仏様から剣(ド○クエのひのきのぼう風)を頂いたお話し その2
の続きとなります。
霊的な作法でお寺にたどり着いた私は、ご本尊さまのおられる本堂に「入る」為に、「正装」(霊的な立場を示す証になります)になりながら本堂の前に進み、
扉の前に真っ直ぐ立ちました。
すると、本堂の大きな両開きの扉が、音もなく、すうっと開きました。
奥は真っ暗です。
「失礼いたします。」
ご挨拶をして、扉の奥に歩を進めました。
本堂の中に入ると、やはり奥は真っ暗のままでしたが、手前がほの明るくなり、ご本尊さまにお仕えしている方々が両脇に座しておられました。
私は改めてご挨拶し、この度の用向きをお伝えし、ご本尊さまとお話しさせて頂きたいと申し上げました。
皆さんの了承を得て、奥の真っ暗な場所に向かって、私は話しはじめました。
「…お話しするのも恥ずかしいのですが、気持ちの整理が付けられなくて。
伺っても良いとのお返事を頂いて、嬉しく、
周りの方も大切に思えて、自分の出来る事で貢献させて頂きたいと思ってたのに、こんな事になって。
苦しくて、どうして良いか分からなくなりました。」
と、泣き言を申し上げました …( ̄▽ ̄;)
すると、ご本尊さまはしばらく黙っておられましたが、
やがて、ゆっくりと、
「…あの時、お前は しばらく 厄介になりたいと申していた。 長く ここに留まるという話ではなかったのだがな。」
と、仰いました。
(…た、確かに… ( ̄▽ ̄;) ←すっかり忘れてた
「それに、お前には必要な物を渡してやる予定だったものを、さっさと出て行ってしまいおって。こちらは強く引き留めたのだぞ。」
「あんな風になったら、関係ない方にご迷惑になっても嫌だし、居られないです… …贈り物?(・ω・)✨」
寝耳に水です。
「そうだ。」
ご本尊さまのお言葉を合図として、脇にかしこまって控えていた方が、
すっと立ちあがり、奥からしずしずとこちらに近づいてきました。
そして、その方は、
「どうぞ」
と、私に、うやうやしく、
そこそこの長さの 「黒い棒」 を、差し出して来ました。
(ぼ、棒?… Σ( ̄□ ̄;)
ド○クエの初期装備の最弱武器として有名な「ひのきのぼう」 を彷彿とさせるような「それ」を、
うやうやしく渡された事に、私は戸惑いを隠せませんでした。
「ささ、どうぞ。」
「…これは、何ですか?」
「……」
聞いてみるも無言…( ̄▽ ̄;)
ただ、すごく素敵なものですよ~✨と思っているのは伝わってきます。
でも、今の自分には何だか分かりません。
悲しい気持ちの自分には。
(いつもこうだよね…(´・ω・`)
神様や仏様、守護霊様、ご先祖様…
人とは違うから仕方ないけど。
こんな時まであちらのペースなのかなぁ…)
私は、ご本尊さまとのやり取りで、段々自分の気持ちが沈んで行くのが分かりました。
「…これ、何だか分からないし、どうしたらいいかわからないです…(´・ω・`)
今、私は苦しくて悲しくて…
どうせもらえるなら、宝くじに当たりたいです!(>_<)」 (←訳が分からなくなっています( ̄▽ ̄;)
辛い気持ちを持て余して、救いを求めて訪れた所の仏様方から、上記の扱いをされる自分が、悲しくて、情けなくて。
役目の荷の重さから来る疲れや、お寺での出来事も重なり、心がぐちゃぐちゃになった私は、訳の分からないわがままを口走りました 。
今にして思えば、当時の私は、人の身でありながら、「人以上」を求められ続ける日々に疲れてしまっていて、
仏さま方から位は、弱くて、仏にすがる部分もある「人」として扱って欲しい、という甘えの気持ちがあったのだと思います。
「まぁ、持って行けばよい。お前の役に立つ。」
でも、これには当然ながら、金運を上げる力が備わっていないのは一目瞭然でした。
私の言うことは、聞いてもらえない。とことん、「人」として扱ってもらえない。
その時の私は、そんな気持ちになりました。
「…悲しいです。」
「仕様がないの。」
「…悲し…」
言い切らないうちに、涙が両目から溢れてきました。
「…私は、物が欲しいんじゃないです。
悲しいんです。皆さんが好きで一生懸命やったのになぁって。
でも、ああなってしまったから。
辛いけど、最後自分がやれることは、これ以上おかしな事になる前に、ここからいなくなる事しかないって離れて。
皆さんが少しでも穏やかでいてくれたら、それでいいの気持ちだった。
報われる事ばかりじゃない、もっと辛い事もある、そんなのはわかっているけど、今は苦しいです。」
大切に思った人達から誤解されて離れる事が、「私」 には何より辛くて悲しかったんだと、
