【こんな場所に出会いたかった⑩】誰も排除しないから、カオスなほど多様な人があつまる、頼れる居場所~富士市「ゆめ・まち・ねっと」子どもに関わる人すべての人へ~
■最初に
こんにちは!サイボウズのもっちーです😊
静岡県庁を38歳で退職し、今は子ども若者のためにたくさんの活動をされている、渡部達也さん(以下:たっちゃん)と美樹さん(以下:みっきぃ)のご夫婦がたくさんの活動をされている、NPO法人ゆめ・まち・ねっとさんのシリーズです。
前回は、20年ちかくのたくさんの物語の一部をご紹介しました✨✨
今回は、子どもに関わる人すべての人へです!
救われた人のエピソードや、私たちにできることはどんなことがあるかをお伝えします💡
以前の記事
⓪「子どもたちへのまなざし」の紹介記事はこちら
① 活動の紹介編はこちら
② 視察・体験編はこちら
③ 発達障碍のお勉強編はこちら
④たっちゃんの軌跡編はこちら
⑤県庁を辞めて相棒との活動編はこちら
⑥子どもたちの姿から編はこちら
⑦大人との関わり編はこちら
⑧大切にしていること編はこちら
⑨たくさんの物語編はこちら
■子どもに関わるすべての人へ
【学校の先生】
学校の先生ってやることが沢山あって、その中で、子どもの様子を見る事になるので、本当に大変だと思います。
だけど、学校の一律な生活を求められる中で大変な想いをしている子どももいます。
学校ではおとなしく、問題行動を起こさない。見落とされがちな子どもが、「生きづらさを抱えている子」というケースも多い
そんな子どもに気づくことが出来る、そこに一番近いのは、本来は学校の先生ではないかと思う。
問題行動がないと、ノーマークになっちゃうのかな?と思う。
居場所に初めて来た子でも、気になる子はたくさんいる。
私が質問します。
家庭という閉じた場で、子どももたくさんの想いを抱えて、誰にも言えない想いや苦しさがある。そんなことって、多いと思うのです。
「誰が? どう助けられるんですかね?」
たっちゃんは答えます。
「そこを見る可能性を大きくもっているのは、やっぱり先生だと思うんだよね。個人情報が手に入った状態で会えているし、 想像して、日々接していると、違いが見えてくることも多いと思う。
それは、居場所に来た子に対して、少し気になる子だなって1時間で感じるわけだから、学校の先生はもっと感じることが出来ると思う。」
学校の先生にだけ任せるわけではないけれど、毎日あう学校の先生は、気づきやすいとは言えそうですね。
【連携について】
学校や行政など、連携が必要なことも多いのかなと思って聞いてみました。
「まあ、基本的しないですよね。どことも連携しない。」
と言い切ります。
来てる子どもにとってプラスになるならする。
連携することでこの子がよりハッピーになるんだったら、連携ってありえると思うんだけど、そうでない限りは連携するメリットって無いと思う。
まれにこの子には、公的機関の力や制度も必要だなと思うような時があるので、そのときは使ってみる。
児童相談所なり福祉事務所なりを使ってみるっていうことはあるけど、常時連携しようとも全く思わない。
そこには子どもたちを想うこんな気持ちがありました。
「連携しちゃったら、来ている子どもとか若者が相談しに来なくなるから連携しない。っていう選択に近いかな。
例えば、学校や教育委員会と連携して、不登校な子が居場所にくると、出席扱いになります。みたいなことやったとすると、それで助かる子もくるかもしれないけど、
でも、連携を選択することで、旧来の登校拒否っていうネーミングの方がぴったりくるような、そういうタイプの不登校の子は逆に出会えなくなっちゃうだろうな。
学校に対していやな感情がある子や、非行少年少女たちも、
連携しなかったことで、出会えたと思っているので、だからこそ信頼してくれる子たちがいるはず。」
だけれども、別の視点でいうと、こういう考えもあるそうです。
「広い意味で連携だと思ってるんです。
仲良くすることだけが連携じゃなくて、連携しないっていうか、
仲良くしないっていうことで、学校じゃなく僕らを選択するっていう子たちがいて、その子たちに新しい居場所が生まれるっていう。」
子どもたちが、どこにも居場所が見いだせなくなってしまうのは避けたい。
子どものことを考えて、その子が居心地が良い居場所を選択する。
そういう広い意味では連携だと思ってます。
と、講演会でもお話することがあるといいます。
【お互いにこの子の味方】
連携するメリットはないというが、同盟を組めたらいいなとは思っているそうです。
「お互いにこの子の味方」
そういう立ち位置で、同盟を組めたら、救われる子がいるんじゃないかな。
