風満帆に「普通」の幸福を謳歌していた森崎青子に訪れた思いがけない転機――娘の死から、彼女の人生は暗転した。離婚、職場での理不尽、「普通」からはみ出した者への周囲の無理解。「再生」を期し、もがけばもがくほど、亡くした者への愛は溢れ、「普通」は遠ざかり……。(表題作「新しい星」)
美しく、静謐に佇む物語
気鋭が放つ、新たな代表作           -Amazonより引用-

 大学時代の合気道の仲間4人が登場人物で、4人それぞれの人生を描いています。どの話も、色々あるよなあ人生って、と思うことばかりです。何かあった時に支え合える仲間がいる、一人じゃないっていいなあ、と思いました。私ももっとしっかり周りの人を見て、声をかけられるようにならないといけません。


2、濱野 京子『with you』

中学三年生の悠人は、高校受験を控えている。優秀な兄・直人や、家族を置いて家を出ていった父親、悠人でなく直人に大きな期待をかける母親、といった家族のなかで、自分の存在意義を見出せない悠人は、日課にしていたランニングの途中、公園のブランコに座る少女・朱音と出会う。どこか影のある表情の朱音に、次第に惹かれていく悠人。朱音が、病気の母親の介護や幼い妹の世話、家事をひとりで背負う“ヤングケアラー”であることを知った悠人は、彼女の力になりたいと考えるようになるが…… -Amazonより引用-

 主人公の悠人は高校受験を控えていますが、週3日ランニングを続けています。ランニングの途中に公園で出会った少女・朱音のことが気になって話しかけるようになり、朱音が病気の母親の介護と幼い妹の世話と家事をしていることを知ります。朱音は、自分のことを気にかけて色々話しかけてくる悠人にだけは、家のことや母親のことを話せるようになって…。
 1年ぐらい前から「ヤングケアラー」という言葉を耳にするようになりました。もしも学生の子の親が病気になったらそういうことが起こるかもしれないんだ、とそれまでは考えたことがなかったです。私が学生の頃は周りの同級生にそういう子はいなかったと思いますが、私が知らなかっただけかもしれません。朱音の抱える問題だけではなく、悠人が抱える「自分はいなくてもいいんじゃないか」という葛藤なども描かれています。うちは姉妹どちらにも親は期待していなかったなあ、と自分の学生の頃も振り返りながら読みました。


3、最果 タヒ『神様の友達の友達の友達はぼく』

 言葉は誰のものでもないけど、誰かのものではある。誰かと誰かをつなぐ最果てからの言葉に僕らは耳を澄ます。
「ちくま」好評連載をリミックスして待望の書籍化!
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最果さんは、種(群れ・集団)の不協和音だ、孤立した個だ、でもそれに救われる孤独な個がいる。
エッセイを読むと私の中にもそれがあると、みんなが思うはずだ。
――保坂和志                 -Amazonより引用-

 最果タヒさんのエッセイです。読んでいると色々なことを考えます。小さい頃のことや大人になってから考えていたこと、今考えていることなどいっぱい浮かんできます。大学入試の試験問題に出題されたエッセイも収録されていて、その時に問題を解いてみたという最果さんのツイートを見て、「試験問題は著者の了解を得て作られているのではないんだ!」と、小学生の頃から疑問に思っていたことの答えを得て衝撃だったことを思い出しました。その試験問題も本の中に掲載されていて、気になっていたので読めて嬉しかったです。まだ問題は解いていないので、年末年始にゆっくりやってみます。最果さんと私の共通しているところと違うところを見つけながら読むのが楽しかったです。


 今週も「最近読んだ本の話」を書くことができました。年内最終号です。年明けは元旦が土曜日なので元旦の投稿を目指します。やっと本を読んでも目が疲れなくなってきました。最後までお読みくださってありがとうございました。

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