私は顔を涙でべしゃべしゃにしながら仏様に訴えました。
しばらくすると、ご本尊さまは、
先程よりも優しい声音で、ゆっくりと、私に話しかけてきて下さいました。
「…お前はな、ここに長く留まる者ではない。
世に出、広く多くの者と交わり、それらの者達と苦楽を共にする事に、幸福を感ずる者だ。」
ご本尊さまがそう仰られると、
現実と見まごうばかりにリアルで生き生きとした映像が、眼前に浮かびました。
その中で私は、多くの人と様々な事を語り、励まし、共に支えあいながら、笑って生きていました。
その姿があまりに幸せそうで、見ていて、また涙が出てきました。
「…ここにいる者はな、お前と違い、ここでしか生きられない。「あの者」も含めてな。
お前が気づいておる様に、この寺は衰運に向かっておる。
それが広く人の世にどのような事を引き起こすかは、実はここにいる者達や、この辺りの者達の在り方に託されているが、それに気づいている者は、ここには殆どおらぬ。
ここは、己の事や身近な事のみ考える性が強く、行き場が無くなった者が、居場所を求めて寄り来る場故な。」
「…」
「だが、さすがに己の尻に火がつけば、分からぬ者達なりに必死になるだろう。
それが、禊であり、己を助け、生かし、成長させる道とは全く気づくことなく、必死にそれを生きる。
あの者達にはそれが必要なのだ。」
ご自分を生かす為に、皆さんには、必死に生きる事が必要なのだ、と、ご本尊さまは仰られました。
そして、それこそが、お寺や地域を救う道であるとも。
「まあ、そうなるのが、善き「未来」だが、そうならぬ可能性もある。何しろ人の為すこと故な。
だが、もし万が一、そのようになったとしても、お前は気に病む必要はない。
その場合は、我らはここから、人の世から去り、「元」の所に帰るだけよ。
結構長きに渡り 「ここ」 におったが故、残念だがの。」
理に乗っ取ればそうするしかない、残念だ、というお気持ちがありつつも、お言葉とは裏腹に、
そこまでも堕ちたならもう仕方ない、自分もここから離れられ、長年の役目から解放される、とも僅かに思っておられるのが伝わって来て、
( !!( ̄□ ̄;)
と、私は驚いてしまいました。
ご本尊さま方がいなくなったお寺がどのようになるのかは、火を見るより明らかだからです。
そして、そうなっても、他に行き場のない人達がどうなるか…
考えるだけで恐ろしい。
私は、やっぱり仏さまは人とは違うな、と震え、情だけではない、理の存在であると、改めて思い知らされました。(高級霊はそのような傾向があります。)
でも、その、清く尊い理の存在が、混沌の人の世に長く縛られ、
理に乗っ取って、人を善き方へ導き続ける役目を、気が遠くなる位長い期間果たしておられる。
その存在が、人の身勝手さで、役目の場所を乱されて。
そんな方が、それでも人にとりよかれと思いつつも、一時、役目から解放され、本来あるべき所へ戻る事を夢見た事を、誰が咎められるだろうか。
私は、一時自分の嘆きを忘れ、そのような気持ちに襲われました。
そして、この方は、お言葉とは裏腹に、最期まで、極限まで、お寺や地域の皆さんの為にこちらに留まられるおつもりなのだな、とも思いました。
「だがの。」
「?」
「もし、我らがおらなくなり、ここが魑魅魍魎の住処となっても、お前はここにおる者達の為に、努めるだろう?
それこそ我を捨てんばかりの勢いでな。
だから、これで良いのだ。」
「……」
「まぁ、出て行くのが、ややせっかちすぎたがな。」
ご本尊さまは笑いながら仰いました。
そして、こちらを見て、
「己れを生かして生きよ。
我が元で得たものを持ち、人に交わり、人を生かせ。
地を照らせ。大きく、大きく。強く。 お前らしく。
己れを生きる者たちと、共に手を携えて生きよ。
それこそが我が願い、働き。
そして、汝の成すべき事であり、
汝の生きる道よ。」
その「声」を聞きながら、私の目からは、先程とは違う涙が溢れていました。
「またいつでも来るが良い。
もうお前は、我が膝元にて抱えた故、我が霊筋(ちすじ)の者となった故な。
ではな。」
そのご本尊さまのお言葉を合図として、私は自分の部屋に戻ってきました。
戻ると、指導霊のおじさんが話しかけてきました。
「どうだった?」
「うん…行って良かった。」
「そうか。」
「うん。」
「良かったな。」
「うん…」
また涙が出てきました。
もちろん始めとは違う涙です。
「ありがとう。」
「なんの。」
「ありがとう…」
私は呟きながら、流れ出る涙を拭い続けました。
その3に続きます。↓
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