眠れない夜には本を開く。夜空を眺めるような心落ち着く小説
わたしはインソムニアだ。
かっこよく書いてみたけれど、睡眠障害のことである。眠るのが苦手なのだ。
人によってさまざまな症状があるけれど、わたしはとにかく寝付きが悪く、治療を受けるまでは朝までほとんど眠れないことも多かった。
翌日に頭を動かす予定があるときは何が何でも寝た方がいいに決まっている。あらゆる生活改善を試したり、治療を受けてでも寝るべきだ。頭を動かして生きる上で、睡眠はとっても大切なことだから。
それを前提として、次の日の過ごし方を自由に決められるならば、割り切って自然に入眠できるまで自由に過ごしてみることもある。入眠までの自由時間が長いのは、インソムニアの特権だ。
そんな夜はもうベッドから出て本を開いてみる。本のなかには、自分では考えつかないような、けれどまるで自分で見た夢の出来事のような、じんわりと心に馴染んでいく言葉が溢れている。
眠れない夜に手に取ってほしい、夜空を眺めているような心落ち着く小説を2作品ご紹介します。
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