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さざなみのような、こもれびのような

メンタルクリニック2回目の受診を終えた。

前日から刻々と診察が近づき、待合室では緊張が高まる。
どうして緊張するのか、不安になるのかはわからない。

先生と話すことはあえて準備していない。
頭から出た言葉と心から出た言葉の差をなるべくなくしたいから。

自分には不器用なくせに器用にふるまいたいと思う厄介さがある。

物事をうまく進めるために自分が無意識にやっていた「ごまかし」
治療の妨げになりそうな行動をあまり起こしたくないのでそうしている。

結果的に休職は何カ月か延長する方針となった。
家族からの心配もあったし、自分自身でも感じてはいたけど、余裕がない。
生きていくのに余裕なんか作れるのかって疑問になるほどに。


思えばこのひと月、あっという間だった。過酷で虚無。
正直、メンタルにまつわる病気そのものをなめていたのである。

あともう一月で何かを決定できるような、行動できるような状態ではまだない。
治すという感覚では正直もうない、うまく付き合っていくこと。
苦しいけどそれが自分であり、自分を知ることになっていくのかなと思う。


通院という外出のきっかけのおかげもあり、延長していた図書館で借りていた本を返却できた、良かった。
本屋さんにも寄れた、良かった。

しかし、たしかに波はある。本屋さんに並ぶ本をみて文字が一斉に飛び込んでくる感覚、ぐわっと鷲掴みされそうな感覚に陥って、好きな本やにいるのに苦しかった。

診察が終わってほっとしたのもあったけど、状況は変わっていないので、喜べるものでもない。
たしかに波は常にそばにあるのだ。さざなみのようにいる。
夜の砂浜で波音を聞いているような感覚。
時折不安と恐怖という風にあおられ音を立てることもあるけど、今日は比較的良かった。

益田ミリさん著 47都道府県女ひとりで行ってみよう

この本を読んでいるときに、出てくる地名や観光地をスマホで調べると追体験みたいな感覚になって楽しい。
あとやっぱり文章が面白い、愉快、マイペースだけどどことなく軽快さがあるのが心地いい。

苦しい生活のなかのこもれびのような愉しみ。

あと頼んでいたものやかわいい文具を手に入れたので、機会があればまた紹介しようと思います。


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