webメディア「かがみよかがみ」にエッセイを掲載していただきました。 日々感じる漠然とした満たされなさについて書いた文章になっています。 拙文ですが読んでいただけたら幸いです。
はじめに この夏、夫と「大人の夏休み」企画をした。 詳しい話は別の記事で書こうと思うが、童心に返って夏休みらしいイベントを満喫しようという目論見である。 お家縁日を作ったりプールに行ったりしたが、夏休みといえば避けては通れないのが宿題である。そこで、夏休みの宿題の王道、読書感想文を各々書いて読み合うことにした。 課題図書は「銀河鉄道の夜」である。文字数は読書感想文コンクール中学校および高校の部に倣い、2000字以内とした。 この読書感想文は、その時に書いた文章である。
書を捨てよ、街へ出よう アンドレ・ジッド「地の糧」の一節であり、寺山修司の代表作のタイトルでもある。 だが、あえて「書を捨てず」旅に出るのもなかなか乙なものである。 旅先が舞台の文学作品や、出身作家の本をお供に旅をする。私のお気に入りの旅のスタイルだ。 いわゆる「コンテンツツーリズム」や「聖地巡礼」に類する形である。 街を歩いて登場人物の足跡を辿ったり、この町並みからこの作品が生まれたんだと作家のバックグラウンドに思いを馳せたり。地図でもガイドブックでもスマートフォンで
昨年の4月から、ほぼ独学でアコースティックギターを始めた。 先に断っておくと、私はこれまで楽器の類を習ったこともなければ、音楽が得意なわけでもない。音楽を聴くのは好きだし、推しのアーティストもいるけれど、自分が歌うとなると音程はうまく取れなければ声も出ない。小学校の頃は音楽の時間が苦痛で仕方なく、高校の選択芸術では迷わず美術を選んだ。 そんな人間が、そもそもどうしてギターを始めたのか。 事の発端は、私が異業種に転職したことに遡る。 詳細は伏せるが、職務で楽器を弾く機会が