見出し画像

うつを治そうとしない読書を考える

うつ状態になってから救われたものは何ですか?と問われたら、

「白湯」と「読書」と答えると思う。

白湯がのどを通って胸のあたりを温かくしてくれる感覚が大好きだし、
読書以上に音もたてずになぐさめたり、抱擁してくれたりするものってない。

読書はときに、というかほとんど考えさせられることが多いと思うんですが、この「考える読書」がうつには酷なことがある。


うつになってから余計に外の世界の見え方、が変わった。
世の中ってなんかすごいポジティブというか、ポジティブにさせようとしてくる圧が多い気がする。(圧倒的主観)
それもそうだ、世の中の大半って社会だし、社会は前向きじゃないと発展しません。

でも本屋さんに行ったり、買い物で外に出るとそれをすごく感じて、
ま、眩しいーーとなったりするんです。
でもやっぱり、そんな自分をどうにかできないかと思う。

以前、本屋さんでそのままでいいんだよー的なメンタル本を読んだのですが、本の着地点が元気になろう!治そう!みたいなテンションだったりする。
それを見ると動悸がしたり、逆に不安感が強くなって動けなくなったりするんですよね。


それからしばらくして図書館でたまたま良い本に出会えました。

なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない 東畑開人 著


それがこの「なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない」という本です。
東畑先生は、カウンセリングをやられている臨床心理士という方で、本書には先生の体験談や考え方が書かれています。

本書の中では序盤、心を悩める方が今どんな位置に存在していて、どのような選択肢があるのかを教えてくれます。

心を悩めている方の状態を、深層心理学者ユングは「夜の航海」と表現したそうです。
小さな小舟で真夜中の海の上、どうすればよいのかゆっくりと教えてくれます。

 カウンセリングには二つのフェイズがあります。
 一つ目は、混乱した状態から、安全な港まで非難する段階です。専門家の間では「マネージメント」と呼ばれる時期で、一度体勢を整えるために、処方箋が有効に働きます。
 二つ目は、安全な港から出て、夜の海へと漕ぎ出す段階です。クライエントは暗中模索しながら、自分なりの人生の目的地を探すことになります。この段階を「セラピー」と呼びます。
 もちろんマネージメントとセラピーははっきり分わかれるものではありません。二つは実際には入り混じっています。

なんでも見つかる夜に、こころだけが見つからない 東畑開人

この辺りを読んだ段階で気が付きました。

励まされて不安になっている自分は「治そうとしている」と、
自分にとって今必要なのは、安全な港で整えることなんだということです。

治そうとすることは怖いことです。
「治す」のと「治る」のは違う。
自分が失われてしまう感覚になる。

いわゆるメンタル本はとても好きですが、読み方に注意しないといけないなーと感じました。

読了するのではなく、安全な港のような章まで読むだけの読書でもいいのかもと思う。
自分にとって安全な港とは、
気が紛れてリラックスできること。
すこしでも気分がわくわくできること。

この二つが良いのかなぁと思いました。
エッセイとか野草図鑑とかスケッチとか心の病気に関係ないことをするのが自分は良い気がする。

今回借りた本たちはメモしておいて、
いつかその時が来たら航海に出るための準備として同じものをまた借りて読み進めようと思いました。


最後に、この前購入したネーエのカードケースを絵にしてみました。
ほどよく疲れた、けどどれもかわいい。

大切に使います。

表面がクリアデザインになっているので、
お気に入りのカードを表と裏に入れるとさらにかわいいです。
ちなみに裏面は以下

杖を拾ったらご年配の方がくれた
くまのQUOカード、かわいい。

おしまい。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?