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『友人の本棚~1分で読める感想文~』Vol.93「すぐやる!」

「忙しい」という口癖をなくすようにと思っていたにもかかわらず、「忙しい」が口癖になっていた最近。そんなことに気づいた今朝、ふと友人の本棚に並んでいた1冊を手に取った。

医療現場で働く作業療法士の菅原洋平さんの著書。気合やモチベーションではなく脳への情報のアプローチを変えるというやり方が応用範囲の広い話だと感じた。

患者さんのリハビリテーションに携わっていると、それまでは「すぐやらなかった」患者さんが、突然「すぐやる」ように変わることがあります。
たとえば、ある患者さんは、自分で食事をすることができませんでした。脳に損傷はあるものの、手も動くし、食事とをする能力自体はある。でも、食事を出されても自分では食べないのです。すると職員が介助することになりますが、それでも長い時間がかかり、その後の予定も遅れてしまっていました。
(中略)
ところがあるとき、少し食事の方法を変えたら、その状況は一変しました。すぐに自分から食事をし始めるようになったのです。
何を変えることで、その変化が生まれたか。実は、「一品ずつテーブルに置くようにした」だけです。
それまでは、定食のようにトレーにすべての料理を並べていたものを、コース料理のように一品ずつ順番にテーブルに出すようにしました。ただそれだけで、自分できちんと食べるようになったのです。
(中略)
変えたのは「脳に入る情報」だけです。その患者さんの脳がもっとも働きやすいように、その人の脳に見せる「お皿の数=情報量」を減らしました。それだけで、脳は「すぐやる」モードに切り替わります。

今、目の前の仕事に追われていて、時間が足りないと思っていたけれど、もしかしたら「お皿の量=情報量」が多すぎて、すぐに動けていないだけの状態になっていたかもしれないなと思った。仕事を横一列に並べるのではなく、縦一列に並べてそれを処理する。そうすれば、出されたお皿をすぐに平らげるが如く、サクサクと仕事をこなせるのかもしれない。

一品ずつ仕事を縦に並べよう。そして前に進もう。

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野見 将之
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