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「女性初」として切り拓いたキャリア。次世代につなぐ想い

こんにちは!三菱マテリアル採用広報編集部です。

今回は、「キャリア」をテーマに、安全環境品質室長を務めるM.Aさんの記事をお届けします。

当社で数々の「女性初」を経験されてきたM.Aさん。「女性は結婚・妊娠で退職だろう」という風潮がまだ根強く残る時代に、子育てと両立しながら、キャリアを着実に切り拓いてきました。

今回は、M.Aさんのキャリアの軌跡と、次世代につなぐ想いについてインタビューしました。


当社でのキャリアの歩みを教えてください。

1993年に中央研究所(現:イノベーションセンター)に、当時の制度で地域限定総合職(研究員)として入社しました。 

粉末冶金研究部に初の女性研究員として配属され、工業用砥石に関する研究開発、その後ダイヤモンド薄膜コーティングの研究開発では電子材料用途を目的として、社外と共同研究を行ったり、学会で発表したり本社採用総合職と同じ業務を任されていました。

5か月ずつ、計2回の産休育休を経て、薄膜コーティング技術を生かしたサージアブソーバや薄膜サーミスタ(高機能製品カンパニー)の開発に従事しました。管理職に昇格してすぐに所内異動で企画部研究管理チームになり、実際に実験することはなくなったものの、研究テーマ全般にかかわることができ、技術系ならではの研究支援が叶いました。

これ以後、『女性初』が多く、初の女性チームリーダー(課長)となり、2015年に全社で「女性活躍推進委員会」が立ち上がることになった際は、リーダーとして約半年携わりました。

その後、人事部兼務を経て、初の女性研究部長(材料応用研究部)、2020年度からコーポレートの業務に従事しています。2022年度から順にCSR・コンプライアンス部長、*SCQ推進室長、安全環境品質室長を務めています。

※SCQとは、S:Safety & Health、C:Compliance & Environment、Q:Qualityの略で、当社では企業活動の根幹として重視しています。

M.Aさんがこれまでのキャリアで大切にしてきた価値観・軸は何ですか?

自身が成し遂げるべきと判断したものはとことんやりきることです。やりきったうえで、残念ながら継続を断念する研究テーマ、業務もあります。特に研究テーマはどこで判断するのかというのが非常に難しく、段々愛着もわいてくるものですが、他の方がもう一度同じことを繰り返さないために、なぜダメだったのか、中止・中断した根拠をしっかり残すことにも努力してきました。他の方にしっかり説明できる結果を残す努力はしてきたように思います。

また、人に頼られることは非常にうれしいことではあるものの、任された仕事はそれを自身で「やるべき仕事だ」と納得したうえで引き受け、遂行するように努めてきました。言われたからやるのではなく、自分自身で選択したという形にはこだわってきたと思います。

DE&Iイベントでパネラーとして登壇した際の一枚

キャリアを築く上で障壁を感じた具体的な瞬間と、それをどう乗り越えられたかを教えてください。

子供ができてからは子育てと仕事を両立する必要があり、時間の制約があるということが一番大変なことでした。実験できる時間が限られますし、従前以上に綿密な計画を立てて効率よく仕事をするようになったと思います。

自身の業務はすべてノウハウを含めた作業標準を作成し、スケジュールはチーム内にすべてオープンにして、急に休むことになった場合でも他の方に代行いただける体制を整えました。

また、自分一人ではどうしても時間が足りないので、チームとして業務が成り立ち成果を上げることができるように周囲に協力を求めました。一方で、自分がしてもらうだけではなく、別のところでメンバーに貢献することにより、日ごろからお互いに協力する体制ができていたのではないかと考えています。

当時、出産後も研究員として務めている女性はほぼいなかった中、職場だけではなく家族も含めた周囲の理解、協力があったことで乗り越えることができたと思っています。

女性活躍推進に携わる中で、具体的に取り組んだ施策を教えてください。

ダイバーシティの取り組みは「女性」に特化したものではなく「従業員全員の働きやすさのために」検討していきました。

「*フレックスタイム制度の拡大」、「*時間単位有給休暇」、それぞれの対象に応じたダイバーシティ研修(管理職向け、女性従業員向け、一般従業員向け)などがあります。

※「フレックスタイム制度」とは、始業および終業の時刻を任意に決定できる制度のことです。
※「時間単位有給休暇」とは、1年につき5日分の時間単位有給休暇を1時間単位で取ることのできる休暇制度のことです。

