東京のご当地グルメ
東京は日本全国のみならず世界各国の料理が集まる街である。
そんなグルメ・ダイバーシティ東京にはご当地グルメがない、という人もいる。
もちろん東京にも、江戸のファストフードがルーツの江戸前寿司や、
江戸深川の漁師が食べていた深川めしのようなご当地グルメはある。
だが、江戸前寿司のようなスタイルの寿司は今や全国のスタンダードになっているし、
深川めしの認知度も全国クラスではない。
「東京のご当地グルメ」というカテゴリーは思ったよりも印象が薄い。
ただ、私は地方の人から
『東京のご当地グルメってなに?」
と聞かれた際には、こう答えている。
「立ち食いそばじゃない?」
そもそもご当地グルメとは……
『ご当地グルメ(ごとうちグルメ)は、日本の特定地域内において、地域振興活動の一環として伝統にこだわらず開発・発祥・定着した料理の総称である。「御当地人気料理特選」や「B級ご当地グルメ」などもこの一種である。』(Wikipediaから抜粋)
厳密には違うのかもしれないが、簡単にいえばその土地で多くの人に愛されてきた食べ物ってことだろう。確かにご当地グルメほどの愛される食べ物ならば、住民の生活の一部として地域にしっかりと根付いていてしかるべきだ。
そうした地域性や住民性を踏まえた、東京のご当地グルメのポイントのひとつは江戸前寿司や深川めしの起源がそうであるように、「すぐ食べられるスピード感」だろう。つまりファストフード的要素を備えているかが、東京では重要なのだ。
その点、立ち食いそばは、多くの都民が利用する駅周辺や構内にあるし、店舗数も実に多い。それにうまい、安い、早い。の3拍子が揃っている。立ち食いそばは忙しく動く東京都民にとってありがたい存在である。
【時蕎麦】という古典落語からわかるように、江戸では屋台で販売するそばが繁盛していた。
せっかちな江戸っ子はファストフード的に気軽に食べられるそばをこよなく愛したが、その時代から現代まで「うまい、安い、早い」を続けているのがそばであり、立ち食いそばなのである。つまり、江戸グルメをよく体現しているのは、実は「立ち食いそば」なのだ。
もう、これは東京のご当地グルメとして認定でいいのではないでしょうか?
しかし最近、立ち食いそばは「マズい食べ物だ」という心無い声も聞こえてくるようになった。
ここで断言しておくが、俺は立ち食いそばが大好きだ!
立ち食いそばが嫌いな高級思考の人とはたぶん分かり合えないとも言っておこう。
高いそばもうまいし、立ち食いそばもうまいでいいじゃないか。
ただ同じそばといっても並列に語ることは無意味である。
実際、本格そば店、立ち食いそば店のどちらも比較されることを望んでいるわけではない。
キモい大人がしたり顔で語っているのは立ち食いそばの味だけじゃなく、どんなことでも鼻につくが、だからといってそれをバカにしていいわけではない。
ただ、グルメ批評はそもそも価値観の押しつけだから信用できないし、先入観によるランク付けには辟易してしまう。世に数多いる自称グルメの諸君も、いろいろ発信したいのはわかるが、そもそもあまり自分の舌を信用しないほうがいいのだ(何の話だ!)。
俺はなんと言われても立ち食いそばが好きだ。
立ち食いそばよ、永遠にあれ。
ただ、味はともかくしっかり掃除をしてほしいと思う店はあるけどね……笑
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