人の心理パターンについて
現在,わけあって「心理学」について勉強しています.今回はその内,最近知ったことを書きます.
認知的方略(人の心理パターン)
外山(2015)によれば,問題状況に直面した際に,人が目標や行動に向かう為の認知・計画・予期・努力の一貫したパターンのこと,です.
具体例(4つ)
NoremとCantor(1986)によれば,認知的方略は4つ存在するとのことです.
1)過去のパフォーマンスが低く,将来のパフォーマンスへの期待も低い「真の悲観主義(図1では,一般的悲観主義)(Realistic Pessimism;RP)」です.
2)過去のパフォーマンスは低いが期待が高い「非現実的楽観主義(Unjustified Optimism;UO)」です.多くの場合,これは適応的ではないとされています.
3)過去のパフォーマンスが高く,将来のパフォーマンスへの期待は低い「防衛的悲観主義(Defensive Pessimism;DP)」です.
DP者の成績が良いことは多くの研究により証明されています.悲観的だからこそ慎重になり,用意周到に準備します.
つまり,不安が強く楽観的になれないことが,高いパフォーマンスにつながっているとのことです.
4)過去の高いパフォーマンスに対する認知と一致した高い期待をもつ「方略的楽観主義(Strategic Optimism;SO)」です.
以上です.
最近,
「ポジティブにいこう!」とか
「もっと気楽に構えよう」とか
度々耳にしますが,
防衛的悲観主義や,非現実的楽観主義の方々が一定数存在する以上,
無理にポジティブに方向転換させるよりも,
未来に対する「ネガティブ」が高いパフォーマンスを生み出していることを知ることが要るんじゃないかなと思いました~.
参考文献
1) 外山美樹:認知的方略尺度の作成および信頼性・妥当性の検討ー熟考の細分化を目指してー,教育心理学研究,Vol.63,pp.1-12,2015
2) Norem, J. K., & Cantor, N.:Anticipatory and post hoc cushioning strategies: Optimism and defensive pessimism in “risky” situations. Cognitive Therapy and Research, 10, 347-362, 1986.
3) ココロリリース:【楽観的だけは危険】楽観的が必ずしも良いわけではない理由,https://lifemixer.org/2020/03/optimistic/,2022(2022年8月16日最終閲覧).
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