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【助かり合いを大事に⑦】同じ社会を生きる人の困りごとと向き合う「場づくりネット」〜結論よりも応答関係〜


■最初に

こんにちは!サイボウズのもっちーです😊

さまざまな相談を受けたり、やどかりハウスというゲストハウスとして駆け込み宿をやっていたり、地域をつなぐ活動をしている「場づくりネット」

前回は、関係性モデルや応答関係についてお伝えしました。
今回は最終回、応答関係を育んでいる実践のお話しです!

▼以前の記事
つながりあうさまざまな活動
上田で広がる助かり合いの輪
助かり合いと文化の共生
制度のはざまと助かりあい
絶望から希望へ活動の原点
関係性モデルと応答関係

〜場づくりネット〜
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場づくりネットの元島さん


■結論よりも応答関係


〇地域で育む応答関係


僕はもう多分、
福祉とか制度とかに期待していないんです。
と、元島さんはいいます。

それよりもやっぱり、
地域が協力しあって、それこそみんなが親みたいな、
そういう関係こそいわゆる応答関係だと思っていて、
ふっと見たときにあれ?この子大丈夫かな?っていう子がいたら、
どうした?って言ってあげる関係っていうか、
そういう応答する感受性って実はみんなあると思うんですよ。


実はみんなあるんだけど、
例えばそこで子どもに話しかけたらいけないんじゃないかなとか、
なんかそういう壁がいっぱいあるんです。

今の社会にはね。

それが良くなくて、
その壁はちゃんと話しかけて関係を築くことで、良くなっていくんだとか、
自分だけの問題じゃないんだっていう安心感があれば、
みんな応答関係を発揮できると思っています。


〇応答関係の実践


すごく象徴的なエピソードを話すと、、、
と元島さんは続けて、
上田であったエピソードを教えてくれました。

今上田に、アキラさんっていう、
ホームレスのおっちゃんがいるんですけど、
そのおっちゃんは商店街をウロウロしているおっちゃんで、有名なんです。

アキラさんは、最近めっきり体が悪くなっちゃって、
その辺のカフェでも、おしっこしちゃったり、
道端にわーって物広げちゃったりとかもありました。

それで、話し合いしたんです。

アキラさんを含めて、どうしようもない人たち、
問題抱えている人達がいっぱいいるから、
話し合おうっていうことになって、
「のきした」の首脳会議で呼びかけたら、10人ぐらい集まったんです。


アキラさんが支援を拒否しているとか、
アキラさんの状況とか、この時ここにいてこうだったよとか、
どういうふうに声かけようかとか、
話し合いだけど、結論的なもの1個も出ずに・・・。
だけど、みんなでゲラゲラ笑って、安心してその場が終わったんですよ。

そしたら、その会議の中にいた1人が医療関係の人で、
その話を病院でしたら、お医者さんの中に、
生活困窮の人に対する支援をしたいっていうお医者さんがいたんです。

それで、そのお医者さんが来てくれて、
アキラさんとの関係を作り始めてくれた
っていうことがあったりして、
その経過の中でアキラさん1回施設に入るんですけど、
今までは、行政がアキラさんの話し合いをしたら必ず結論をつけていたんですよ。

そうすると、どういう結論になるかというと、
生活保護をとって施設に入るっていう結論にしかならなくて
それに対してアキラさんが「はいわかりました」って入るわけないんですよ。

「嫌だ」ということになる。

行政の人たちは、
何かしらの結論を1回出さないと安心できないわけで、
結論をだしちゃう
んです。


それだとうまくいかなくて、
のきしたではなぜうまくいったかっていうと、
結論は決めないで、みんなで共有をしただけなんですよ。

共有することで、こういうふうに声かけようっていう子がいたり、
あるいは自分だけが背負わなくてもいい問題なんだな、
アキラさんのことで困っていても、
この人たちに相談すればいいんだなっていう安心感がみんなの中に生まれて、
安心感の笑顔だったと思うんです。

安心感があれば、応答できる関係性が生まれるので、
アキラさんにもいろんな人が今よりさらに応答するようになる。


すると、アキラさんは心を開いて施設に入るっていう
そういう感じになりました。

安心してみんなが話し合う場がいっぱいあったり、
みんなが何かを共有する場がちゃんとあれば、
みんな応答できるようになるんだと思うんですよ。
その場づくりがとても大切だなと今とても思っています。

■最後に


最後までありがとうございました。

地域を繋いで、古くからある大事なものと新しい視点も取り入れて活動している「場づくりネット」さん、福祉や制度には期待していないからこそ思い切った活動ができ、福祉や制度では支えきれないところをいろんな手を介して「助かり合い」が生まれていくんだなと思います。

地域がつながり合うような関係性のモデルケースになるかもしれないですね。

次回も見てもらえると嬉しいです😊