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最近読んだ本の話 vol.51

 「最近読んだ本の話」の第51弾です。今週は寒かったですね。この冬初めて雪が見れました。今週も最近読んだ本を3冊ご紹介します。


1、岩井 圭也『この夜が明ければ』

季節バイトをしに北海道に集まった七人の男女。
ある晩一人が遺体となって見つかり、荷物から脅迫状が発見された。
警察を呼ぼうとした工藤秀吾は、携帯電話を他のアルバイトに奪われ、通報を反対される。
どうやらこの場の人間は、こぞって警察を避ける理由があるようで……。
一夜にして世界が反転する、驚愕のサスペンス!    -Amazonより引用-

 北海道で季節バイトをしに集まった七人のアルバイトの様子の描写から物語は始まります。不穏な感じが最初から漂っているのですが、突然一人が遺体となって発見されます。アルバイトの一人のシュウは、警察に通報しようとしますが、他のアルバイトに携帯を奪われてしまいます。その後、警察に通報するか否かを多数決して、反対多数で通報しないことになってしまいます。一体どうして?反対した人にはそれぞれ事情があって、登場人物七人の過去が少しずつ明かされていきます。
 この人たちはどうなるんだろう?と、今にも警察が乗り込んでくるんじゃないかとはらはらしながら読みました。最後の決断の場面がよかったです。


2、寺地 はるな『雨夜の星たち』

できないことは、できません。
やりたくないことも、やりません。

三葉雨音は他人に感情移入できない26歳。同僚星崎くんの退職を機に、仕事を辞める。他人に興味を持たない長所を見込まれ三葉は「お見舞い代行業」にスカウトされ、移動手段のないお年寄りの病院送迎や雑用をする「しごと」をはじめる。
【著者からのコメント】
「雨夜の星」は目に見えません。
でもたしかにそこにあります。
空気を読むという言葉があります。
空気は目に見えません。
見えないけれどそこにあるものは、
良いものとはかぎりません。
その場の空気を読むことばかりに心を砕き、
いつのまにか決定的に間違った方向へ
進んでいく。そんな危険だって、
とうぜんあるのではないでしょうか。
空気は読めなくてもいい。
あるいは読めても従わないという選択肢だって
きっとあると信じて、この物語を書きました。   -Amazonより引用-

 著者のコメントを読んで、「空気はたとえ読めても従わなくていい」っていいなと思いました。主人公の三葉は、他人に感情移入できない、他人に興味を持たない長所を見込まれて、「お見舞い代行業」にスカウトされます。お年寄りの病院送迎や病院の付き添い、お見舞いなどが仕事内容です。こうしてほしいと思うことを、人に押しつけようとする人はいて、私の身近でもしょっちゅうそういうことでもめたりしますが、三葉ちゃんみたいな考え方の人が多かったら、もっと楽になるんじゃないかと思いました。


3、千早 茜×新井 見枝香『胃が合う二人』

悩みごとはとりあえず、食べてから話そう。ふたりの友情はうまいものと共にある。ストリップ鑑賞の厳選おやつ、銀座絶品パフェめぐり、コロナ禍に交わすご馳走便、人生を変えた日の中国茶、新居を温める具沢山スープ――胃が合う友と囲む食卓は、こんなにも豊かで甘やかだ。人気作家とカリスマ書店員が共にした11の食事から、それぞれの見た景色や人生の味わいまでも鮮やかに描き出す、風味絶佳のWエッセイ集!     -Amazonより引用-

 このふたりいいなあ!とうらやましく思いながら読みました。胃が合う人ってなかなか出会えないのでは?食べたい物の種類とか量とか、おふたりはピッタリなのです。パフェを五軒はしごした後ファミレスでごはんを食べたり、ふたりでいてもそれぞれ勝手気ままなことをしていたりします。読みながら、ふたりでいてもしゃべらなくてもいい友人がひとりだけいた、と思い出しました。高校の時の友だちで、よく学校帰りにクレープを食べたり、時々パフェを食べに行っていました。食べたいと思うタイミングが一緒だったんだよなあ。ああ懐かしい。


 今週も「最近読んだ本の話」を書くことができました。来週投稿しようかと思っていたのですが、読んでから時間が経つとちょっと薄れる気がするので、今日なんとか書くことにしました。投稿できてよかった。最後までお読みくださってありがとうございました。


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