人生の種明かしがすすんだ月のこと
人生が前に進む、と考えるならば、それを常に反対方向に引っ張る存在があった。前のめりになる私の肩に手をかけて、ぐいっと引っ張った。時には、「お前には無理だ」と囁いた。その存在の正体に、私はずっと気づけずにいた。
”それ”は、全くわからなかった。そもそも、存在にもずっと気づけなかった。なにかよくわからないけど、自分の行動を反対側のベクトルに持っていく存在があった。それにより、怖かったし、自分をたくさん責めて否定した。誰に何を話したこともなかったけど、常に何かをするときには「恐れ