なので、まずはその子が、この先も毎日行きたくなる居場所であり続けようと。
その時その時の、SOSが言える場所であり続けようと思って
どっかのタイミングで親に会うときがあれば、その時に親も一緒に同盟を組めたらいい。
親も、僕らのことを頼りにするっていう関係性を作っちゃおうっていうのが、当初の思い描いてたことです。
親も、学校も、先生も、民間も、地域の人も、
この子のための同盟を組めたらこんなに心強いことはないですよね。
【ここに出会って救われた人】
たっちゃんとみっきぃに出会って救われた人がたくさんいます。
元副代表さんに、帰り道駅まで車で送ってもらってお話をお聴きしました。
元々は、心配性でお子さんことに口出しをしていたといいます。
たごっこパークに娘さんが通うようになって、楽しそうにしているので、ついて行ったとき、ビックリしたそうです。
「川に飛び込んでいるんだよね。自由に遊んでるのが嫌だった。
なんか、自分の中のルールと全然違って、すごい怖かった。
たき火に行ったらやけどしないかな?大丈夫かな。
今思うと、ダメダメばかりだった。」
そんな時に、たっちゃんに、
子どもの力を信じなさい。
と言われました。
それでも、そんなに突然変われません。
公園っていうのも良かったなと当時を振り返ります。
「他の親と話していると話に夢中になったり、それがよかった。
公園だとみんないるから、親もあまり怒らないんだよね」
娘さんが人と違うなと気づいたのは、小学校5年生。
耳で聞く言葉は理解ができないことも多くて、目で見る方が理解が出来る。だから長い話が苦手。
そんなことに気づけたのも、たっちゃんとみっきぃに出会って、佐々木正美先生の講演会にたっちゃんとみっきぃと一緒に行って、勉強を重ねたからだといいます。
一時は追い詰められて逃げ出すことばかりを考えていました。
失敗したなーと落ち込んでいた時、たっちゃんに、
「失敗じゃなくて、その過程での学びができたね。」
って言われて、
すごい嬉しくて、しくじったと思っても、まだ他にいいことがある。
結構何回も色んなことを試しながら、うちの子にはしっくりくるやり方を見つけました。
色んな事を試して、それがハマると楽しい。そういう経験をして、子育てに対しても楽しくなりました。
いろんなことを乗り越えてきたのも、後ろに、たっちゃんとみっきぃがいると思えたからだといいます。
「今からごはんだから一緒に食べようとさそってもらって、こっちから話をするまで聞かないでいてくれる。そして、話すとすごい労ってくれて。
それにすごく救われた。」
【私たちにできること】
私たちができる事ってどんなことがあるのかな?と思って聞いてみました。
たっちゃんとみっきぃの大事にしている、児童精神科医の田中康雄先生の言葉と一緒に教えてくれました。
気遣う人の存在と、関わりのタイミングが「偶然に、あるいは奇跡的に」重なり合うと驚くような状況が生じるものである。
「気遣う人の存在っていうそれはなんかすごい自分たちの活動にとてもしっくりくるなあと思っていて、それがうちみたいにがっつり活動やってる人じゃなくたって、誰でもそういう存在になればいいのにな。と思っている。
例えば、少しの違和感があった時に、「どうしてかな?」「もしかして・・」と考える。
何かに気づいたら声をかける。
出来ることがあったら、手助けをする。
20年近くやってきたことをまとめてしゃべると、
2人はすごいですねと思うかもしれないけど、凝縮したらそう見えるだけ
日々は別にそんなことじゃなくて、 日々やってる事はそういう事の積み重ね。
気遣い人には誰でもなれると思っています。
だからいつも講演会の最後に
ぜひあなたのその地域の困ってる人にとっての気遣い人になってください
ということをお伝えし続けています。
■最後に
最後までありがとうございます。
子どもを想う同盟のような関係って良いなと思って、新しい視点というか、
いつもべったりチームや連携ではなく、子どもを色んなところで支えていける関係性が築けるといいなーと思いました。
実際に救われた、元副代表さんが、
「たっちゃんとみっきぃが後ろにいると思うと安心してチャレンジできる」
と言っていて、
子どもを想う同盟って、後ろに○○さんや○○さん、○○さんもいる。
そういう安心と力になる存在が増えるということなんだなって感じます。
次回で「ゆめ・まち・ねっと」さんの紹介は最終回
たくさんのことを教えてくれた、たっちゃんとみっきぃの願いです。
子どもに携わる職業の人に一番大事なことは?、
義務教育がおわるまでは?
次回もまた見てもらえると嬉しいです😊