穴が空いたジーンズはダメージジーンズにしか見えない
穴が空いたジーンズを純粋に穴が空いてしまったジーンズだと思える人は、どのくらいいるだろうか。
勝手な予想だが、おそらく意図的に穴を開けたダメージジーンズの数のほうが、自然の劣化で穴が空いてしまったジーンズよりも多い。
そのため、穴が空いたジーンズ=ダメージ加工が施されたものという勝手な意味付けが行われるようになってしまった。
味付け海苔ばかり食べている人は、味が無い本来の海苔に違和感を感じるかもしれない。
回転寿司が普及したことで、本来の寿司屋は回らない寿司屋と言われるようになった。
貼るタイプのカイロが増えたことで、普通のカイロも貼らないカイロと表現されるようになった。
コンビニでもらった割り箸が、初めから2本に割れている割らないタイプの割り箸だったときも、同じようなことを思った。
割り箸という名前や概念が普及したため、(本来箸は割れているものではないのだが)初めから割れている使い捨て箸のことも、割り箸と言わざるを得ない状況に遭遇した。
このように「あえて何かの状態を変えたもの」が世に出回るとき、本来の状態と前提が逆転する違和感が生じることがたまにある。