「フレックスタイム制度の拡大」はどの職場でも平等に展開できるわけではありませんが、制約のある方がより柔軟に働けるようになったと思います。「時間単位有給休暇」は特に力を入れて実現に向けて取り組みました。他社のママ友は授業参観や通院など時間単位有給休暇の制度をうまく使っていました。私はそんな制度が世の中にあったとも知らず、知ったからにはぜひ当社にも導入したいと思っていました。

一研究所のメンバーでは当時意見する機会もありませんでしたが、そのチャンスが来たと思いました(笑)。それまでは半日か終日かしかなかったので、子育て中は”貴重な有給休暇なのにもったいない”と思ってしまうような場面でも必要な時間のみ休暇を取得することが可能となりました。

現在の職場環境は、M.Aさんが産休育休を取得された頃と比べてどのように変化しましたか?また、さらなる改善点はありますか?

世の中の状況も当社制度も改善の方向に向かっていると思います。時短勤務、育休の取得期間(法も当社も)、男性育休、子の看護休暇など当時も今と同じ状況であったら私の働き方も違ったかなと思います。

子供が小さい時に向き合える時間は大切だと思うものの、「休みありき、できるだけ長期間休むのが当たり前」のように捉えられるのは少し違うと感じています。

キャリアに対する考え方は人それぞれであり、上司とよくコミュニケーションをとって「その方にとって最適なキャリア」について共に考え実現していける姿が望ましいと思います。

当社の育休から早く復帰した方に一時金(早期職場復帰一時金)を出す制度も有効だと思いますし、制限があるが仕事でもっと活躍したい人への支援が世の中でもう少し拡充され、働き方の幅が広がるしくみが増えてもいいのではと考えています。

M.Aさんが当社で働き続けてこられた原動力や支えは何でしたか?

若かったころは単純に仕事が楽しかったからです。チャレンジングな仕事も多く、それを任せてくれた上司がいたことも大きかったと思います。

当時は残念ながら、まだ「女性は補助的な仕事を任せておこう、結婚または妊娠したら退職だろう」と考える方が多かった中、当社では一人の研究員としてしっかり教育もしてもらえましたし、役割も与えられていました。「期待してもらえている」ということが実感できていたことは大きかったと思います。 

管理職になって以降は女性の管理職数が少なかったこともあり「私が辞めてしまうと、『管理職は働きにくい』と思われるのではないか」というプレッシャーは正直ありました。が、後輩となる方々のためにも製造業の技術職としてのおもしろさも伝えたいと思いましたし、管理職としてはチームで成果をあげることのすばらしさも伝えられたらと思って働き続けてきました。

また、両親、夫、子供たちの支えは大きかったと思います。今年娘が就職しましたが、母としてだけではなく一人の働く女性としてアドバイスできたこともうれしかったです。

「三菱マテリアルでキャリアを切り拓いていきたい」と考える後輩たちに向けて、どのようなメッセージを伝えたいですか?

2024年には、従業員一人一人が大きくかかわる形で新たな価値観が制定されました。幹部だけが検討して決めるのではなく、従業員と共に作り上げるというのは初めての試みだったと思います。

三菱マテリアルグループの新たな価値観を策定
~全世界の従業員と共につく… | ニュース | 三菱マテリアル

これに限らず、従前と比較して「従業員の声を聴く機会」、「対話の機会」が増え、一人一人の意見が吸い上げられる仕組みが多くなったと思います。また、DE&Iについてもかなり進んできました。働きやすさという点ではかなり進んだと思っています。

当社は様々な事業を持っており、それぞれが協働することで新たな価値を生み出し続けることが可能だと考えています。そのような環境の中、各々の役割をしっかり担い、私たちの目指す姿の実現に向けて一緒に頑張っていきましょう。

これからのM.Aさんの目標・目指しているキャリアについて教えてください。

長く研究開発に携わりながら、ここ数年は人事(特にDE&I)、ガバナンス、サステナビリティ、SCQにかかわる部署で新たなテーマに関して勉強しつつ業務しています。長期間に渡りDE&Iの取り組みにも非常に多く関わっています。

今後も引き続き組織の垣根を超え、後輩たちに寄り添い、DE&Iにも積極的にかかわりたいと考えています。また、組織長としては、組織の土台となる部分をしっかり構築し(SCQの部分)、部下の育成や働き甲斐UPに貢献することによって、メンバー皆で喜び合えるような成果を出し続けられる組織づくりを目指したいと思っています。


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M.Aさん、お話を聞かせていただきありがとうございました!


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